私事ながら、先月ようやくスマートフォンを入手致しました。
自称情報通の友人に勧められるまま、最新・高性能(らしい)機種を購入したのですが、食い入るように画面を見つめる日々が続いています。
楽しいからではなく、難しいからです。(笑)
新時代の利器とはいえ、使いこなすためには人間側にも並々ならぬ努力が必要なようです。
ところで、ガラリと話題は変わって、今週の月曜日、2012年9月3日。
ある国民的スターが「生誕100年“前”」を迎えました。
なんのこっちゃとお思いでしょうが、そのスターというのは誰あろう、あの「ドラえもん」なのです。
ドラえもんは22世紀の未来からやってきたネコ(タヌキではありません)型ロボット。
彼が誕生したのが2112年9月3日、すなわち本年2012年は、「生誕100年“前”」となるわけです。
生誕“何周年”の歴史を持つ名作は数多いですが、過去を顧みるのではなく「未来に向かって」お祝いされる作品、キャラクターというのは他にはないと思われます。
夢と可能性に満ちた作風そのままの、『ドラえもん』ならではのニュースだと言えましょう。
「言葉の森」の教室にもドラえもんの学習漫画シリーズが多くあり、子供たちの人気を集めています。
また、川崎にある『藤子・F・不二雄ミュージアム』を訪れられたこともある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私も、藤子ミュージアムの開館前、別の場所で催された特別展を見に行ったことがあります。
そしてそこで思わず、「ドラえもんのひみつ道具図鑑」のような本を買ってしまいました。(笑)
その場のノリと懐かしさでなんとなく手にとったその本でしたが、パラパラと拾い読みした限りでも、これがビックリ。
面白おかしく、奇想天外で、しかも理にかなっており、かつどこか親しみを感じさせる……まさしく「こんなこといいな、できたらいいな」を考えに考え抜いて形にしたであろう、夢の道具のオンパレードでした。
藤子・F・不二雄先生が自らの作品(作風)を、SF=「Science Fiction(サイエンス・フィクション)」ではなく、「すこし・ふしぎ」と評していらしたのは有名な話。
しかし、少しどころか「すばらしく・ファンタスティック」と言うべき“発明品”の数々、そのアイデアの豊かさには、もはや圧倒されるばかりです。
子供の頃はただ無邪気に楽しんでいたものでしたが、大人になり、科学的理屈やお話の作り方が多少分かった今となっては、藤子・F先生の頭の中は一体どうなっているのかと畏敬の念を新たにするしかありません。
いかにもマンガ的、荒唐無稽でありながら、ドラえもん本人(?)同様「いつかこの世に生まれ落ちるかもしれない」という説得力と期待感を持ってあらゆる道具が描かれているのは、本当にすごいことだと思います。
そんな『ドラえもん』をモチーフに、2012年現在の「ひみつ道具」、最先端にして未来へと繋がる技術を紹介している企画が、こちら。
「みらいサーチ」
http://www.yomiuri.co.jp/net/newproducts/mobile/20120903-OYT8T00779.htm
ここでスマートフォンが登場します。(笑)
私が試した時に表示された道具は「おすそわけガム」、それに対応する実在の技術は「タグキャンディー」という代物でした。
市販のキャンディー(棒に刺さったアレです)をてのひら大の機械にセットすることで、振動や音響の効果により様々な食感を味わえるようになる、という発明。
たとえば、コーラ味のキャンディーを振動させ、口の中で炭酸の弾ける感じを再現。いちご味のキャンディーに果肉や種の“つぶつぶ感”をプラス……など、誰もが空想するけれど誰も実現したことはなく、極めて無駄なようでいてできたらちょっぴり素敵な、“リアルひみつ道具”です。
他にもこのような技術が何点も取り上げられており、音声検索するたびに違う結果に出会える模様。
皆様もぜひ、のび太くんになったつもりで、お持ちのスマートフォンに「ドラえも~ん」と呼びかけてみてはいかがでしょうか。
もっとも、「携帯端末に音声入力して検索をかけ、動画を見る」という行為自体が、すでに驚くべき“未来的(SF的)光景”であるとも言えます。
“デジタルネイティブ”などと呼ばれもしますが、今も昔も変わらず、無邪気な好奇心を持つ子供たちにとっても、それは新鮮な驚きになるはず。
お父さん、お母さん自身がさながら「ひみつ道具を取り出すドラえもん」となって、お子様たちの興味を惹くニュースを教えてあげるといいかもしれません。
そんな些細なきっかけから、100年後、ドラえもんを生み出す未来の科学者が育ってゆくかもしれないのですから。
(いとう)
↓この記事のために購入した本。以前のものは友人に譲ってしまったので……。↓