わがままな子が増えているようです。
子供が、「いやだ」と言うと、親や周囲の大人が、その子に合わせて嫌でないことをさせてしまうのです。
昔のことわざに、「無理を言う親がいてこそ子は育つ」という言葉があります。
親孝行の子供は、理解ある親からではなく、無理を言う親から育つという意味です。
(今は、無理を言い過ぎる親も問題になっているようですが。)
毎日の生活には、やりたくないことが数多くあります。
宿題とか、片付けとか、手伝いとかいうものは、誰でも好きでやるものではありません。
それを淡々とできる子は、生まれつきそうなのではなく、そう育ってきたのです。
子供の中には、よくできた子がいます。
兄弟の多い家庭で、その子が下の子の面倒を見なければならない立場にいたような子は、よく気がつく子になります。
人間は、このような集団の力学の中で育っていきます。
子供の教育を考えた場合、生徒と先生の関係も集団の力学の中で形作られます。
マンツーマン指導というのは、はたから見ると、充実した指導のように見えますが、子供がわがままを言いやすい面があります。
それは、先生と生徒が一対一で向き合っているからです。
中国の一人っ子政策で、子供たちがわがままになったということと同じ原理が、先生と生徒の間でも働くのです。
しかし、先生が1人で、生徒が多数という一斉指導の場合は、集団の力学自体が弱くなります。
先生と生徒や生徒どうしの間に深い関係が生まれないからです。
寺子屋オンラインの少人数クラスの場合は、生徒が数人で先生が1人という関係になります。
すると、生徒どうしの間で集団の力学が働き、自然にどの子も前向きに取り組むようになります。
顔の見える少人数のグループを、一人の先生が見るという形のクラスが、最も教育に適した形態なのです。
言葉の森が、作文クラス、発表学習クラス、自主学習クラスで、少人数のオンライン学習を進めるのは、こういう背景があるからです。