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以前、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」という本を紹介し、「読解力をつけるためにどうしたらよいか」という記事を書いたことがあります。
https://www.mori7.com/index.php?e=3218
今回は、その続きです。
「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で主に取り上げられていた読解力は、読解力の一部である論理的な読解力です。
読解力には、実はさまざまな段階があり、論理的読解力はその一つの段階に過ぎません。
そして、論理的読解力は、ある程度の訓練で比較的容易に上達させることができるのです。
では、読解力にはどういう段階があるのでしょうか。
第一は、文字を読んで逐語的にその文字と前後のつながりを理解するという意味でのきわめて基本的な逐語的読解力です。
幼児や小学校低学年の子が声を出しながら本を読んでいるときは、この逐語的読解力が形成されている時期にあたります。
この時期をすぎると、言葉を字面の上で読むだけでなく、自分の経験や知識に結びつけて文章の内容に共感しながら読んでいくことができるようになります。
これが主に物語文の共感的読解力です。
その共感的読解力と並行してついていくのが、説明文の読み取りに必要な論理的読解力です。
これは、文章の中にある語句と他の語句が、どういうふうに結びつきながら展開されているのかを読み取る読解力です。
これが国語の読解問題などによく出される論理的読解力で、これは問題を理詰めに解く解き方を教えると、誰でもすぐに力がつくようになります。
論理的読解力をつけるための最もよい教材は、入試の選択問題です。
選択肢の合っていないところがなぜ合っていないのかということを理詰めに説明することでこの読解力がつきます。
この練習には、何も特別に論理的読解力をつけるための教材などを使う必要はありません。
ただ市販の問題集を使って解答と見比べながら、なぜ正解となっていないところが正解でないのかという理由を考えるという練習をしていけばよいのです。
言葉の森が、以前、センター試験国語満点講座を行っていたときの練習法がこのやり方で、この練習によってどの高校生も短期間で例外なく国語の点数を大幅にアップさせたのです。(この講座は、いつか小学校高学年、中学生、高校生を対象にまた企画したいと思います。)
さてしかし、読解力は、これで終わりではありません。
共感的読解力、論理的読解力のあとにくるものが、最も本質的な創造的読解力なのです。
(つづく)