ログイン ログアウト 登録
 創造産業の重点は言語的、知性的なものに (日本の新しい産業 その7) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 1214番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/3
創造産業の重点は言語的、知性的なものに (日本の新しい産業 その7) as/1214.html
森川林 2011/03/26 11:07 


 今後、日本で創造産業が発展するためには、国民ひとりひとりの意識が変わっていく必要があります。それは、私たちの喜びを、消費的な喜びから、創造的な喜びに向かって広げていくことです。消費の喜びには、寝食を忘れて取り組むというようなものはあまりありません。しかし、創造の喜びにはそのような情熱的な感動を伴うものがしばしばあります。

 例えば、音楽を鑑賞する、スポーツを観戦する、おいしいものを食べる、どこかに旅行に行く、テレビを見る、本を読む、このような喜びは、消費の喜びです。これに対して、音楽を作る、スポーツに参加する、おいしい料理を作る、みんなを迎える観光地を作る、テレビ番組を作る、本を書く、このような喜びは、創造的な喜びです。創造的な喜びは、夢中になると文字どおり寝食を忘れて取り組むようなことが起こります。創造の喜びの魅力というものを多くの人が実感していることが、創造産業を発展させる土台となります。

 創造産業を発展させるためにもうひとつ忘れてはならない大事なことは、身体的、感覚的なものよりも、まず言語的、知性的なものを優先させるということです。

 創造産業の例として、最初にわかりやすく流鏑馬の話を取り上げましたが、身体的なもの、つまり、運動や音楽や芸術のようなものだけが発展し、子供たちの夢や理想が身体的なものに向かうようになると、日本の文化は知的に衰退するようになります。そして、知的に遅れた国は、やがて知的に発達した国の科学技術に後れをとるようになります。

 だから、創造産業は、量的には身体的なものが多数を占めるとしても、質の面での重点は、まず言語的なものにする必要があります。言語的な創造産業とは、具体的には、学問の新しい分野を作り出すことです。アメリカで生まれた金融工学は、宇宙工学の分野で失業した人が金融界に流れて誕生したと言われるように、経済学とコンピュータアルゴリズムの融合という形で発展しました。同じようなことが、これからさまざまな学問分野で生まれる可能性があります。

 なぜかというと、現在の学問は、例えば数学でも専門が少し違うだけで、互いの先端分野は理解できないと言われるように、高度に専門化して発達しているからです。そして、人間の理解というものは、コンピュータのようにただメモリの容量さえあればすべて受け入れるという単純なものではなく、長い時間をかけてその分野に精通しその分野の知識を血肉化していくという不完全な身体性を伴ったものだからです。

 この身体性こそが、個性と創造性の根拠になります。例えば、数学のAという分野に精通した人が、同時に生物学のBという分野にも精通していて、その両者の先端的知識を組み合わせると、新しい数理生物学のような分野が新学問として創造されるということです。すると、その学問分野がまた新たな創造の土台となり、このようにして、知的な分野でも無数の創造が可能になるのです。

 よく「遺伝学の父メンデル」とか「カオス理論の父ローレンツ」などという言い方がされることがありますが、日本に(そして、やがて世界に)無数の「○○学の父」が生まれるというのが、創造産業の知的な面での表れ方になります。

 さて、ここで考えなければならないことは、身体的な分野ほど導入部分が容易であるのに対して、言語的な分野は導入部分が困難であるということです。これは、習い事の例を考えてみるとわかります。小学生の子供たちにとって、スポーツや音楽はすぐに親しめる分野です。しかし、勉強的なことは自然に任せておけば自ら興味を持って取り組む子はほとんどいません。子供たちが小さいころから塾に通っているのは、受験社会に対応する必要に迫られているからであって、決して子供たちの内的な動機によるものではありません。

 なぜ、身体的なものの方が知的なものよりも入りやすいかというと、身体的なものはどんなに初期の習得段階であっても、それなりに表現する楽しさがあるからです。サッカーを習い始めたばかりの子であっても、下手な子は下手なりに楽しくサッカーのプレーに参加することができます。音楽や芸術も同様です。

 しかし、知的なことは、延々と習得するだけの過程が続きます。知的な分野で何かを創造するというのは、20代や30代、場合によっては40代や50代になってから初めてできることなのです。だから、この退屈な知的習得の過程を継続させるために、本来、創造の喜びとは無縁なテストや競争や賞罰という強制力が必要になってくるのです。

 ところが、ここで、テストや競争や賞罰に頼らない形の知的学習として、作文を活用がすることができます。(やっと作文の話になった。)なぜならば、作文は、子供たちのそれぞれの個性や年齢に応じて、誰もが発表の喜びを味わえる学習だからです。(つづく)


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


コメント欄

コメントフォーム
創造産業の重点は言語的、知性的なものに (日本の新しい産業 その7) 森川林 20110326 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ねのはひ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ねのはひ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
新しい産業(23) 
コメント1~10件
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
優しい母が減っ 森川林
あきろあさん、コメントありがとうございます。 子供は、もと 2/13
記事 979番
優しい母が減っ あきろあ
森リン先生の投稿をみて、母は甘やかしていいんだと、初めて気付 2/7
記事 979番
中根の担当する 森川林
YKさん、ありがとう。 私が子供にさせたいと思っていたのは 1/27
記事 5267番
中根の担当する YK
創造発表クラス面白くなりそうですね!イギリスの私立学校のカリ 1/27
記事 5267番
これからの学力 森川林
 書き忘れたけど、ひとりの先生が全教科、全学年を教えるという 12/9
記事 5233番
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 3月の 森川林
 よく考えたね。  でも、利己的と自己中心的は、意味が違う 3/25
国語読解掲示板
AIで宿題なん 森川林
AIで宿題なんて簡単にできるようになっている。 解決策は、 3/24
森川林日記
3月の小6の確 あかそよ
大問1-2 利己的と自己中心的はほとんど同じ意味だと思いま 3/23
国語読解掲示板
2025年3月 森川林
●小学校低学年の作文は、書いたあとの添削よりも、書く 3/22
森の掲示板
オープン森リン 森川林
オープン森リンのフォームをホームページに設置したら、早速、ア 3/21
森川林日記
SBペイメント 森川林
スクエアはもっと簡単にできたのに、SBペイメントは仕様書だけ 3/19
森川林日記
この1週間、ほ 森川林
 この1週間、ほとんど何も仕事をしなかった。  思索と森リ 3/12
森川林日記
Re: 題名( さき
あなたのコードとパスワードが見つかりません、と表示されます。 3/9
森林プロジェクト掲示版
森プロの講師ペ さき
いつもお世話になっております。 森プロの講師ページが開かな 3/9
森林プロジェクト掲示版
BtoB集客1 大谷優花
《 法人向け集客を1件1,000円で 》 私たちは集客 3/8
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン