言葉の森の作文指導のシステムを誰でも使えるようにという目的でスタートしたのが森林プロジェクトです。
ここに参加すると、言葉の森の教材を自由に使えるようになります。(講師資格試験は有料ですが)
長年の蓄積のある独自の教材をなぜ誰でも使えるようにしたかというと、それは歴史の必然のようなことを考えたからです。
よいものは、とどめておこうと思っても、いつか自然に広がります。だとすれば、むしろ早めに広げて、その広げた先の新しいステージを作っていけばよいと考えたのです。
その新しいステージのひとつが作文検定です。
言葉の森の教材で作文指導をするところが増えれば、その指導を共通して評価する試験が必要になります。それが作文検定です。
作文検定は、、従来の文章評価の仕方とは全く違います。これまでの文章評価は、その文章がうまいかどうかを、読んだ人が主観性を交えて判断するものでした。
だから、当然人によって評価が異なります。また、同じひとりの人が評価する場合であっても、その日の気分によって評価が異なることがあります。
これに対して、作文検定は、あらかじめ指定した項目が正しく入れられたかという評価ですから、誰がいつ評価しても結果は同じです。その客観性が教育の場面では大事なのです。
しかし、項目を入れるという客観的な評価だけでは、ある程度以上よく書ける人の間では差が出なくなります。
そこで、1時間で1200字以上の説明文や意見文を書くという課題以上の生徒(小6~高3)には、項目の評価以外に、森リンによる語彙力の評価も加えています。
このやり方で小1から高3までの作文の客観的な評価をできるようにしたのが、言葉の森の作文検定です。
さて、森林プロジェクトに参加して、自宅や近所の集会所やカルチャーセンターなどで作文指導をする人は増えましたが、実際に指導を始めてみると、いろいろ悩みが出てきます。
その代表的なもののひとつが、一人でもうるさい子がいると、みんなが作文の勉強ができなくなるということです。これは、算数や英語や理科や社会などの勉強と違う、作文だけの独自な問題です。
作文を書くとき、頭はフル回転で言葉を探しているので、少しでも他人の言葉が聞こえてくると、その回転にブレーキがかかってしまうのです。
最近は、大学の授業でも私語が目立つと言われているように、悪気なく思ったことをすぐ口に出す子が増えているのです。
そういう子への対応をどうするかなどということ,同じ作文指導をしている人でなければなかなか相談できません。
そこで、言葉の森では、この秋から森林プロジェクトの講師の交流会を始めることにしました。月1回のペースでgoogleハングアウトを利用しながら、指導、運営、経営の研修や交流を行っていく予定です。