従来の、そして現在も広まっているICT教育、ネット教育は、もっぱら大量のリッチコンテンツと低コストの配信という仕組みで成り立っています。これは、これで教育の素材面でのインフラになるので、大きな意義があります。
しかし、そのインフラを生かせるかどうかは、生きた主体である子供たちの取り組み方にかかっています。
子供たちは友達と遊んだり、本を読んだり、スポーツに熱中したり、お喋りを楽しんだり、食べたり、休んだりという全体としての生活をしています。
そういう生活の中に、教育の素材だけがどさっと置かれたとき、その素材を生活全体の中にどう位置づけ取り組むかは、子供たちの主体的な実行の有無にかかっています。
インスタントラーメンであれば、お湯を注げば例外なく3分間でできあがりますが(3分も待たずに食べる人もいますが)、人間はいくら材料を与えられても、それを主体的に生かそうと思わなければ、その材料が自動的に何かを生み出すわけにはいきません。
今のネット教育に対する多くの人の疑問は、「確かにいいものがそろっているが、うちの子に続けられるかどうか」ということです。
そして、多くのネット教育は、続けやすくするために、教育の中身とはあまり関係のない外見の面白さやゲーム性や賞品リストなどに力を入れるようになっているのです。
中学生や高校生の中には、塾などの自習室で勉強する子がよくいます。
カラフルでインタラクティブなネット教育よりも、殺風景な自習室の方が勉強がはかどるのは当然です。そこには、勉強する雰囲気があるからです。
自習室での勉強の場合、教材は自分持ちで、教えてくれる先生はいません。ゲームも賞品もありません。しかし、同学年の子供たちがそれぞれに自習しているのを見ると、そこで自分も自然に勉強しようという気になるのです。
その自習室に、いつでも質問したり相談したりできる先生役の人がいて、勉強の方向などのアドバイスを受けられれば、それが理想的な勉強の場です。
しかし、こういうサービスは、人口密度の高い都会でしか成り立ちません。また、そういうサービスを提供できる自習室があったとしても、自宅から教材を持参して、歩いたり自転車に乗ったりして時間をかけて通わなければなりません。
それなら、自宅で勉強した方がいいと思っても、自宅でひとりで勉強するには、そういう雰囲気になるきっかけが必要です。また、自宅では、わからないところが出てきたときに質問できる人がいません。
こういう問題を解決するのがインターネットを使った新しい教育システムである寺子屋オンエアです。
しかし、寺子屋オンエアのような新しいコンセプトの勉強は、なかなか理解しにくいと思います。
そこで、言葉の森では、現在、言葉の森の生徒には機材も教材も無償の寺子屋オンエア無料体験学習キャンペーンを行っています。(つづく)