ログイン ログアウト 登録
 深層学習を生かした小論文の機械採点 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 2674番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
深層学習を生かした小論文の機械採点 as/2674.html
森川林 2016/09/16 18:34 


 思考力や創造性の評価で最も役立つのは小論文だと思います。
 しかし、小論文は採点に手間がかかることと、客観性が必ずしも保証されないことから、本格的に利用しているところはありません。

 小論文の本格的な利用とは、複数のテーマで1200字以上の小論文を何本か書くような形の利用です。
 字数が短い小論文であったり、1つのテーマで1本だけ書くような形では、誤差の方が大きくなります。特に、傾向が予測されるような小論文の場合は、準備の有無がその小論文の出来を左右するので、小論文試験と言っても本当の実力がどれぐらい正しく評価されるかは疑問です。

 この小論文試験の評価に活用できるのが、深層学習です。
 まず、同じテーマで複数の人が小論文を書いた場合、そのテーマに関連性の深い文章というものが評価されます。
 つまり、みんなが同じような形で論じている傾向に近いものほど、テーマに深く関連していると考えられるのです。

 しかし、みんなと同じ傾向だということは、それだけ平凡だということです。最も平凡で最もありきたりのものが高い評価を受けることになってしまいます。

 そこでもう一つの評価は、みんなと異なっている度合いを評価するということです。
 大きな論旨は、みんなが論じているものと同じだが、その中身がユニークで幅が広いという小論文が、論理性と創造性を兼ね備えた文章だと考えられるからです。

 これは、人間が文章を読むときの感覚と似ています。
 上手な文章というものは、書き出しと結びは一つの輪のように収斂していて、テーマと結びついていますが、その途中の展開がユニークで幅広く独創的なのです。

 ただし、以上のような評価を、自然に書かれた文章だけで評価するのは、深層学習には若干荷が重いと思います。
 そこで、小論文試験の場合は、書く文章にある方向性を持たせるようにするのです。
 こうすれば、人間が評価するのとかなり近い評価を機械採点でできるようになると思います。

 ここでよく誤解されるのは、機械が価値を評価しているのではないということです。
 価値を評価できるのは人間だけです。それは、生きた人間は、希望や願望や欲望といった未来に目指すものを持っているからです。
 機械がそのような価値観を持つようになるかもしれないという人がいますが、それは単に言葉の遊びです。生きているものは希望を持ち、生きていないものは希望というものがそもそもないから生きていないのです。

 機械による評価が容易にできるようになれば、学校教育の中で文章を書く機会をもっと増えます。
 知識を詰め込む勉強だけでなく、その知識を生かす勉強をすれば、勉強はもっと楽しくなってくると思います。


 参考までに、森リンという自動採点ソフトが評価した森リン大賞のリストです。(この森リンは、まだ深層学習を使っていません)

https://www.mori7.net/oka/moririn_seisyo.php



コメント欄

nane 2016年9月16日 19時4分 1 
 音声入力は、既に実用化されています。
 自然言語処理を利用して、生徒自身が作文の自己評価ができるようになれば、作文の勉強はゲームのように楽しいものになると思います。
https://www.mori7.com/index.php?e=2674



jun 2016年9月16日 21時22分 2 
知識は、inputするだけでなく、outputして初めて意味のあるものになるのですね。

コメントフォーム
深層学習を生かした小論文の機械採点 森川林 20160916 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ちつてと (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ちつてと」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン