ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 読解力は、テクニックより足腰の力をつける――読検11月で間違いの多かった問題(小3・小4・小5) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4373番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/21
読解力は、テクニックより足腰の力をつける――読検11月で間違いの多かった問題(小3・小4・小5) as/4373.html
森川林 2021/12/01 18:18 


●動画:https://youtu.be/2htAVoMZ5BY

 読解検定で、毎回40点以下の点数になっている場合は、問題文を読む力がまだないということです。
 読解検定は、解き方のコツがあるので、中学生や高校生になると、そのコツを理解するだけですぐ成績が上がることがあります。
 しかし、読む力がない状態だと、いくらコツを説明しても解けるようにはなりません。

 読解力は、読む力と解く力の組み合わせで、解く力がテクニックだとすると、読む力は足腰です。
 だから、点数が低いときは、自分にとってどちらが不足しているかを考えて対策を立てていくことが大事です。

 解く力は短期間でつくのに対し、読む力がつくのはかなり時間がかかります。
 しかし、この読む力は、今後の数学や英語の勉強も含めた、あらゆる学力のもとになる思考力のことですから、どんなに時間がかかっても、読む力をつけることを最優先にしていく必要があります。


 11月の読解検定で不正解が多かったのは次の番号です。
○小3……2番
○小4……4番
○小5……7番
○小6……7・8番
○中1……4・6番

 小3の2番については、次のように考えていってください。
====
【正解】
A 血管に傷口ができると、血小板は自分の体をふくらませて傷口をふさぐ……×
B 傷口ができると、フィブリンがつながって糸状になり傷口を補強する……○

【解説】
A 血小板は、ふくらむのではなく、自分の平べったい体を金平糖のように変化させ手足を伸ばしてすばやく移動し、集まって糊のようになって傷口をふさぐということです。だから×。
 「ボールのような球状に変わり」というので、ふくらんで傷口をふさぐように思う人が多かったかもしれません。
B 「フィブリンのもとになるものは、血液の中では一つずつばらばらになって静かに流れています。緊急事態が発生すると、これがいくつもつながって糸状のフィブリンに変身するのです。」と書いてあるので○です。
====

 小4の4番については、次のとおりです。
====
【正解】
A 野ぶどうが思うようにものが言えなかったのは、にじとことばをかわせてうれしかったからである……○
B 「うやまいを受けることはあなたも同じです」と言ったときのにじの気持ちは、自信にあふれていた……×

【解説】
A 「今日こそただの一言でも、にじとことばをかわしたい」という部分と、「野ぶどうはまるでぶなの木の葉のようにプリプリふるえてかがやいて、いきがせわしくて思うようにものが言えませんでした」とを組み合わせると、ものが言えなかったのは、ことばをかわせてうれしかったからだとわかります。
B 「自信にあふれていた」かどうかは、問題文の中でそう読み取れるところはありません。「必ずしもそうは言えない」という選択肢は、○ではないという意味で、×になります。この考え方が、難しい読解問題を解くときのコツです。
 むしろ、「うやまいを受けることはあなたもおなじです」という言葉の中には、にじの謙虚な姿勢も感じられます。しかし、この場合も、本当に謙虚だったかどうかは、問題文の中からは必ずしも読み取れません。
====

 小5の7番については、次のとおりです。
====
【正解】
A 「樽にのって二万キロ」などの冒険の本は、私が昔読んで置いていったものだった……×
B 誕生日の日誌で、ていねいに書いてあったというところから、弟の決意が感じられる……○

【解説】
A 「部屋を見回した。かつて私も使っていた本棚があった」という文と、「『樽にのって二万キロ』『コンチキ号漂流記』『冒険者×××』、そんな本が並んでいた」という文が続いているので、「私が置いていった本」と思いがちですが、もしかすると、兄の使った本棚に、弟が自分で買った『樽にのって二万キロ』があっただけかもしれません。
 だから、その本は、この文章の上だけで考える場合、「必ずしも兄が昔置いていったものだとは言えない」ということで、○でありません。だから×なのです。
B 「自分はこの家を継ぐことにした」「医者になる」「シュバイツァーのような医者になりたい」「体を鍛えておくのだ」などという文には、決意という言葉こそありませんが、決意が感じられるので○です。
 Aは解く力が必要で、Bは読む力が必要です。
====


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読解力・読解検定(0) 

コメント欄

森川林 2021年12月1日 18時50分  
 国語力とか読解力とかいうのは、単に国語という教科だけの学力なのでありません。
 それは、日本語でものを考える際の思考力です。
 では、その思考力である国語読解力はどのようにして身につくかというと、それは難しい文章を読むことによってなのです。
 それは、足腰の力をつけるために、歩いたり走ったりすることと同じです。
 その足腰の力をつけたあとに、解き方のコツというものがあるのです。


nane 2021年12月1日 18時55分  
 国語読解クラスの無料体験学習を受付中です。
 対象は小1から高3までです。
 高校生は読む力の基礎ができていることが多いので、国語の成績はすぐに上がることが多いです。
 小1、小2の生徒は、国語の勉強だけというよりも、基礎学力クラスで、国語・算数・実験・暗唱をまとめて行うクラスの方がいいかもしれません。
https://www.mori7.com/jform_pre.php?f=tkg2022kg

コメントフォーム
読解力は、テクニックより足腰の力をつける――読検11月で間違いの多かった問題(小3・小4・小5) 森川林 20211201 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ねのはひ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ねのはひ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読解力・読解検定(0) 
コメント1~10件
コメントは24時間以内に表示
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習