家庭学習で大事なことは、自分が何の勉強をどんなやり方でどのくらいやるか最初に決めることです。
国語の勉強は、これまでどおり言葉の森の自習の音読や暗唱や読書を中心にしています。漢字の読みや書きを入れてもいいでしょう。高学年の生徒は、できるだけ問題集読書も取り入れていくことをおすすめします。問題集読書は、読書力のある生徒には普通の勉強よりも楽しいものです。
算数は、市販の問題集を1冊完璧に仕上げることを目標にします。算数は、問題を解くということにこだわらず、問題を見て考えて答えを見て確認するというような勉強にしてもかまいません。
なぜ市販の問題集を使うかというと、塾の問題集や学校の問題集は、先生が解説するように作られているので、生徒が解法を見て理解するという自学自習のスタイルの勉強には向かないことが多いからです。
問題集選びの基準は、手に入りやすいもの、発行年数が新しいもの、持ち運びしやすいようにあまり厚くないもの、標準問題が確実にカバーできるもの、解説が詳しいものです。公立中高一貫校には、難度の高い問題をやる必要はありません。標準問題を早く確実に解けるようにしていくことが大事です。そして、公立中高一貫校対策の特徴として、算数的な考え方を楽しむ要素があることも大事です。
そういう基準で言うと、次のような問題集がいいでしょう。
○小1~3……「ハイクラステスト」(又は、「標準問題集」)。小3までは、算数の基礎力として早く正確に計算する力を身につける時期です。
○小4~6……「くわしい算数」。小4~6は、難問を解くよりも、算数的な考え方を身につけるようにします。問題は基本的なものが早く正確にできることを目標にします。
○中1~3……「くわしい算数」(又は「ハイクラステスト」)。中1~2は、基本を身につけ、中3は入試に向けて難問も確実に解く力をつけます。
理科、社会の勉強も、教科書に準拠したもので充分です。公立中高一貫校は、受験のための知識を詰め込むような勉強は必要としないので、問題集を解く形の勉強は特にしなくてもいいのです。
教科書は、先生が教えることを前提に作られているので説明が不足しがちです。市販の参考書は、自学自習用に作られているので、読み物としても楽しく読んでいくことができます。
楽しく読めるものということで、次のような参考書がいいでしょう。
○小3……「これでわかる理科」
○小4……「くわしい理科」
○小5……「くわしい理科」「くわしい社会」
○小6……「くわしい理科」「くわしい社会」
このほかに、受験には直接関係はありませんが、小4から英語に取り組むようにするといいと思います。英語は、中学生になってからでも充分に間に合いますが、小4~小6のころは、英語を感覚的に吸収できる時期なので、早めに取り組んでおく方がいいのです。しかし、小1~小3のころに先取りする必要はありません。小3までは日本語の読書を中心にしていく方がいいのです。
○小4~6……「ジャックと豆の木」の英語本など
公立中高一貫校の受験の問題は、受験ですから解くためのスピードも要求されますが、問題のレベルは考える基本問題が中心です。この考える力は、実は受験勉強のような形ではつきません。小学校低中学年からの読書の量と質によってついてきます。
小4までは、基本の問題集と参考書を読むことを中心にし、小5からは実際の入試問題を読んでいきます。
○小5~6……「公立中高一貫校適性検査問題集全国版」
この問題集には、全国の公立中高一貫校の問題1年間分が載っています。それを、自分の志望校でないところも含めて、順番に問題を読み、考え、答えを読んでいきます。親子で一緒にクイズを解くような感じで読んでいってもいいでしょう。そして、頭を使う面白い問題があったら、その問題を真似て自分でも問題を作ってみます。また、いい文章があったら、その文章に似た実例を考えてみます。考える力をつけるためには、こういう答えのないことに使う時間を大切にすることです。能率のよい勉強をするのが大事なのは、この自由に考える時間を増やすことができるからなのです。
こういう公立中高一貫校の適性検査むけの学力をつけておくと同時に、毎週1回作文を書きます。書くジャンルは、小4までは事実中心の生活作文です。
小5~小6は説明文や感想文が中心です。中学生からは意見文が中心になりますが、公立中高一貫校の受験作文には、意見文的なものも多いので、中学生の時期の書き方を先取りしていく必要も出てきます。
このようにして、やることが決まったら、次は、毎週の曜日ごとの勉強の予定です。○曜日の○時から○時までは○○をするというような予定を作っていきます。
国語、算数、英語は、できるだけ毎日やるようにし、理社はそれぞれ週に2回程度としておくとよいでしょう。作文とそのための対話、過去問とそれをもとにした対話はそれぞれ週1回です。