言葉の森が今、寺子屋オンラインの少人数クラスで目指しているのは、これまでのような知識を詰め込む勉強ではありません。
現在でも、辞書持ち込み可の試験があるように、将来は、スマホでもノーパソでも何でも持ち込み可の試験をするところが出てくると思います。
それは、実際の仕事や生活では、何でも持ち込んでやっているからです。
そうすると、調べればわかるような知識よりも、何が必要かを判断する力の方が重要になってきます。
その判断する力が、問題を発見し作り出す力です。
では、そういう力はどこを見ればわかるのかというと、それは、作文と読書と対話のレベルを見ればわかります。
しかし、それらは指導にも評価にも手間がかかるので、学校ではあまりやられていないだけなのです。
寺子屋オンラインの作文の少人数クラスで考えているのは、作文の準備段階の充実です。
今はまだスタートしたばかりなので、生徒が書いた作文の発表などを行っていますが、それらは発表交流会のときにできるので、今後の毎週の授業では、どういう準備をしてきたかという準備のレベルを充実させていく予定です。
そのためには、毎週の作文の課題に合わせて(低学年の場合は実行課題集を参考にして)、生徒がお父さんやお母さんに取材し、自分で調べたり考えたりして材料を集めてくることが家庭での学習の中心になります。
互いの交流の中でよりよい作文を書くということが勉強の目的ですから、目に見える目標としては、試験に合格する作文、コンクールに入賞する作文を目指します。
そのために、コンクール入賞作文の紹介や、受験作文の問題と解説の紹介なども行います。
この紹介では、それをもとに特に何かをするということではありませんが、これらの紹介を通して、入賞や合格にどういうことが要求されるのかがわかってくると思います。
この少人数クラスの作文の中で身につくものは、第一に作文力です。どんなテーマでも、読み応えのある作文を書く力が身につくようにします。
ですから、作文が苦手だという子の場合は、少人数クラスよりも、担当の先生との一対一の電話指導で書く力をつけていく方が向いています。
しかし、もちろん苦手な子でも、やる気さえあれば、準備の段階を充実させることでいくらでも読み応えのある作文を書くことができるようになります。
第二に、家庭力です。これは、家庭でお父さんやお母さんと子供が、日常的に対話をし協力をする習慣を作ることです。
だから、保護者の関わりが特に重要になってきます。先生にお任せするという勉強では、知識や技術は身につきますが、肝心の思考力や創造力や共感力は育ちません。
子供時代は、過ぎてしまえば短い時間ですから、子供の勉強に関わることを負担と思わずに、子供と触れ合う楽しい機会だと思うことが大事です。
第三に、発表力です。これは、作文以外のほかの少人数クラスの勉強でも共通していますが、5、6人の少人数で全員に発表する機会があると、どの子も必要なことを的確に話す力が身につきます。
今の子供たちの中には、何かを聞かれても、すぐ「わかりません」とか「ありません」とか言う子がいます。それは実際に、わからなかったりなかったりするよりも、考えて答えるという面倒な作業をさぼっている場合が多いのです。
これからの試験は、ペーパーテストよりも、口頭試問のような形が増えるはずですから、必要に応じてすぐに発言できる力を育てておくことが重要になります。
第四は、創造力です。これは、言葉の森の作文指導の方針として、表現の上手だけでなく、内容のよさを重視しているからです。
内容のよさとは、個性、挑戦、感動、共感などがあることで、更にその先に、その子らしい個性的な発見や創造があることです。
これからの世の中は、与えられた問題で正しい答えを出すようなことは、人工知能がいくらでもやってくれるようになります。
今、プログラミング教育や英語教育が流行っていますが、プログラミングの技術も、英語の翻訳技術も、やがて人工知能の守備範囲になってきます。
「こういうことをプログラミングしてほしいんだけど」「……ジー……。ハイ、デキマシタ」という具合です。
そうすると、プログラミングができるということよりも、何のためにどういう問題を解決したいのかという問題創造力が大事になってくるのです。
その問題創造力は、社会人になれば仕事創造力になります。
これからは、与えられた仕事をこなす人よりも、仕事を創造する人が必要になってきます。
そのためには、子供時代から、創造的なことの価値を意識する機会を増やしておく必要があるのです。
以上のような、作文力、家庭力、発表力、創造力を目指すのが、寺子屋オンラインの作文少人数クラスです。
(次は、自主学習クラス、思考発表クラスについて書く予定です。)