小学1、2年生の子供には、親がすべてです。
お父さんやお母さんの言ったことは、すべて正しいことのように考えてそのまま吸収します。
だから、この時期は何でもできるようになります。
この時期の子供たちは、親や尊敬できる大人を模倣しながら成長していきます。
小学3年生になると、小1、小2と同じように親の言うことを聞くことに加えて、勉強面でもどんどん力がついてきます。
やらせれば何でもやれるようになる感じがします。そして、実際にいろいろなことがやれるようになります。
しかし、この時期にやらせすぎると、あとから反動が来ます。
この時期は、親のペースでやらせるよりも、本人の自主性に任せるように、方向を切り替える時期です。
しかし、すべての親にとって子育ては初めての経験なので、自主性に任せるような非能率なことをするよりも、親の指示でやらせる方向をそのまま進めてしまうことが多いのです。
親の指示でやらせると、何でもどんどん捗(はかど)ります。
ところが、親の言うことをよく聞いていた子ほど、小学4年生から、急に親の指示に反発を示すようになります。
人間は、もともと自分の意思で行動したい生き物なので、人の示した道をそのとおり歩むというのは抵抗があります。
そういう人間本来の意思が出てくるのが、この小学4年生からの時期なのです。
この時期から先の子供は、次第に親から離れた子供だけの世界を持つようになります。
しかし、この小学4年生から先は、勉強が難しくなる時期で、作文の課題も考える内容のものが増えて急に書きにくくなってきます。
だから、本当はこの時期から、親子が助け合って勉強を進めていかなければならないのです。
親子が協力しなければならない時期に、子供の自立が始まり、親と子だけで勉強を進めることが難しくなります。
子供は、親から離れようとします。親が引きとめようとすれば、ますます離れようとするようになります。
この時期は、親も子供から離れる時期なのです。
子供は、親から離れて、友達との関係の中で自分を成長させるようになっています。
これからの時期は、親の言うことを聞かせる時期ではなく、いい友達を作る時期です。
親の役割は、子供にいい友達のできる環境を作ってあげることになります。
そして、親自身も、同学年の子供を持つ他の親といい友達関係を作ることになるのです。
小学4年生から先の子育ては、親子で単独でやるものではなく、他の友達の親子との関係を含む社会生活の中で進めていくようになるのです。