自主学習クラスは、基本的に自分で学ぶ勉強です。
先生が、何かを教えるわけではありません。
これまでの勉強に慣れた人は、それを物足りないと思うかもしれません。
しかし、人に教わる勉強ではなく、自ら学ぶ勉強が最も効率がよいのです。
私のうちの子が中学3年生だったとき、数学の力がまだ不十分だと思ったので、夏休みに教室で一緒に勉強することにしました。
中1から中3までの3冊の市販の問題集(A5サイズで各300ぺーじほど)を用意して、それを順番に解いていく勉強です。
本人がただ解くだけですから、教えるようなことは何もありません。
問題を解いて答え合わせをして、間違っていれば解法を理解して×印をつけておき、1冊が最後まで終わったら、あとでまた繰り返すという勉強です。
本人がただ黙々と勉強しているだけなので、こちらは何もしません。
そして、1日のうちに1回か2回、解法を見ても理解できないことがあるというので質問が来ます。
その質問に、やはりこちらも解法を見ながら考えます。
時間はせいぜい10分か15分ほどです。
中には、解法を見ても大人でもよくわからないものがたまにあります。
その問題は できなくてもいい問題だと見なします。
このようにして1日に5、6時間数学を中心にした勉強をやっていました。
3冊の問題集を4回か5回繰り返すころには、できない問題が1問もないという状態にまでなりました。
その結果、夏休みが終わるころには数学はほぼ完璧にできるようになったのです。
そして、その副産物として、質問に答えていた私自身も、高校入試の私立の難しい図形の問題がほとんど解けるようになりました。
これがもし、数学の先生がその問題集の中身を順番に教えるような形の勉強であったとしたら、夏休み1か月かけてその3冊の問題集をひととおり終えるのがやっとだったでしょう。
そして、その場合は、実力はたいしてつきはしなかったはずなのです。
自分でやる勉強であれば、間違えたところだけを繰り返して解き直すことができるので、誰かに1回教わる時間で自分5回以上繰り返すことができます。
そして、そのように繰り返すことによって、その問題集が完璧に自分のものになるのです。
こういう経験をした人は、実は意外に多いのではないかと思います。
ある個人塾で、数学の成績を上げることで有名な教室があったそうです。
そこに通った人の話を聞くと、生徒はただひとりで問題を解くだけで、解法を見てもわからないところだけ質問するという教え方 だったそうです。
自分でやる勉強は能率がよいのですが、もし質問できる人がいなければ、解法を見てもわからない問題は何時間もかけて自分で理解しなければなりません。
それは、逆の意味で、やはり非常に無駄の多い勉強です。
人に教わらずに自分で問題を解き、自分で分からないところだけ質問するという勉強の仕方が最も効率がよい勉強です。
それを、自主学習クラスの中でも生かしていく予定です。