メダカのいる池
●動画:https://youtu.be/WHqUFQvN3rA
道を歩いていて、工事現場などを通りすぎるとき、そこで使われている機械や設備を見て、「よく、ここまで工夫して作ったなあ」と感心することがあります。
これが、かつての日本の国際競争力の源泉でした。
今も、日本の自動車産業などでは、それが続いています。
しかし、それらの機械工業のあとのサービス産業の分野では、おもてなしなどの人間的な工夫はなされていますが、システムとしての工夫はまだ不十分なようです。
例外なのは、受験教育産業の分野です。
ここは、目的がはっきりしているので、機械工業のような発想で取り組むことができます。
そこでは、工夫した教材だけでなく、偏差値や順位や合格可能性などが、子供たちの勉強の動機づけに使われています。
もちろん、それは、それでいいのです。
しかし、これからのサービス産業の新しい分野は、受験教育ではなく、もっと広義の文化教育の分野になります。
この文化教育の分野では、システム上の工夫は遅れています。
文化教育とは、受験という目標に必ずしも結びつかない分野です。
この文化教育の分野で、人間力だけに頼らない新しい仕組みを作ることが、これから日本が発展する道です。
やがて、日本の輸出の中心は、機械産業から文化産業に移っていくでしょう。
そのときに、他国が簡単には模倣できないようなハイレベルの仕組みを作っていくことが大事になります。
言葉の森の行っている教育は、主に文化教育の分野です。
作文、創造発表、プログラミングなどは、点数や順位や偏差値ではなく、創造と発表の喜びに基づいたものです。
また、国語読解、算数数学、英語も、できるだけ創造や発表の面を取り入れていきたいと思っています。
例えば、授業の前のみんなの読書紹介や、授業のあとの一人一言の時間などは、勉強の能率を考えれば、無駄なように見えるかもしれません。
しかし、この読書紹介や一人一言の時間の中で、みんなが創造的に発表する機会を持つことができ、それがその子の成長につながっていくのです。
言葉の森の教育の目的は、思考力、創造力、共感力を育てることです。
引き続き、この方向で、勉強の方法を工夫していきたいと思います。