ログイン ログアウト 登録
 思考力、創造力、共感力、学力とは何か Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 4393番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/16
思考力、創造力、共感力、学力とは何か as/4393.html
森川林 2022/01/02 10:58 


●動画:https://youtu.be/MixNMW4AFMg

 言葉の森の教育の目標は、子供たちの思考力、創造力、共感力、学力を育てることです。
 では、それぞれの力の本質は何でしょうか。

 思考力の本質は、難読力です。難しい文章を読み取る力が思考力です。小学生の場合は、難しい文章というよりも、説明的な文章を読む力です。説明的な文章とは、物事の因果関係がわかるような文章のことです。

 言葉の森は、昔、講師の協力を得て、小学1、2、3年生向けに、長文集をつくりました。オープン長文という名前です。なぜこういうものを作ったかというと、当時、子供たちが読むような説明文の面白い本がなかったからです。

 昔、私(森川林)が小学1、2年生のころ読んで熱中した本は、「せかいふしぎめぐり」という本でした。小学生の間に、その本を、何十回と繰り返し読みました。そういう子供向けの説明文の魅力的な本が、その後なくなっていたのです。

 説明文の本でも、単に知識の羅列のような本では、読む力はつきません。理由や方法や原因や対策という立体的な構造が書かれていて、しかも内容が面白く、文章の表現も美しいという本が必要だと思いました。

 オープン長文の基本方針は、低学年の子が読んで面白い内容で、説明的な文章で、美しい表現で、笑いがあることでした。その文章の一部が、今の読解検定の小学1、2、3年生の問題文になっています。
 この問題文は、説明的な内容の文章であると同時に、どこかに必ずダジャレが入っています。実は、文章の骨格を書くよりも、この最後の仕上げのダジャレを入れる方に時間がかかりました(笑)。

 さて、小学生のころの思考力は、こういう説明的な文章を読む力ですが、学年が上がり、中学生、高校生、大学生になると、説明的な文章の中でも、難しい文章や、古典と呼ばれるような文章を読むことが思考力につながります。
 中学生のころの説明文の本としては、ちくまプリマー新書や岩波ジュニア新書のような本が挙げられます。高校生のころは、中公新書や岩波新書のような本です。大学生のころは、岩波文庫の青帯や白帯のような本です。もちろん、こういう新書や文庫に限りません。要は、本物という意味で古典的な本を読むことです。

 ところで、今の子供たちの読書環境を見てみると、活字の多い本は敬遠され、ビジュアルな半分学習漫画のような本に人気があります。また、スマホやインターネットで、SNSの断片的なやりとりに時間を費やすことが多くなっています。YouTubeやゲームに費やす時間も多くなっています。

 思考力を育てる読書の時間を確保する前提として大事なことは、スマホやインターネットを禁止することではなく、時間を制限しコントールする力をつけることです。そして、説明文の本の面白さを知るために、小学校低学年のころから、説明文の本を読む力とつけていくことです。
 読書というものは、読む力がつけば面白くなります。だから、読む力をつけることが出発点です。そのためには、家庭学習の基本として、読書の時間を必ず確保しておくことです。

 ときどき、読書をしなくても成績はよかったという人もいます。学校の成績は、成績向けの勉強をすればそれだけで上がります。思考力というのは、その先の話です。
 読書をする習慣がないと、大学生や社会人になったあと、考えが進歩しません。高校生のころ、学校の勉強で身につけた知識や考え方のままでいることが多くなるのです。
 普通の人の日常生活では、それで特に不自由することはありません。しかし、責任ある立場に立って仕事をする人は、日々新しい知識や考え方を身につけていくために、社会人になっても読書の習慣を続けることが大切なのです。

 思考力の話だけで長くなってしまいました。
 続きは簡単に。

 創造力とは、比喩力のことです。
 共感力は、模倣力で、その模倣力の土台になっているものは文化力です。
 学力とは、記憶力と反復力です。



コメント欄

コメントフォーム
思考力、創造力、共感力、学力とは何か 森川林 20220102 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
つてとな (スパム投稿を防ぐために五十音表の「つてとな」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
思考力(0) 
コメント1~10件
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
子どもの文章力 森川林
今の受験は知識の詰め込みの勉強になっています。 考える問題 12/8
記事 5392番
作検研究。森リ 森川林
作文は、褒められても注意されても、そこに客観的な基準がなけれ 12/7
記事 5391番
「作文検定」「 森川林
 今は、AI社会の前夜。  昔は新聞やテレビが中心だった。 12/7
記事 5390番
AI時代に子ど 森川林
AI時代には、先生の役割は「教えること」ではなくなります。 12/6
記事 5389番
【合格速報】順 森川林
Rさん、合格おめでとう!! よくがんばりましたね。 受験 12/4
記事 5387番
森リン大賞9月 森川林
 従来の作文評価は、小学校低学年では「正しい表記ができている 11/9
記事 5382番
作文の学習で大 森川林
 「何でも自由に書いてごらん。いつでも褒めてあげるから」とい 11/7
記事 5381番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記
11月分 4  あういと
問題7と問題8が分かりません。 キーワードはわかるのですが 12/3
国語読解掲示板
Re: 森川林
 字がきれいだったのは、そのあとの日記の内容を見ると、弟が葛 11/30
国語読解掲示板
Re: 11月 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  易しい国語問題は、「同じ言 11/30
国語読解掲示板
ともとも
小5の11月の読解検定のBの問題が誕生日だから字が綺麗だと思 11/28
国語読解掲示板
2025年11 森川林
△ムラサキシキブ ●作文検定スタート  学校 11/26
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン