ログイン ログアウト 登録
 特色入試型の子供たち Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3219番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
特色入試型の子供たち as/3219.html
森川林 2018/03/04 09:58 

 これまでの受験は、覚えた知識をいかに正確に再現できるかという能力の評価が中心になっていました。
 それは、考える勉強と思われている入試の算数数学の世界でも同じです。
 算数数学も、入試問題のレベルで言えば解法の記憶と組み合わせと再現にすぎません。
 もちろん、その習得には時間がかかりますし、物事を数学的に処理する土台として重要ではあるのですが、基本は記憶と再現なのです。

 さて、今後の入試は、人工知能に代替される記憶の再現を中心にしたものではなく、人工知能に代替されない人間の能力を見るものが中心になってきます。
 世界の大学の入試の主流は、ペーパーテストから人物評価のようなものに移りつつあります。
 東大・京大が、推薦入試・特色入試の枠を作ったのは、日本だけが記憶力中心の入試を行っていたのでは、世界の水準から立ち遅れることが分かったためです。

 では、人工知能に代替されない人間の能力とは何でしょうか。
 それは、学力の面に関しては創造性です。
 その創造性の根底にあるものは、自分の好きなことを追求したいという意欲です。
 好きなことがあり、その好きなことに費やした時間のあることが、その人物の個性とほぼ同じものだと言えるのです。
 個性が、社会に役立つ創造性となるための前提として必要な学力は、センター試験の8割が取れていれば十分で、あとは必要に応じていくらでも身につけていけるという考えが、これからの入試の基本的な考えになっていきます。

 ところで、人物評価をどのようにするかと言うと、それはその人物の未来の夢や理想ではなく過去の実績です。
 受験作文コースの生徒の志望理由書を見ていると、その志望理由書の内容だけで合格間違いなしと思われるような子もいます。
 それは、過去の実績がしっかり書かれているということです。
 その反対に、志望の理由として自分の憧れや希望や理想を書いただけのものは、結局誰も同じような内容になってしまいます。
 つまり、その人が未来に何をしたいかではなく、過去にどのようなことをしてきたかという蓄積が、その人物そのものと見なされるのです。

 今、思考発表クラスに参加している生徒の中に、毎回、個性的な作文構造図や独自の理科実験をアップロードしてくる子供たちがいます。
 こういう、今の世間の概念では勉強と言えないような勉強を毎週している子は、逆に将来は、その蓄積を見せるだけで特色入試は合格圏内に入るようになるのではないかと思います。

 これからの世の中は大きく変わります。
 廃(すた)れつつある過去の社会を基準にして子育てを考えるのではなく、来たるべき未来の社会を基準にして子育てを考えていくことです。
 その子育てにおける勉強の仕方の基本は、これまでのような苦しいことに耐えて無理に頑張らせる勉強ではなく、つまり人工知能と競い合うような勉強ではなく、本人の個性を生かした伸び伸びとした楽しい勉強になるはずなのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
発表学習クラス(0) 

コメント欄

森川林 2018年3月4日 10時6分 1 
 今、大学で半ば実験的に行われている特色入試が、今後は入試のあらゆる場面で行われるようになってきます。
 すると、今のような画一的な受験勉強は次第になくなり、代わりにその子の個性と実力を伸ばしていくことが勉強の基本になっていきます。
 そして、その方が、子供たちはもっと楽に学力を伸ばせるようになるのです。

nane 2018年3月4日 10時16分 1 
 今の大人の多くは、自分の本当に好きなことがよくわかりません。
 それは、過去の教育の中で、好きなことをやるのではなく、義務的なことをきちんとこなすことばかりを教えられてきたためです。
 しかし、本当は、好きなことがいちばんの目的で、義務的なことはその目的を実現するための条件にすぎなかったのです。
 これからの子供たちの教育は、この本来の順序で行われるようになると思います。


コメントフォーム
特色入試型の子供たち 森川林 20180304 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
せそたち (スパム投稿を防ぐために五十音表の「せそたち」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
発表学習クラス(0) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習