昨日の保護者説明会で、小5の保護者の方から質問がありました。
これまで、言葉の森で作文のよく書けていた子が、塾の作文では欠点を指摘されるばかりだと言うのです。
その理由は簡単です。
これまでよく書けていたのは、事実中心の生活作文で、これから受験に必要になるのは意見中心の論説文になるからです。
ところが、塾は、その論説文の書き方を教えずに、ただ作文を書かせてそれを直すという指導をしているのです。
実は、この「書かせて直す」という教え方が、これまで学校でもずっと行われてきた方法で、そのために多くの子が、作文が上手にならないばかりか、作文を書くことが嫌いになっていったのです。
だから、作文指導に熱心な先生のクラスほど、作文嫌いの子が増えるという状況が今もあるのです。
その塾は、従来の学校と同じ教え方をしているのです。
しかし、これはその塾だけの問題ではなく、聞くところによると、多くの塾がそういう教え方をしているようです。
今、塾で作文を習っている子のお母さんは、試みに、作文の勉強が好きかどうか子供に聞いてみるといいと思います。
もし、作文の勉強が嫌いだったら、それは、その子が悪いのではなく教え方が悪いのです。
子供たちは、受験という目標があるので、そういう教え方でもついていこうとしますが、受験が終わったら、もう二度とそういう作文の勉強をしたいとは思わないでしょう。
教えられて、上達しないで、嫌いになって、というのでは、どうしてそういう勉強をしているのかわかりません(笑)。
しかし、塾によっては、その作文講座が必修になっているようです。
言葉の森の作文の教え方は、学校や塾の「書かせて直す」という方法とは正反対のものです。
それは、書かせる前の事前指導のカリキュラムが小1から高3まであるからです。
だから、子供は、誰でも迷わずに書けて、しかも書いた結果を褒められるのです。
塾で何度も直されて、上手にならずに、作文を嫌いになった子が、言葉の森で教えられるとすぐに上手に書けるのは、この事前指導があるからです。
これは、オーバーな話ではなく、実際によくある話です。
生活作文が上手に書けていた子は、もともと実力がありますから、論説文の書き方の事前指導があれば、論説文もすぐに上手に書けるようになります。
だから、受験作文については、全く心配は要りません。
それよりも、受験については、過去問の研究と、問題処理の時間配分の方がずっと重要です。
さて、言葉の森では、小6の後半に受験作文コースを始めますが、これまで、もっと早く受験作文の勉強をしたいという声がありました。
そこで、以前作っていた「ハイパー作文コース」を、小5の6月又は7月から始められることにします。
これは、受験作文の書き方を、授業の動画で説明し、その説明をもとに作文を書くというコースです。
通常の小5、小6の課題をやるかわりに、このハイパー作文コースの課題をやってもいいということにします。(受講料の変更はありません。)
通常の小5、小6の課題も、感想文のもとになる長文はいずれも中学入試の説明文のレベルですから、学習の難易度は同じですが、事前指導がより受験作文的になります。
作文指導をする先生は、今の担当の先生のままです。
違いは、作文の予習を、課題フォルダの解説を読むのではなく、授業の動画を見て行うようにするということです。
授業の動画は、「鳥の村」の「資料室」の「ハイパー作文コース」のページにアップします。
ハイパー作文コースの課題は、以前は、公立中高一貫校の実際の過去問にしていましたが、ここで先に過去問をやってしまうと、受験作文コースに入ったときに課題が重複してしまう可能性があるので、過去問ではなく、市販の問題集にしました。
受験作文のいろいろな問題集を検討しましたが、やはり自分が書いたものがいちばんいいと思い、「
小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」(かんき出版) を教材にすることにしました。
この本は、言葉の森の保護者で購入されている方が多いと思うので、その活用も兼ねて行えます。。
この本の作文の章だけでなく、読解の章や記述の章の文章ももとに、受験作文の書き方を説明していきます。
なお、ハイパー作文コースの課題の項目は、今、作文指導を受けている構成や項目や字数とは別にします。
これは、そのつど授業の動画の中で説明しますが、勉強の目的は、項目に◎がつくように書くことではなく(これは実力をつけるための方法です)、合格する作文を書くこと(これは勝負に勝つための方法です)になるからです。