小学校低中学年の子が長文音読をしているのを聞いていると、読みまちがえたりつっかえたりすることが多いのにいらいらすることがあると思います。 しかし、ここですぐに注意するか、黙って静かに聞いたあと「だんだん読むのがじょうずになってきたね」とほめてあげるかで、その子のその後の勉強の好き嫌いが決まってきます。 子供が小さいころは、大人の評価がそのまま、子供の自分自身に対する評価になります。注意される割合がほめられる割合よりも多ければ、子供は自信を失っていきます。小さな間違いを直すことで、子供が自信を失うならば、ことわざの「角を矯めて牛を殺す」と似たことをしていることになります。 注意されたことは次第に苦手になっていきます。その苦手を直すために更に注意をつづけると、子供はやがてそのこと自体を拒否するようになります。 ほめられたことは次第に得意になっていきます。子供がそのことを得意だと感じるようになったあとは、多少の注意をされても自信は揺らがなくなります。この段階になって初めて注意が生きたものになってくるのです。 スポーツでも同じです。試合に強いチームと試合に弱いチームがあります。試合に弱いチームは、負けたあとに「どうして負けたのかよく考えなさい」というような後ろ向きの反省をさせていることが多いものです。負けてみんながくやしがっているときでも、指導する者はぐっとこらえてにっこり笑って選手を励ますという心の大きさが必要になります。 子育ても、子供が小さいときであればあるほど、ぐっとこらえてにっこり笑うという意識的な努力が必要になります。子供が失敗したときには叱ったりからかったりせずに、「前よりずっとうまくなったよ」とほめてあげるようにしてください。 |
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