ログイン ログアウト 登録
 頭をよくする作文の勉強法――最初の目標は、書くことが苦にならなくなることだが Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 2634番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/24
頭をよくする作文の勉強法――最初の目標は、書くことが苦にならなくなることだが as/2634.html
森川林 2016/08/22 10:18 


 作文の勉強をしていて、将来どういうメリットがあるかというと、書くことが苦にならなくなるということです。
 どんなに苦手な子でも、何年間も毎週600字から1200字の作文を書いていると、いざ何かを書かなければならなくなったというときも、気軽に書き出せるようになります。

 勉強というのは、すべてこの「苦にならなくなる」が基本です。

 例えば、数学の勉強をするのも、将来物事を数学的に考えることが苦にならなくなるためです。そうすれば、必要に応じて、数学を使うときにはすぐに使えるようになります。
 逆に、数学的に考えることを苦痛に感じる人は、どうしても数学的なことを避けるようになります。すると、物事への対応の仕方がやはり限られてくるのです。

 英語でも同じです。英文を読むのを苦にならなくなるというのはかなり大変ですが、ある程度は読めるということまでいけば、必要に応じて英語で書かれたものでも、読むことができます。
 これも、逆に英文を読むのを苦痛に感じるということであれば、最初からそこを避けるようになるので自分のできることの可能性が限られてくるのです。

 今、プログラミング教育に関心を持つ人が増えていますが、このプログラミング教育についても、教育の基本目標は同じです。
 物事をプログラミング的に処理することが、苦にならなくなるというレベルまで行けば、必要に応じて自分で簡単なプログラムを書くことができます。
 もし、そうでなければ、人に頼むようになりますが、大きな仕事ならともかく、日常のちょっとした手直しなどはいちいち人に頼むわけには行きません。

 ちょうど、自動車の運転と同じです。ちょっと近くに出かけるときに、自分に運転の技術があれば気軽に行くことができます。
 運転は、タクシーでも、バスでも、他の人に頼む形でもできないことはないのですが、自分でできれば便利なことがかなり増えるのです。

 作文も、数学も、英語も、プログラミングも、自動車の運転も、それが人よりも得意になってそのことを仕事の中心にするためにやるのではありません。そういう人ももちろんいるでしょうが。
 得意になるというよりも、自分が何かやるときに、そういう技能を苦もなく使えることが、自分の可能性を広げるからその勉強をするのです。

 そして、この「苦にならなくなる」という最低限の基準を満たした上で、更に高い目標を考えるときに出てくるのが、作文の場合は、「頭をよくする」ことなのです。

 しかし、その「頭をよくする」話の前に、もう少し「苦にならなくなる」の話をすると、その「苦にならなくなる」ためにまず第一に重要なのは、続けるということです。

 ここを多くのお母さんや、先生が誤解してしまうところです。

 大人が、子供の作文を見るときに、その作文の評価だけなら誰でもできます。特に、小学校低学年の生徒の作文であれば、直すところは山のようにあるのが普通です。

 そこで、すぐ直す指導をしてしまう人が多いのです。
 これは、通信教育で作文の指導を受ける場合は、更にその度合いが大きくなると思います。通信教育の場合は、作文を書き上げたあとに、評価をするからです。

 欠点のある作文を見れば、事後的な評価であれば、それを直さざるを得ません。すると、作文を苦手だと思っている子ほど、直される注意されることが多くなるのです。

 作文の評価は、大人であれば簡単にできます。直すことも簡単にできます。
 しかし、間違いを直すことは、教育というものとは少し違います。
 ただ間違いを直して注意するだけであれば、受験を前にした切実な向上心を持っているような子でないかぎり、その直されることで作文に対する苦手意識が更に強くなっていきます。

 そして、その結果、作文が苦手な子ほど、作文の勉強を長く続けることができなくなるのです。
 だから、直すことは、直す人の自己満足に過ぎず、直される子の立場に立った教育というものではないと言えるのです。

 ところが、言葉の森はこういう直す指導をしません。直すことはもちろん直しますが、直す以外の指導を重点にしているから、苦手な子でも長く続けることができ、その結果書くことが苦でなくなるという目的まで達成することができるのです。

 そして、言葉の森では、更に、「苦でなくなる」より先の段階である、「書くことが好きになる」や「頭がよくなる」までの指導をしているのです。

 その話は次回に。(つづく)



コメント欄

さとむ(さとみ父) 2016年8月22日 21時40分  
今回の先生のお話は、なるほどー!と納得させられました。全くその通りですよね。勉強することとは、その勉強する内容を苦にならなくなること―なるほど。その道に進まなくても苦にならない程度にまでは自分でわかるようにしておくこと。本当に大事なことだと思います。ちなみに私は英語が学生時代から苦手で、苦手意識があるから、無意識に英文を読むことを避けていて、だから英文を読むことが苦になって・・・と、今に至るまで英語への苦手意識が抜けません。数学しかり作文しかりだと思います。
いつも中根先生のお話には納得させられることが多いのですが、今回も分かりやすいお話で役にたちました。ありがとうございます。

森川林 2016年8月23日 4時15分  
 さとむさん、ありがとうございます。
 「苦にならなくなる」というのは、習慣づくりのようなものだと思います。
 私の場合は、仕事をすぐにやるという習慣がなくて(笑)、いつもためてから取り組むので、すぐやることが苦にならなくなるようにするのが課題です。
 こういうことは、たぶん子供時代の家事手伝いの経験などでついていくのだと思います。
 そういう子供時代の子育てのコツのようなものをこれからみんなで共有していけるといいと思っています。

コメントフォーム
頭をよくする作文の勉強法――最初の目標は、書くことが苦にならなくなることだが 森川林 20160822 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
なにぬね (スパム投稿を防ぐために五十音表の「なにぬね」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森の特徴(83) 作文教育(134) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン