ログイン ログアウト 登録
 暗唱は早口棒読みでもかまわない Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 415番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
暗唱は早口棒読みでもかまわない as/415.html
森川林 2009/03/11 18:09 
 国語の学習で音読がブームになっていますが、なぜ音読をするのかという根拠は実ははっきりしていません。ただ、昔からやっていたいい方法だからやっているという感じです。
 確かに、音読によって脳が活性化するとか、Θ波が出るとかいういろいろ理由はあると思います。しかし、どうしても音読でなければだめなのだという根拠はあまり明らかになっていません。
 言葉の森の音読の意義は、簡単明瞭です。ひとつは、音読をすると読み違いがわかるということです。この読み違いは意外に多く、中学生や高校生でも長文に出てくる言葉を間違えて読んでいる例がかなりあります。(中高生の保護者の方は、試しにどこかのページを読ませてみてください)
 音読をするもう一つの意義は、形骸化した形だけの勉強にならないようにするためです。同じ文章をただ読むような単純な勉強していると、だんだんと斜め読みになってきます。既にわかっているつもりで読むので気持ちが入らなくなるのです。勉強の基本は反復ですが、反復の練習は退屈なので、声に出したり手で書いたりすることによって意識化した勉強にする必要があります。

 さて、音読と同じように、暗唱にもやはり根拠が必要です。暗唱によって右脳が使われるようになるという説明もありますが、確かなことはまだわかっていません。
 言葉の森の暗唱の意義は、簡単明瞭です。一つは、暗唱は定着度がはた目にもはっきりわかるということです。
 もう一つは、暗唱は音読よりも達成感が感じられるということです。
 定着度がわかる、達成感がある、という二つの目標を考えると、暗唱するときに、その目標以外のいろいろなことを要求しないということが大切になります。
 例えば、子供が暗唱をしているときに、上手に読むことを要求しないということです。暗唱はむしろ、上手に読むのとは反対の読み方です。できるだけ早口で、息継ぎを少なくし、棒読みでもよいという読み方をします。100字の文章でしたら、一息で読めるぐらいにしてもいいと思います。
 なぜかというと、暗唱で大事なことは回数を多く読むということだからです。時間がたっぷりあれば、上手に読む暗唱をしてもいいのでしょうが、限られた時間で回数を多く読むためには、ある程度早口で読むことが必要になります。
 少なくとも、暗唱している子供に対して、「もっとちゃんと読みなさい」というような注意はなるべくしないようにしてください。大事なことは、上手に読むことではなく、暗唱ができることです。ですから、ふざけて読んだり、棒読みで読んだり、逆に抑揚つけて読んだりしても、むしろそれをにこにこと見守っているぐらいの余裕が親や先生には必要になります。
 このような暗唱のコツを理解するために、ぜひ保護者の方も、300字の暗唱に1週間挑戦してくださるといいと思います。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)

マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。




同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 

コメント欄

コメントフォーム
暗唱は早口棒読みでもかまわない 森川林 20090311 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
えおかき (スパム投稿を防ぐために五十音表の「えおかき」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習