国語の勉強は、音楽やスポーツと似ています。
理屈がわかったからできるものではなく、そのことに慣れるまでに時間がかかるのです。
例えば、読書がそうです。
易しい本は読めるが、難しい本が読めないという場合、それは難しい本を読むことに慣れていないのです。
慣れてくれば、その面白さがわかるようになります。しかし、慣れなければ面白さはいつまでもわかりません。
記述や作文もそうです。
書き方の理屈が理解できたからといって、すぐにそのように書けるわけではありません。
上手な子の書き方の例を見せて、このように書いてごらんと言っても、もちろん書けるわけではありません。
時間がかかるのです。
だから、勉強法は、毎日気長にやることです。
記述の練習も、ある時期に集中して特訓をするのではなく、毎日問題集の文章を読んで自分なりに50字の感想を書くという練習をするのです。
そのときに、心がけることは、書いたり消したり考えたりせずに、考えたあとに一息で書くようにすることです。
入学試験には、常に時間制限があります。
その時間制限の範囲で書く練習をしていると、そのスピードにも慣れてくるのです。
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「記述力をつけるために」
https://www.mori7.com/index.php?e=2373
記述力をつけるためには、まず難しい文章を読み取る力をつけることです。そのためには、問題集の問題文を読書がわりに読む方法が有効です。それも、一度で終わるのではなく、同じ問題集を5回繰り返し読んでいくようにします。
読む力は書く力の土台ですが、書く力には独自の要素もあります。それがスピードと字数と構成力です。勉強の仕方は、問題集の問題文を読み、自分なりの感想を50字なら50字と字数を決めて書きます。
そのときに大事なことは、書きながら考えたり、途中で消したり読み返したり直したりせずに、最初にしばらく考えたあと字数ぴったりまで一息で書くようにすることです。
作文の字数とスピードは、慣れという面があるので、それぞれ自分なりの癖のようなものがあります。努力して速く書こうとすれば、だんだん速く書けるようになります。長さも、努力によって長く書けるようになります。
書き方のコツは、第一に、文中の言葉をできるだけ使うことです。自分なりに考えたことを書くのは大事ですが、そのままでは幼稚な書き方になることが多いので、それを文中の少し難しい言葉を使って書くようにするのです。
第二に、要求された字数いっぱいまで書くことです。「50字から100字の間でまとめる」というのであれば、書く力のある子は自然に100字いっぱいまで書こうとします。だから、採点する側も、多く書いている子の方に好意的な見方をするのです。
第三に、難しい問題のときも空欄にはしないことです。何を書いていいかわからないときは、設問の文章を一部引用しながら書くぐらいでもいいのです。ただし、これはあくまでも試験のための方便で、これで実力がつくわけではありません。
第四に、物事を対比するような形で書くことです。ただ、「Aである。」と書くのではなく、「Bではなく、Aである。」又は、「確かにBもあるが、しかしAである。」という書き方をすることです。実際にそういう形で書かない場合でも、考え方としては、物事を対比して輪郭をはっきりさせておくことが大事です。
第五に、物事の二面性に着目して書くことです。これも、ただ「Aである。」と書くのではなく、「Bであるとともに、Aである。」「Bである一方、Aでもある。」「Bであると同時に、Aである。」という書き方をするということです。
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