ひとこと | (8月2週) |
旅の方法 |
アジサイ | の | 空 | の広場 |
○○○○ | / | あう | 大1 |
どこかに旅行に行く場合、まず詳細に調べた後、賽を投げるように偶然な機 |
縁によって目的地を決める、いわば、オーソドックスな方法がある。また、旅 |
行がしたくなった際に、最初から賽をふって目的地を決定する方法がある。こ |
の場合は、いろいろな困難や失策が生じやすく、万人が見るものを見落とす一 |
方で、いかなる案内書にも書いていないいいものを掘り出す機会がある。 |
前田利家と羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)は、織田家に仕えていた頃から親し |
かったことは有名である。秀吉は、奇抜なアイデアによって敵将を打ち破って |
いった一方、利家は奇抜な戦略を用いなかったが、合戦の際、先頭に立って勇 |
猛果敢に戦い、武功をたてて出世していった。冒頭の旅の話に言い換えれば、 |
秀吉は「最初に賽を振って目的地を決定」し、利家はオーソドックスな方法で |
目的地を決めていたといえるのではないだろうか。 |
何らかのいいもの、つまり、変革を成し遂げるためには、いかなる「案内 |
書」にもたよらず、自分の考えであえて狭い道を進まなくてはならないだろう |
。それは、年功序列、終身雇用が崩壊しつつある、つまり、「案内書」に掲載 |
されている道にもはや頼れない現在に最も言えることである。しかし最初から |
賽を投げる方法は、「死中に活を求める」行動とも言え、その典型的な失敗例 |
として太平洋戦争が挙げられる。当時、日本とアメリカ合衆国との戦力の差を |
全く考慮せず、「死中に活を求める」暴挙にでて、多くの犠牲者をだしたこと |
は、周知のとおりである。 |
確かに、「案内書」の道をたどっているだけでは、向上することはないと |
いえるだろう。しかし、最初から賽を投げることが、無謀な行動であってはな |
らない。大切なことは、緻密な計算のうえに、奇抜な行動にでる、いわば、案 |
内書によって一定のルートを把握してから賽を投げてみることではないだろう |
か。 |