第七は、森林プロジェクトです。。
先に書いた、第一から第六までの企画を、森林プロジェクトの中でも実現させていきたいと思っています。
その森林プロジェクトが、これから広がっていく背景とビジョンを説明します。
その説明とは、これからの世の中の流れがどう変わるかということです。
自分たちの生活がどう変わるかということ以上に大事なことは、子供たちの未来の生活がどう変わるかということです。そして、未来が大きく変わるとしたら、そのための準備を今からしていく必要があります。
これまでの社会を仮に旧社会、これからの社会を仮に新社会と呼ぶとすると、新社会に向けての準備は、あるところまでは旧社会における準備と重なっています。
例えば、基本的な学力をつけるというのは、旧社会でも新社会でも差はありません。しかし、その先が違ってきます。
旧社会では、子供たちの教育は学力の向上から始まり、やがて受験勉強へと進みます。その受験勉強の先にあるものが、安定した高収入の限られた恵まれた職業となっているところが、これから大きく変わります。
旧社会での恵まれた職業というものは、新社会では必ずしも恵まれた職業とはなりません。旧社会とは全く違う新しい職業が、新社会での恵まれた職業になります。
現代の子育ては、その新社会の方向も見ながら進めていく必要があります。
では、新社会はどのような特徴を持っているのでしょうか。
最も大きな影響力を持っているものは、ネットによる都市化の進行です。その都市化がネットの中で世界的な規模で広がっていきます。
ネットによる都市化は、リアルな都市化よりも更に稠密な都市化になります。
都市の特徴は、高い人口密度を背景に、多数のニッチな産業が成り立つところにあります。例えば、田舎には小さな本屋しかありません。それも、よく売れそうな雑誌だけが主に並んでいるような本屋です。だから、これまでは若者は田舎に住みたくなかったのです。
これに対して、都会では大きな本屋があるだけでなく、専門書に特化した本屋も成り立ちます。人口密度が高いので、個人の多様な要求に応えることができるのです。
しかし、ネットの本屋は、都会の本屋よりも更に専門化細分化しても成り立ちます。それは、ネットがきわめて人口密度の高い空間だからです。アクセスの回線さえ太ければ数千万人が一か所の店に入ることもできます。
だから、ネットでは、さまざまなカラーの専門店が成り立ちます。このカラー化の根本には、売り手の感性があり、その感性のもとには売り手のパーソナリティ(人格)があります。
ある一つのカラーにこだわる売り手が、その同じカラーにこだわる買い手に商品を提供するという形で商売が成り立ちます。人口密度が高くしかもまだ資本主義的な大企業が登場していないころの江戸時代の社会と同じような環境が、ネットの中で広がりつつあります。
この無数のカラフルな感性の登場が、新社会の特徴です。それは、その外見だけの変化ではなく、いずれ経済の根本を大きく変える力を持っています。
(つづく)