昨日の思考発表クラブで、嬉しい話がありました。
小学6年生の女の子で、以前、理科が苦手だからどういう勉強をしたらよいのかと聞かれたことがあったのです。
その子と、その子のお母さんは、理科の問題集をやるつもりで勉強の仕方を考えていたそうです。
私のアドバイスはそれとは違って、理科や社会は教科書を何度も読んでいれば自然にできるようになる、理科の中でも計算を含む算数的な問題については問題集の解法を何度も繰り返して覚えるとよいとアドバイスをしたのです。
そして1か月後の昨日、懇談会の中で、その子が先日の理科のテストで百点を取ったという話を聞きました。
もしこれが問題集を解くような形の勉強をしていたら、たぶん時間がかかり苦労が多い割に点数はもっと低かったと思うのです。
なぜかと言うと、問題集を解く勉強はできたかできなかったかという確認で終わることがほとんどだからです。
できたものは、もともとやらなくてもできたはずのものですし、できなかったものは何度も繰り返さなければできるようにはならないものだからです。
ところが、問題集を解くとそれで勉強が一段落したことになってしまうので、問題を解いても実力がつくのはほんのわずかなのです。
これは、私自身の体験でもそういうことがあったので、ある程度確信を持って言えるのです。
昔、私が中学2年生のとき、定期テストの歴史で一人だけ満点を取ったことがあります。
確か103点満点のテストでした。
なぜそんなことを覚えているかというと、滅多になかったことだからです(笑)。
テスト前の勉強は、いつも特にしていないのになぜよくできたかというと、お昼の弁当の時間に歴史の教科書を読書代わりに楽しく読んでいただけなのです。
野口悠紀雄さんの中学高校の英語の勉強も、そういうものだったようです。
英語の教科書が面白いので、何度も読んでいたら自然に英語ができるようになったということです。
英語の勉強というと、穴埋め式の英語の問題集をやろうとする人が多いのですが、そういう勉強は時間ばかりがかかる能率のあまりよくない勉強法です。
ただ読むだけというのがいいのです。
問題を解く勉強は、鉛筆や消しゴムを使うので、勉強しているような雰囲気になり、本人も周りで見ている人も安心します。
教科書を寝ころがって読むような勉強は勉強らしくないので、本人も周りで見ている人もそれがいい勉強法だとは思いません。(別に寝ころがらなくてもいいのですが)
しかし、その気楽に寝ころんで繰り返して読むだけの勉強が、最も効率のよい勉強法なのです。
形にとらわれるのではなく、内容を中心に考え、読む勉強を家庭学習の中心にしていくとよいと思います。