作文力をつけるのは、一般にかなり時間がかかります。。
算数や英語など、主に知識の勉強は、始めてからすぐに成果が上がり、三ヶ月も一生懸命やれば見違えるほどできるようになります。
苦手だった科目が得意になるぐらいの大逆転の成果が出ることもあります。
ところが、作文の場合はそうではありません。
上達することは、もちろん必ず上達しますか、普通の勉強よりもずっと時間がかかります。
しかし、上達させる方法ははっきりしています。
第一は、事前の指導をしっかり行うことです。
何をどのように書くかという指示をもとに、目標を持って書く練習をすることです。
ただ漠然と作文を書いて、赤ペンの添削を受けただけでは、作文力はつきません。
例えば、学校から日記を書く宿題が出されたときも、ただその日にあったことを書くのではなく、たとえを入れて書くとか、会話を思い出して書くとか、「どうしてかというと」という理由がわかるように書くとかいう目標を決めて書く練習をするのです。
この事前の目標のひとつに、身近な人への取材というものがあります。
作文に何かを書く場合、それと似た話を身近な両親に取材します。
すると、そこで生まれる親子の対話の中で、題材力、語彙力、主題力がついてくるのです。
第二は、音読、暗唱、読書など、生活の中で自然にできる日本語の読み取りの練習をしていくことです。
作文力の土台にあるのは、書く力よりもむしろ読む力です。
音読については、学校や塾でも取り上げられるようになってきましたが、やり方はまちまちです。
音読に必要な文書は、やや難しい説明文的な文章にしていく必要があります。
そして、2、3回読めばいいというのではなく、同じものを何度も繰り返して半ば暗唱できるぐらいまで読んでいくことが大切です。
この音読の練習の延長に、暗唱があります。
また、生活の中で、自然にできるのは読書です。
日常生活の中で、毎日の習慣として無理なく行える勉強が、音読、暗唱、読書なのです。
第三は、作文をほかの人の前で発表する機会を作ることです。
子供たちは、無機的なテストの点数で成長するのではなく、人間との関わりの中で成長していきます。
小学校低学年のうちは、親や先生の励ましによって、小学校中学年からは友達との関わりの中で、作文の勉強に対する意欲を持ち続けていくようになります。
だから、子供の作文を見たり聞いたりする機会があったら、親は必ずその作文のいいところを見て励ましてあげることが必要なのです。