ログイン ログアウト 登録
 理想の勉強法は、低学年のころに頭をよくする勉強、高学年以降は思考力を伸ばす勉強 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4380番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
理想の勉強法は、低学年のころに頭をよくする勉強、高学年以降は思考力を伸ばす勉強 as/4380.html
森川林 2021/12/08 21:17 


 最近、小学生の子の親御さんから、「子供の勉強が忙しくて余裕がない」という声をよく聞きます。
 これが、今の受験体制のいちばんの問題です。

 受験というものは、答えが決まっているので、その答えの解法を理解するために、知識を詰め込む時間が長いほど点数が上がるという傾向があります。しかし、ここで獲得した成績は、詰め込んだ成績ですから、それがそのままあとまで残るということはありません。
 逆に、詰め込みの許容量が足りない場合は、この詰め込み勉強がもとで勉強嫌いになってしまうことも多いのです。

 言葉の森でこれまで勉強してきた子を思い出すと、中学受験のころは勉強がよくできていたのに、その後伸びなくなった生徒や、逆に中学受験のころはのんびりしていたのに、高校生になってからぐんぐん頑張っていった生徒などが何人も思い浮かびます。
 そして、小学校のときに勉強漬けだった子と、小学校のときに遊びほうけていた子が、結局同じ大学に合格したということもよくあるのです。

 そこで、考えたのは、小学校低中学年までは頭をよくする勉強を中心にして、小学校高学年から中学生高校生にかけては思考力を伸ばす勉強をしていくという勉強の仕方です。

 低学年のときの頭をよくする勉強とは、読書と暗唱と理科実験です。これらは、いずれの学校の勉強との直接の結びつきはありません。だから、学校や塾の成績を上げることを目標にして勉強している子と比べれば、成績は低くなることが多いです。
 しかし、小学校低中学年のころの勉強の成績は、その子が高校生になるころには、意味がなくなってしまうことがほとんどなのです。

 では、小学校高学年から、中学生、高校生にかけては何の勉強をするかと言えば、それは難しい文章を読める難読力と、考える文章を書ける作文力です。
 この難読力と作文力も、中学や高校の勉強の成績とは、少しずれています。しかし、この難読力と作文力のある子が、いったん本気で受験勉強を開始すると、成績はぐんぐん伸びていくのです。

 今、子供たちを見ていると、一昔前に比べて、読書力と作文力が大きく低下しているように見えます。
 まず、長い文章を読み切れる子が少なくなっています。だから、近年の入試の国語は、長い文章を読ませることが多くなっています。
 長い文章を読み切れなくなった原因は、ビジュアルな媒体が多くなったことと関係しています。書店に行くと、子供向けのコーナーには、学習漫画のような絵の助けを借りて読むようなものばかりが積んであります。

 この読書力の不足は、国語の点数という形で現れるので、まだわかりやすいかもしれません。わかりにくいのは、作文力です。
 かなり昔のデータですが、一般に小学生が授業時間で書く作文の字数は、学年の100倍から200倍でした。小学6年生では、600字から1200字というのが普通だったのです。
 しかし、今、小学6年生で、コンスタントに1200字書ける子はかなり少なくなっています。実は、字数は、実力との相関が高いので、その子の作文力の目安となります。そして、600字しか書けない子は、いつも600字までしか書けません。

 作文力の土台となっているものは、ひとつは語彙力で、その語彙力の背景にあるのは幅広い読書力です。
 作文力のもうひとつの土台は思考力で、その思考力のもとになっているものは難読力です。
 この作文力の低下は、将来、必ず大きな問題となってきます。今は、読解力の不足が問題となっていますが、それよりも大きな問題となるのは、作文力です。

 私は、子供たちの将来の学力を考えたら、小学校低中学年のうちは、読書と暗唱を中心にして、高学年以降は、読解力作文に力を入れていくといいと思います。
 そして、低学年から高校生まで共通しているのは、理科実験や創造発表という個性的な工夫をする勉強です。
 数学や英語は、受験で差がつく勉強ですが、ある程度の時間をかければできるようになります。しかし、国語力と一口で言われる読解力と作文力と読書力は、短期間では育ちません。
 だから、保護者が意識的に子供の読む力、書く力を伸ばす工夫をしてくことが大事なのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
小学校低学年(79) 

コメント欄

コメントフォーム
理想の勉強法は、低学年のころに頭をよくする勉強、高学年以降は思考力を伸ばす勉強 森川林 20211208 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
さしすせ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「さしすせ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
小学校低学年(79) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習