ログイン ログアウト 登録
 思考力をつけるパズルなんてない Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3864番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/19
思考力をつけるパズルなんてない as/3864.html
森川林 2019/09/28 05:56 

 先日、インターネットで、「思考力をつける○○」という記事があったので読んでみました。
 すると、算数の図形のパズルを解くような問題の解説でした。

 図形の問題は、確かに見ただけではわかりそうでわからない問題が多く、答え方のコツがわかると一気にわかるというところがあります。
 その一気にわかるというところが、発見の喜びに似ていて、あたかも考える力がついたような気がします。

 しかし、このような勉強で思考力がつくわけではありません。
 算数のパズルですから、面白いことは面白いのでやってみるのはもちろんいいのですが、思考力がつくと思ってやっていると努力の方向が違ってきます。

 先日、小学校低学年の保護者の方からも、思考力をつけるために算数の図形の問題をやらせているという話がありました。
 図形の問題は面白いから、やることはいいと思いますが、図形の問題を解いて思考力がつくわけではありません。

 また、図形のセンスが養われるということもよく言われるようですが、入試に必要な図形のセンスは、入試の図形の問題を解くことによって身につくものです。

 では、思考力はどこでつくかというと、それは言葉によってつくのです。
 具体的には、難しい文章を理解することによってつくのです。

 小学校低学年で難しい文章を理解するというのはどういうことかというと、お母さんやお父さんが子供と楽しく難しい話をすることによってです。
 難しいといっても、長い文と複雑な文で話を進めるという程度のことですから、特に難しく考える必要はありません。

 思考力とは本質的に言葉を駆使する力です。
 深い言葉を使うことによって深い考えが育ち、浅い言葉を使うことによって浅い考えが育ちます。

 図形の問題を解く練習では、図形の問題を解く力はつきますが、そこで言葉を使った思考力が育つわけではありません。
 一見平凡に見えることですが、小さいころは、家族の対話が子供の思考力を最も育てるのです。


 その家族の対話のきっかけとなるのが、ひとつは作文の勉強で、もうひとつは創造の勉強です。
 作文の勉強では、子供が似た話を親に取材する場面があります。
 そこで親子の対話が自然に生まれます。

 創造の勉強とは、子供が自分の好きなテーマで自由に研究したことをみんなの前で発表する勉強です。
 既に用意されている答えを見つける勉強ではなく、自由な研究に自分らしい創造を付け加える勉強ですから、そこで自然に考えたり相談したりする場面が出てきます。

 こういう親子の対話の機会に、お父さんやお母さんが楽しく考えながら話をすると、その話の中で子供の語彙力が育ち、思考力が育ちます。
 机上の勉強によってではなく、日常生活の中の知的な対話によって子供の思考力は育つのです。


 この創造発表の勉強の説明会を、9月29日(日)9:00から行います。
 関心のある方はぜひご参加ください。
https://www.mori7.com/jform_pre.php?f=hog2019hg


 思考力を育てることは、これからの学力の中心になります。
 覚えた知識を再現することは、AIに次々と移行されるようになります。

 これまでの勉強は、その覚えた知識を再現することがほとんどでしたから、多くの人はそれ以外の勉強というものを実感できません。
 例えば、「漢字の書き取りが苦手なのでどうしたらよいか」という相談をよく受けますが、漢字書き取りの勉強はもちろんしていいのですが、本当に力を入れるのは、漢字を書くことではなく、読書を通して漢字を読む力を育てることの方です。
 そして、読む力が育てば、書く力はわずかの時間の練習で身につくようになるのです。

 明治維新の直前に、馬術や剣術の練習に力を入れているのと同じようなことが、今の勉強の中で行われています。
 馬術や剣術の練習はもちろんしてよかったのですが、本当に力を入れるのは、当時は、西洋の学問を学ぶことでした。
 そこに早く気がついた人と、そうでない人とがいたのです。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
発表学習クラス(0) 

コメント欄

森川林 2019年9月28日 5時58分  
 本当の学力は、読み、書き、話し、実行することを通して育ちます。
 その目指すところが難しいものか易しいものかというのが違いで、外見の上では勉強と遊びは似たような形をしています。
 それに対して、机の前に座って問題を解いたり、教室で先生の話を聞いたりすることは、誰の目にも勉強として映ります。
 本当は、お母さんやお父さんと難しい話を楽しくお喋りすることが子供の学力を最も育てているのです。


nane 2019年9月28日 5時59分  
 これからの勉強は、一見勉強らしい外見を持っていません。
 だから、多くの人はそこに気づかずに、勉強らしい外見を持った、例えばプリント学習のようなところで思考力や創造力をつけようとします。


コメントフォーム
思考力をつけるパズルなんてない 森川林 20190928 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ふへほま (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ふへほま」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
発表学習クラス(0) 
コメント1~10件
【合格速報】東 ののはな
東北大学へのご入学、おめでとうございます。 晴れ晴れとした 4/10
記事 5324番
【合格速報】東 とうこ
Yちゃん、ご入学おめでとうございます! 嬉しいご報告を、あ 4/10
記事 5324番
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
優しい母が減っ 森川林
あきろあさん、コメントありがとうございます。 子供は、もと 2/13
記事 979番
優しい母が減っ あきろあ
森リン先生の投稿をみて、母は甘やかしていいんだと、初めて気付 2/7
記事 979番
中根の担当する 森川林
YKさん、ありがとう。 私が子供にさせたいと思っていたのは 1/27
記事 5267番
中根の担当する YK
創造発表クラス面白くなりそうですね!イギリスの私立学校のカリ 1/27
記事 5267番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
本日、森リン案 森川林
 本日、東京都の私立中の一部118校に、森リン案内を送付。 4/14
森川林日記
愛子さま天皇論 森川林
 大事なのは、近年のここまで続いてきた歴史を尊重することだ。 4/13
森川林日記
バースデイ ゆめ
 今日、私は16歳になりました。  誕生日のことなんて 4/10
ゆめ日記
Re: トラン 森川林
 と書いた直後、「関税実施は90日間延期」ということで、大幅 4/10
森川林日記
トランプ関税そ 森川林
トランプ改善のその後。 貿易は収縮する。 アメリカ国 4/10
森川林日記
Re: 3月の 森川林
 よく考えたね。  でも、利己的と自己中心的は、意味が違う 3/25
国語読解掲示板
AIで宿題なん 森川林
AIで宿題なんて簡単にできるようになっている。 解決策は、 3/24
森川林日記
3月の小6の確 あかそよ
大問1-2 利己的と自己中心的はほとんど同じ意味だと思いま 3/23
国語読解掲示板
2025年3月 森川林
●小学校低学年の作文は、書いたあとの添削よりも、書く 3/22
森の掲示板
オープン森リン 森川林
オープン森リンのフォームをホームページに設置したら、早速、ア 3/21
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習