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作文の勉強における意欲 as/1247.html
森川林 2011/04/26 19:45 
修 削



 日本における作文教室の現状を見ると、満足できるところはほとんどないと言ってもいいと思います。

 なぜ現在の作文教室のほとんどがダメなのかというと、ひとつは指導する方法が確立していないからです。もうひとつは、評価する方法がやはり確立していないからです。



 まず第一は、指導する方法ですが、作文は書く学習を重ねるだけでは上達しません。作文の力をつけるためには、その前提となる読む力をつけていく必要があります。

 言葉の森では、読む力をつけるための学習として、長文暗唱、問題集読書などを取り入れています。これは、徹底させることが難しいので、子供によっては作文の勉強が負担になるというひとつの要因にもなっています。しかし、何とか時間の都合をつけてこの自習に毎日取り組んでいる生徒は、確実に力をつけています。今のところ、作文力を確実につけるには、この自習の方法しかないのではないかと思っています。



 読む力がつかないまま書く学習に力を入れようとすると、書きやすい練習を優先させることになります。穴埋め方式の作文や、短文だけの作文や、物語の続きを書かせたり、四コマ漫画を見せて書かせたり、というのは、子供の意欲を引き出す工夫にはなっていますが、実力をつける工夫にはなっていません。

 実力をつけるには、その学年に応じた歯ごたえのある課題の作文や感想文で練習する必要があります。しかし、その練習は、読む力の進歩に応じてしかできないのです。



 第二に、評価する方法ですが、作文にはひとつの解答というものがありません。だから、個々の作文を人間が読んで、その読んだ人の判断で評価することになります。ところが、こういう評価は、子供たちにとっては、賽(さい)の河原の石積みのように、先に進むあてのない感じがするものなのです。



 ひとつの解答があり、そこにいかに近づいたかという評価であれば、いい評価であれ悪い評価であれ自分なりの達成感がありますが、人間が主観的的に判断して下す評価はそのような確実性が感じられません。そこで、ほとんどの教室では、解答のかわりにコンクールや優秀作品の選定ということを行います。

 しかし、このようなコンクールは、選ばれた子だけがうれしいもので、選ばれなかった子はその優秀作品を目標にしてがんばろうとは思わないものです。また、賞に選ばれた子であっても、なぜ選ばれたかがわからないので、次の努力や向上に結びつける手立てがありません。



 小学校低中学年のころは、表記ミスの指導も多いので、人間による評価でも客観的な採点ができますが、子供たちが小学校高学年になり、中学生、高校生になると、もう表記のミスはほとんどなくなります。

 そこで、高学年の評価の中心になってくるのが、多様な語彙でいかに論理的な文章を書いたかという、森リン(自動採点ソフト)による文章力の評価になります。言葉の森の学習が、中高生になっても充実して続けられるのは、人間の評価に加えてこの評価の方法があるからです。



 以上のように、指導と評価の両方の面における方法論の不在が、現在の作文教室のほとんどに見られます。しかし、言葉の森の指導にも、もちろん多くの弱点があります。それでも、今のところは、言葉の森でできていないことは、他の教室でもやはりできていないという段階だと思います。



 言葉の森で、今何が最も不十分かというと、それは子供たちの意欲を確実に引き出す指導です。しかし、私たちは、賞や罰の外面的なもので子供たちの勉強の意欲づけをしようとは思いません。もっと意欲というものの本質を考えた取り組みをしたいと思っています。



 勉強の意欲付けということで参考になるのは、セルフラーニングで子供たちの勉強の意欲化に成功している算数教室の「でき太くん」の取り組みです。



 次回は、でき太くんの勉強法と言葉の森の勉強法を比較しながら、言葉の森が、作文の学習における意欲というものを今後どのように育てていこうと考えているかを書こうと思います。



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