子育てに手遅れということはありません。
いつからでも始めればいいのです。
何を始めるかというと、まず豊かな日本語力を育てることです。
しかし、子供時代に言葉だけを先行させると、頭でっかちの子になってしまいます。
自然の中で、人間とともに体験をすることも同時に必要です。
日本語力を育てるものは、幼児期なら読み聞かせ、年齢が上がってきたら読書です。
ときどき、「小学一年生になったから、もう自分で読みなさい」と自立させようとするお母さんがいます。
これが、読書力が伸びなくなる最初のきっかけです。
読書は目で読むものと思うのは、先入観です。
耳で読むのも読書で、本当はこの耳で読む読書が読書の基本なのです。
読書や読み聞かせと同じ役割を果たすものが知的な対話です。
対話というと、ただお喋りをするだけだから毎日していると思う人もいると思いますが、日常的な会話だけでなく、その子の年齢に応じた知的な対話をしていくことが大事です。
ある程度の年齢になって、読書をあまりしないことに気づいたら、いい本を選ぶということよりも、読書の習慣をつけることを第一とすることです。
本を読まないのは、面白い本がないから読まないのではなく、読む力がないから読まないのです。
読む力をつけるためには、毎日欠かさず10ページ以上の読書をすることを、その子の勉強の最優先課題として取り組むことです。(本当は学年の10倍ページが目標で、5年生以上は毎日50ページ以上の読書なのですが、無理な設定をして毎日できなくなるのはかえってよくないので、その子の実力よりもかなり低く見積もって10ページ以上とするのです。そして、10ページ読んだらそれをそのまま認めてあげることです。「そんなに早く読めるんだったらもう少し読みなさい」と追加すると毎日の習慣がつかなくなります。)
ところで、ほとんどのお母さんは、宿題やテストがあったら、読書よりも宿題をこなすことやテスト対策をすることを優先すると思います。
しかし、小学生時代は、読書の方を優先させるべきです。
宿題やテストをきちんとこなしたからといって、いい子になる保証はありません。
しかし、毎日読書をすれば、必ずいい子になります。
いい子とは、個性と知性と感性の豊かな子になるということです。
子供が小さいころは、何でも吸収するので、英語をやったり、プログラミングをやったりすれば、そこですぐに成果が出ます。
読み聞かせや読書や対話は、目立った成果が見えません。
日本語力を育てる学習で、唯一成果が見えるのは暗唱だけです。
子育てを長い目で見れば、すぐに成果の出ることよりも、暗唱も含めて読み聞かせや読書や対話という日本語力を育てることを第一に考えていくことです。
そして、これは、手遅れということはなく、すべて今から始めればいいことです。
ただし、始めたからには毎日やることが基本で、毎日やる自信がないことは、最初からやらずに、毎日できそうなことだけに絞ってやっていくのです。
小学6年に作文と思考国算講座でお世話になったkの母です。読書が習慣となり、毎日100ページ以上読んできましたが、現在、中学2年生の反抗期。昨日、「俺はもう毎日の読書は
嫌だ。でも読書は好きだから、やりたいときに読書する。好きにさせてくれ!」と言いだしました。中根先生の言葉を思い出し、「読書は、好きだからするのではないんだよ。読書は習慣なんだよ。10ページでもいいから毎日すること」と伝えました。結局のせられて80ページくらい読んでいました。
来年、高校受験ですが、「そろそろ勉強を始める」と言うばかりで、いっこうに勉強しようとしていません。厨二病、とはよくいったものです。これからも記事を楽しみにしています。(反抗期の親へのアドバイスもぜひ)