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古い勉強法、新しい勉強法(その3)―競争を超えて as/1035.html
森川林 2010/10/06 07:52 
修 削



 競争が楽しいときもあります。私(森川林)が高校生のころ、中間テストや期末テストがあると、教科ごとに成績順位の上位10名ぐらいの名前があちこちの廊下に張り出されました。

 みんなで、それを見ながら、「やっぱり○○はすごいな」「あ、おまえも○位じゃん」などと楽しく話していました。それは、競争というぎらぎらしたものでは全然なく、楽しい日常会話の延長で、ときどき発表される面白い話題という感じでした。

 競争が楽しいというのは、こういうコミュニケーションを通して競争をしている場合です。抽象的な順位や偏差値だけで、「次は○位を目指すぞ」というようなことに、人間はあまり魅力を感じないのだと思います。成績や順位は、事後的に自分をチェックするには役立ちますが、それが事前の目標になることはあまりないのです。


 しかし、年齢的に競争に燃えやすい時期はあるようです。小学5年生から中学2年生のころは、なぜか人と競うということに強い関心を持つ時期のようです。しかし、中学3年生以降になると、勉強の動機は、競争や賞罰のようなものから、自分自身の向上へと移っていきます。勉強は自分のためにやるものであって、自分で納得できるということが大事だとだれでも自然に思ってくるのです。それが、人間の本来の姿だと思います。

 けれども、そういう自然な意欲を勉強に対して持つためには、小学4年生までの低中学年の時期に、競争意識を煽らないことが大切です。子供が、他人との競争で意欲を持ちそうになったときは、親は逆にそれを抑えるぐらいにした方がいいのです。


 競争と似ているものに、賞罰があります。この賞罰も、一見子供の意欲を掻き立てるもののように見えます。よく、点数がよかったら、何ポイントがたまって、それが賞品になるという仕組みがあります。言葉の森の賞品システムも、このような形ですが、実は、こういう賞をあまり勉強の目標にしない方がいいのです。

 賞を意欲の源泉にしようとすると、子供の意識の中に、賞に結びつかないものはやらなくてもいいという感覚が出てきます。勉強というものは、自己の向上と社会の貢献のために行うものですが、それが、自分が得をするかどいうかという狭い基準で考えるようになってしまうのです。

 今の社会は、競争や賞罰がどうしても前面に出てきがちです。それは、大人の社会自体がそういう仕組みになっているからです。しかし、それは人間の精神的なレベルが低い過去の時代の仕組みです。未来の社会に生きる子供たちは、競争や賞罰ではなく、もっと大きなものに向かって勉強する気持ちを育てていく必要があるのです。



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