「ロシア政治経済ジャーナル」という北野幸伯さんの出しているメルマガに、「日本を救う教育とは?」という記事が載っていました。
この記事の引用元は、「国際派日本人養成講座」(JOG)というメルマガで、このメルマガもいつも参考になる記事を載せてくれています。
この二つのメルマガに書かれているのと同じように、言葉の森も、教育というものを、実力、家庭、文化、創造という4つの軸で考えています。
これまで、そういう教育論は、論の域をなかなか出ませんでしたが、今後は作文指導やオンエア講座で具体的に実践していけるものになると思っています。
これから、教育については、いろいろなところから新しい流れが出てくると思います。
以下、メルマガからの引用です。
このメルマガの中で紹介されている「学力の経済学」については、またあとで書きたいと思います。
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★日本を救う教育とは?
全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
今回は、世界情勢に関係ない話です。
しかし、とても重要。
誰かに、「日本の最重要課題なんですか?」と聞かれれば、
私は、「中国の脅威から日本を守ることです」と答えるでしょう。
なんといっても、中国は、「日本には尖閣だけでなく、沖縄の領
有権もない!」と宣言しているのですから。
(●必読完全証拠はこちら。↓
https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2012_11_15/94728921/ )
「中国の脅威に対処する」
これが、おそらく今後10年ぐらい「最大の課題」だろうと思い
ます。
しかし、もっと長期に見ると、「教育」かなと思います。
教育には、「知識教育」と「人格教育」があります。
戦後、「人格教育」は、ほとんど行われなくなりました。
「人格教育、道徳教育は、『軍国主義』だ!」というのです。
そうなると、「知識偏重」で「人格のしっかりしていない人」
がたくさん育ってしまいます。
(私も偉そうなこといえませんが・・・・。)
日本でも世界でも、いい大学出て、政府の高い地位についてい
るような、いわゆる「エリート」が悪いことをしています。
つまり「知識オンリー」だと、「賢い悪人」が増えてしまう。
そんなわけで、日本にも「人格教育」が必要だろうと思います。
これに関連して、「この方が文部科学大臣になれば、日本の精
神復興は成る!」と確信している偉人がいます。
皆さんご存知と思いますが、「国際派日本人養成講座」(JOG)
を主宰されている伊勢雅臣先生です。
ちなみに「JOG」は、「RPEより先に読んで欲しい」メルマガ。
まだの方は、この機会に登録してみてください。
↓
http://www.mag2.com/m/0000000699.html
また、伊勢先生には、「全国民必読書」が二冊あります。
これを読むだけで、重度の「自虐史観病患者」も「全快」し
ます。
まだの方は、是非ご一読ください。
●『世界が称賛する 国際派日本人』
(詳細は→
http://tinyurl.com/zj9qvkg )
●「世界が称賛する 日本人が知らない日本」
(詳細は→
http://tinyurl.com/z5kejz5 )
そんな伊勢先生が、JOGで「人格力を育てる教育方法」について
解説されていました。
皆さんにシェアさせていただきます。
非常に役立つ内容ですので、ご一読ください。
【転載ここから▼】
最新の教育経済学が、わが国の伝統的な子育ての智慧を科学的に
裏付けつつある。
■転送歓迎■ H28.12.25 ■ 48,488 Copies ■ 4,287,209Views■
■1.「しつけを受けた人は年収が高い」
「幼児の頃にきちんとしつけられると、大人になってから社会的にも成功し、年収が高くなる」という興味深い調査結果がある。
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神戸大学の西村教授らは、「しつけ」という違った角度から研究を行いました。4つの基本的なモラル(=ウソをついてはいけない、他人に親切にする、ルールを守る、勉強をする)をしつけの一環として親から教わった人は、それらをまったく教わらなかった人と比較すると、年収が86万円高いということを明らかにしています。[1,956]
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話題のベストセラー、中室牧子著『「学力」の経済学』の一節である。これは「教育経済学」という分野の研究結果で、教育を一種の投資活動と捉え、子どもをどのように教育したら投資成果があがるか、を実際の社会調査データなどを用いて研究する分野だそうな。
上述の研究成果は、我々の先人が行っていた「しつけ」が、子供たちの成人後の収入に大きく影響する、というのである。年収86万円の違いというと、単純に22歳から62歳まで40年間では、3,440万円にもなる。
なぜ、しつけを受けた人は年収が高いのか、その理由については、山形大学の窪田准教授の研究が参考になる、という。
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窪田教授らは、しつけが子どもの勤勉性に因果効果を持つことを明らかにしました。すなわち、親が幼少期のしつけをきちんと行い、基本的なモラルを身につけさせるということは、勤勉性という非認知能力(JOG注: 知能指数などで計測される認知能力と異なり、忍耐力、社会性、やる気など直接計測できない能力)を培うための重要なプロセスなのです。
そして、このしつけによって育まれた勤勉性が、平均的な年収の差につながったのだと考えられます。[1,956]
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「4つの基本的なモラル(=ウソをついてはいけない、他人に親切にする、ルールを守る、勉強をする)」を躾けられれば、子どもは真面目に忍耐強く、勉強やクラブ活動に取り組み、ごまかしをせず、友だちとも助け合うだろう。
そんな子どもが学力だけでなく、立派な人格を持ち、社会に出てからも活躍する、というのは、わが国の伝統的な子育ての智慧とよく合致する。
■2.幼児教育がもたらす人生での成功
「非認知能力」とはこなれない訳語だが、分かりやすく「人格力」と言い換えても良いだろう。その他の研究でも、幼児からの人格教育が、その後の人生での成功にも非常に効果的だ、という結果が出ている。
ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン・シカゴ大学教授は、1960年代から開始されたミシガン州のペリー幼稚園での実験結果を定量的に分析した。この幼稚園では、低所得の黒人家庭の3~4歳の子供たちに、次のような「質の高い就学前教育」を施した。
・幼稚園の先生は、修士号以上の学位を持つ児童心理学等の専門家に限定
・子ども6人を先生1人が担当する
・午前中に約2.5時間の読み書きや歌などのレッスンを、週に5日、2年間受講
・1週間につき1.5時間の家庭訪問
無作為に選ばれた58人の子どもは入園を許されて上記の教育を受け、65人の入園を許可されなかった子どもたちと比較する研究が、その後、約40年も続けられた。その違いは目覚ましかった。この教育を受けた子どもたちは、受けなかった子どもたちに比べ、
・6歳時点のIQ(知能指数)が高い
・19歳時点の高校卒業率が高い
・27歳時点の持ち家比率が高い
・40歳時点での所得が高い、逮捕率は低い
という事が明らかになった。
こうした影響は、本人の収入を上げるだけでなく、その働きによって社会全体を豊かにする効果を持つ。ペリー幼稚園での教育投資が社会全体に与える「社会収益率」を、ヘックマン教授は7~10%と推定している。これは4歳の時に投資した1万円が、65歳の時に60万円から300万円となって社会を益するということである。
現在の日本の10年もの定期預金金利が0.1%程度だから、これでは1万円を60年間、寝かせても、618円の利子しかつかない。余裕資金があったら定期預金に預けるより、幼児の人格教育をした方がはるかに効果が大きい、ということである。
■3.人生を成功に導く人格力
興味深いのは、二つのグループの違いが、知能指数ではないことだ。確かにペリー幼稚園で「質の高い就学前教育」を受けたグループの知能指数は4~5歳ごろは高かったが、8歳頃にはその差が無くなってしまった。それでは何が違ったのだろうか。中室准教授はヘックマン教授の他の研究も引用しながら、次のように語っている。
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ヘックマン教授らは、学力テストでは計測することができない非認知能力が、人生の成功において極めて重要であることを強調しています。また、誠実さ、忍耐強さ、社交性、好奇心の強さ─これらの非認知能力は、「人から学び、獲得するものである」ことも。
おそらく、学校とはただ単に勉強をする場所ではなく、先生や同級生から多くのことを学び、「非認知能力」を培う場所でもあるということなのでしょう。[1, 859]
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これも我々の社会経験から頷ける。学校の成績は良くとも、誠実さ、忍耐強さ、社交性に欠けて社会では成功しない人もいるし、逆に勉強は苦手でも人格面で優れているために、企業の中で信頼され、重要な仕事を任されて活躍している人もよく見かける。
ペリー幼稚園の子どもたちは勉強もさることながら、優れた教師たちにじっくり教わる過程で、忍耐強さ、誠実さ、社交性などの人格力を身に付けていったのだろう。
■4.「やり抜く力」
人格力の中でも、特に重要と考えられているのが、「やり抜く力」である。ペンシルバニア大学のダックワース教授は、かつてニューヨークの公立中学校で教師をやっていた際に、成績は知能指数とはあまり関係ない、という事実に衝撃を受けた。知能指数がそれほど高くなくとも成績の良い子がおり、逆に知能指数が高いのに成績が良くない子もいる。
そこでダックワース教授は考えた。中学1年の数学で習うレベル、たとえば平行四辺形の面積を出す、というような問題は、どんな生徒も十分な時間をかけて、一生懸命勉強すれば、解けるようになる。だとしたら、成績の違いは、一つの問題に取り組み、それが解けるようになるまで「やり抜く力」の違いではないか、と。
教授は、教師を辞めて大学院に行き、心理学者になって「やり抜く力」に関する研究を始めた。「やり抜く力」を測定するアンケートを何千人もの高校生に行って、その力の高い高校生の方が、高校卒業まで辿り着く確率が高い事が分かった。
同様に、ウエストポイント陸軍士官学校で士官候補生が厳しい訓練を受けて卒業できるかどうか、教育困難な地区で働く新米教師が学年末までやり遂げられるかどうか、販売店員がどれだけ売上げを上げられるか、などのケースでも、やはり「やり抜く力」の高い人間が成功していた。
教授は、「やり抜く力」を次のように定義している。
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やり抜く力とは、超長期目標に向けた情熱や忍耐力で、スタミナがあることでもあります。やり抜く力は明けても暮れても自らの将来にこだわることです。その週だけとか、その月だけではなく、何年もの間、一生懸命に取組み、その夢を実現することです。やり抜く力は、短距離走ではなく、マラソンを走るように生きることです。[2]
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ダックワース教授のこの説明は、まさに教育勅語での「學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ?器ヲ成就シ(学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格をみがき)」の一節を彷彿とさせる。「やり抜く力」とは、まさにわが国の教育伝統でも重視されてきた人格力の一つなのである。
■5.人格力を育てる方法
こうした人格力を育てるには、どうすれば良いのか。ペリー幼稚園の事例では、優れた教師が子どもに密着して指導していた。この点がヒントになりそうだ。
中室准教授自身の研究では、親が口先だけで「勉強しなさい」などと言っても、効果はない。
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逆に「勉強を見ている」または「勉強する時間を決めて守らせている」という、親が自分の時間を何らかの形で犠牲にせざるを得ないような手間暇のかかるかかわりというのは、かなり効果が高いことも明らかになりました。[1, 579]
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子どもの勉強を見るのは、親でなくとも良い。
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祖父母や兄姉、あるいは親戚などの「その他の同居者」が、子どもの横について勉強を見たり、勉強する時間を決めて守らせていても、親とあまり変わらない効果が見込めることがわかっているのです。[1, 590]
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子どもは誰かが自分に関心をもって、勉強している姿を見てもらいたいのだろう。そうする事で、勉強は自分一人の孤独な作業ではなく、自分の努力を認めて貰える。そういう人とのつながりの中から、忍耐強さ、やり抜く力、誠実さなどを学んでいく。ペリー幼稚園の子どもたちは、まさしくそういう形で教師たちに育てられたのである。
日本では福井県の小中学生が、塾に通っている率は低いのに、全国学力テストでトップクラスの成績を収めて、教育関係者を驚かせた。これは学校がたくさんの宿題を出して、家庭でお母さんたちが家事をしながら、そばについて見ていること。そして三世代住宅が多いので、お母さんが働いている場合は、お祖母さんがその代役を努めている事が多いからだった。[a,b]
■7.良い先生の大切さ
ペリー幼稚園の実験では、子どもたちは「修士号以上の学位を持つ児童心理学等の専門家」に、毎日2.5時間も教わったのだが、こうした「教員の質」が、子どもの教育に大きな影響を与える、という事が、今までの研究で明らかになっている。
スタンフォード大学のハヌシエク教授の研究では、もともと学力の水準が同程度の子どもたちに対して、能力の高い教員が教えた場合、子どもたちは1年で1.5年分の内容を習得できたのに対して、能力の低い教員が教えた場合は0.5年分しか習得できなかった。
ハヌシエク教授はこの結果をもとに、能力の高い教員は、子どもの遺伝や家庭の貧しさすらも帳消しにしてしまうほどの影響力を持つ、と結論づけている。
全国学力調査では、日教組左派活動の活発な北海道、沖縄県、三重県、大阪府などは学力調査で下位に並んだ[c]。「子どもの権利」などと甘やかされ、「ゆるみ教育」しか受けず、また先生も組合活動で「自習」ばかりとなれば、学力低下も当然である。
これは弊誌の勝手な推測ではあるが、今まで紹介した研究事例から見ると、「良い先生」というのは学力だけではなく、人格力もある先生なのではないか。子どもたちに粘り強く向き合い、思いやりをもって接し、勉強だけでなく、子どもの人格を育てるには、先生自身の人格力が大事なのだろう。
子どもたちの教育よりも、自身の政治活動に重きを置くような、人格力に欠けた左翼活動家では、子どもたちの人格力を磨くことは無理な相談だろう。
■8.「子は国の宝」
わが国は江戸時代から寺子屋教育が普及し、庶民の就学率は当時の西欧諸国と比べても高かった。1850年頃の江戸での就学率は70~86%だったが、イギリスの大都市では20~25%に過ぎなかった。
日本全国では1万5千もの寺子屋や塾があって、子どもたちを教育していた。そこではお坊さんや神主さん、ご隠居さんなど人格力のある人々が、少人数の子どもたちにマン・ツー・マン教育をしていたのである。ペリー幼稚園の教育を、わが国は江戸時代にすでに全国レベルで行っていたのだ[d]。そうした教育に、幕末に来日した外国人たちも、一様に目を見張っている。[e]
こうした江戸時代の子育てをベースに、明治日本が国家政策として取り組んだのが「学制」だった。財政も不安定な中で、全国津々浦々に現在とほぼ同数の2万4千校の小学校を作り、志ある多くの青年たちを師範学校で教師として養成した[f]。そして教育勅語で、教育の理想を説いた。
ここから生まれた学力と人格力を備えた無数の人材が、明治日本の急速な発展を実現したのである。まさに「子は国の宝」である。
最新の教育経済学の研究成果は、我々の先人が長い年月をかけて磨いてきた子育ての智慧が正しいことを科学的に立証しつつある。
(文責:伊勢雅臣)
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