ログイン ログアウト 登録
 学習塾の作文との両立で迷っている方へ Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3521番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/2
学習塾の作文との両立で迷っている方へ as/3521.html
森川林 2019/01/27 09:55 

 最近は、学習塾でも作文のコースを設けるようになりました。
 それは、公立中高一貫校の入試で作文が課されるようになったからです。

 作文というものは、短期間であれば誰でも教えられるものです。
 特に小学生の作文指導というのは、ただ書かせて添削をすればいいだけですから、ある程度の文章力のある人なら誰でもそれなりに指導ができます。

 しかし、その作文指導を長期間続けることが難しいのです。
 小学生の子であっても、5、6年生になると、大人並みに深く考えて書く子が出てきます。
 そういう子や、更に学年が上の中学生、高校生に中身のある指導を何年間も続けるということはまずできません。
 それは、指導の方法の中心が赤ペン添削だからです。

 添削指導とは、間違えているところや表現のおかしいところを直す指導です。
 よく書ける子になると、直すところがほとんどない作文を書いてきます。
 そこに無理やり赤ペンを入れると、どうでもよいニュアンスの違いを指摘するようなことになってくるのです。
 ですから、当然ある時期から作文力は伸びなくなります。

 言葉の森の作文指導は、受験に合格させるために始めたものではありません。
 子供たちの、個性、知性、感性を育てるために始めた作文指導を、その指導の延長で受験にも対応できるようにしただけです。
 しかし、受験対応の歴史は、どの塾や予備校よりも長いはずですから、合格作文を書かせるためにテクニックも豊富にあります。
 ただ、テクニックはすぐに身につくものですから、ふだんは実力をつけるための作文、つまり個性的な題材、表現、主題のある作文を目標に指導をしているのです。

 学習塾などで誰でも教えられる作文指導の内容は、最初は直すことが中心ですが、直すところがなくなると、次は上手に書けた子の作文をみんなに見せるような指導になってくると思います。
 同じ指導をして、上手に書ける子と上手に書けない子がいるのですから、上手に書けた子の作文を見せれば、ほかの子も上手に書けるようになるだろうという発想です。
 これは、学習塾だけでなく、学校でもよく行われている方法です。
 現在、作文力をつけるというようなタイトルで出されている参考書なども、ほとんどすべてがこの「上手な子の作文を見せる」という形で編集されています。
 これで、読む人の多くが同じように作文が上手に書けるようになればいいのですが、いくら上手な作文を見せられても、同じように上手に書けるようにはまず決してななりません。

 間違いを直す指導や上手な作文を見せる指導に共通するのは赤ペン添削という方法で、その方法のもとになるのは事後指導という考え方です。
 事後指導だから、何の準備もなく作文を教えることができますが、そのかわり、上手に書ける子にはそれ以上の指導ができず、上手に書けない子には、上手な作文を見せることしかできなくなるのです。
 こういう指導でも受験の役に立つのは、一応書く機会が増えるので、書くことに慣れるからというだけです。

 そして、ほかの勉強と同じように、受験のためにいやいや作文を書かされたが、もう受験が終わったから作文を書かなくて済むというような結果になっていくことが多いのです。

 言葉の森の作文は、受験のためにやっているのではありませんが、どの塾よりも充実した受験対応の作文指導ができます。
 よく、高校3年生の子が、「昔、小学生のとき言葉の森で作文を教えてもらっていたのですが、今度大学の小論文の試験があるので、○○先生にまた見てもらえますか」と、電話をしてくることがあります。
 予備校などにも小論文講座があるはずですが、そういう講座ではなく、言葉の森の作文指導を受けないと安心できないというのです。

 同じ作文指導や小論文指導という名前であっても、その指導の厚みが、学習塾や予備校や他の通信教育とは全く違うからです。

 だから、学習塾との両立で迷われている方は、塾の作文コースで間に合わせるよりも、言葉の森の作文を続けていった方がもちろんいいのですが、受験の1年間は、誰でもかなり多忙になります。
 その多忙の時期に、いくつかの習い事を辞めざるをえないということは当然出てきます。
 受験の真っ最中にも言葉の森を続けて御三家と言われるようなところに合格する子もいますが、学習塾の体制によっては、両立ができなくなることもあります。
 その場合は、もちろんいったん言葉の森を辞めていいのです。そして、受験が終わったらまた再開すればいいのです。

 学習塾や予備校や通信教育の作文指導と、言葉の森の作文指導はもともと目的が違うのですから、柔軟に考えて、言葉の森の勉強を高3の続けられるところまで続けていくといいと思います。
 中学入試で塾で作文指導を受け、高校入試でまた別の塾で作文指導を受け、大学入試で別の予備校で小論文指導を受けという形で細切れの作文小論文指導を受けるよりも、小学生から高校生まで言葉の森で作文小論文の勉強をしていく方がずっと多くのものが身につくからです。


 対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森の特徴(83) 

コメント欄

森川林 2019年1月27日 10時23分  
 中学受験は親の受験と言われますから、迷わない親はまずいません。
 特に、公立中高一貫校を受験する場合は、実力よりも運の要素が強いので、更に迷いは深くなります。
 最近は、公立中高一貫校向けの勉強をしてきた人向けの試験をする私立中もあります。
 塾によっては、公立中高一貫校の滑り止めに私立の受験をすすめるところもありますが、それなら初めから私立を目指していた方が能率のよい勉強ができます。
 自分の子が信頼できるのであれば、どこをどう転んでも行き着く先は同じです。
 特に最近は、ネットを利用した先取り学習ができるので、どの高校に行こうがあるいは行くまいが、ネットで数学の1年間先取り学習をすれば、公立高校であっても、私立の中高一貫校と同じレベルで大学入試に臨めます。
 そして、これからはいい大学に入ったからおしまいというのではなく、大学で更に自分の学問と個性を深め、世の中で第一人者として立つ準備をすることが必要になるのです。
 今の勉強も、この長い展望の一部として考えていくといいのです。


nane 2019年1月27日 11時31分  
 昔は、入試の結果でその後の人生が左右されるということがありました。
 今でも、就職に有利なのは、有名大学を出た人です。
 しかし、どんな大企業でも、先の見通しは持てない時代になりました。
 一生同じ仕事を続け、次第に役職が上がるというのは、かえって非現実的な前提になっています。
 大事なことは、たとえ会社を辞めても通用するような一流の実力と個性と創造力とコミュニケーション力を育てていくことです。

コメントフォーム
学習塾の作文との両立で迷っている方へ 森川林 20190127 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ほまみむ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ほまみむ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森の特徴(83) 
コメント1~10件
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
優しい母が減っ 森川林
あきろあさん、コメントありがとうございます。 子供は、もと 2/13
記事 979番
優しい母が減っ あきろあ
森リン先生の投稿をみて、母は甘やかしていいんだと、初めて気付 2/7
記事 979番
中根の担当する 森川林
YKさん、ありがとう。 私が子供にさせたいと思っていたのは 1/27
記事 5267番
中根の担当する YK
創造発表クラス面白くなりそうですね!イギリスの私立学校のカリ 1/27
記事 5267番
これからの学力 森川林
 書き忘れたけど、ひとりの先生が全教科、全学年を教えるという 12/9
記事 5233番
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 3月の 森川林
 よく考えたね。  でも、利己的と自己中心的は、意味が違う 3/25
国語読解掲示板
AIで宿題なん 森川林
AIで宿題なんて簡単にできるようになっている。 解決策は、 3/24
森川林日記
3月の小6の確 あかそよ
大問1-2 利己的と自己中心的はほとんど同じ意味だと思いま 3/23
国語読解掲示板
2025年3月 森川林
●小学校低学年の作文は、書いたあとの添削よりも、書く 3/22
森の掲示板
オープン森リン 森川林
オープン森リンのフォームをホームページに設置したら、早速、ア 3/21
森川林日記
SBペイメント 森川林
スクエアはもっと簡単にできたのに、SBペイメントは仕様書だけ 3/19
森川林日記
この1週間、ほ 森川林
 この1週間、ほとんど何も仕事をしなかった。  思索と森リ 3/12
森川林日記
Re: 題名( さき
あなたのコードとパスワードが見つかりません、と表示されます。 3/9
森林プロジェクト掲示版
森プロの講師ペ さき
いつもお世話になっております。 森プロの講師ページが開かな 3/9
森林プロジェクト掲示版
BtoB集客1 大谷優花
《 法人向け集客を1件1,000円で 》 私たちは集客 3/8
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習