国語力というものは、一般につけにくいものだと思われています。
国語の問題集をいくら解いても、国語力がつくようになるとは思えません。 学校や塾で国語の授業をいくら熱心に聞いても、国語ができるようになるとは思えません。
国語というのは、目標も手段もあてのない教科だと思われているのです。
確かに、国語の点数を上げるコツというものはあります。
それは読解のコツ、記述のコツを身につけることです。
作文のコツというものもあります。
しかし、そのコツ、つまりテクニックでできる部分は、氷山で言えば水面の上に出ているところに限られています。
水面に沈んでいるところの国語力は、どうやって伸ばしたらよいか分からないというのが、多くの人の正直な感想だと思います。
この水面下に沈んでいる国語力というものは、一言で言うとその学年相当よりも少し難しい文章を読み取る力です。
国語の勉強を何もしていないのに、最初から国語の成績のよい子がいます。
そういう子に共通しているのは、小さいころから本をよく読んでいることです。
しかも、その本は、その学年の子にとってはやや難しい文章のものも含まれていて、それを自分から進んで読んでいるのです。
したがって、国語力をつけるためには、少し難しい文章を読む時間を増やすことです。
その一つのポイントは、作文感想文の勉強をする中で、感想文のもとになる長文を読み取る練習をすることです。
感想文を書くために元の長文を何度も読み、両親に関連する話などを取材していくと、その文章を読み取る力がついてきます。
それを繰り返すことで、難しい文章も読み取れる国語力がついてきます。
言葉の森の作文で、課題の長文の音読と、似た話の身近な人への取材をすすめているのは、作文を書く準備とともに、国語力をつけるためでもあるのです。
もう一つは、その学年にとって少し難しい文章、つまり国語の問題集に出てくるような文章を毎日読むようにすることです。
これを、言葉の森では、問題集読書という名前で呼んでいます。
しかし、この問題集読書を続けるには、少し工夫が必要なのです。