ログイン ログアウト 登録
 勉強の目的は、競争に勝つことではなく、創造し独立すること 言葉の森 | 作文国語教室【公式】
 
言葉の森 | 作文国語教室・サイト 言葉の森 | 作文国語教室
記事 4522番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/10/31
勉強の目的は、競争に勝つことではなく、創造し独立すること as/4522.html
森川林 2022/09/03 05:58 
修 削


●動画:https://youtu.be/nH4J2cOdI0Q

 昔、言葉の森を始めたころ、「何のために勉強をするのか、そして、させるのか」と考えたことがあります。

 その当時の社会の一般的な勉強の考え方と対置して考えたのは、次のようなことでした。

 第一は、受験から実力へです。
 受験に勝つことを目的にした勉強ではなく、自分の実力をつけるための勉強をしなければならないと考えたのです。

 第二は、学校から家庭へです。
 学校や塾などの外部の機関に頼る教育ではなく、教育の基本は家庭と地域で行うべきものだと考えたのです。

 第三は、点数から文化へです。
 点数をつけて評価されるようなことが中心になるのではなく、点数につかないような文化的なものこそ評価されるべきだと思ったのです。

 第四は、競争から創造へです。
 今の教育は、競争の中で行われています。それは、最終的には、受験に勝つことが目的になっているからです。
 だから、人間にとって必要な知識ではなく、他人に勝つために間違いやすい問題ができるようになる知識を身につけなければならないのです。

 この「競争から創造へ」というのは、最終的には、子供たちがその創造を生かして、独立した人生を歩むということにつながると考えていました。
 独立とは、文字どおり独立して自分で会社を作り、又は、自分で仕事を作り出すようなことです。

 しかし、当時は、そういうことを言っても、理解する人はあまりいなかったと思います。
 だから、この教育の根本の目的は、自分の胸の中にしまっておいたのです。

 ただ、教育は、個人を目的にしたものでなく、社会も目的にしたものでなくてはならないということはいつも思っていました。
 だから、言葉の森のキャッチフレーズは、「明日の日本を支える子供たちの思考力、創造力、共感力を育てる」ということにしました。
 大事なことは、子供たちが成長することと、日本がよくなることを結びつけることでした。

 ところで、この「創造と独立」という考え方が、昔はあまり理解されなかったと思いますが、今は漠然と多くの人が、その方向を考えるようになっています。
 この創造と独立という方向が、今後の教育の最も重要な柱になるのです。

 その理由は、これまでの時代が利便性を中心とする時代だったのに対し、これからの時代は文化を中心とする時代になるからです。

 人間の社会で価値あるものとは、みんなが求めるものです。多くの人が求めるものが価値あるものです。価値があるから求めるのではなく、多くの人が求めるから価値が生まれるのです。

 わかりやすい例で言えば、ゴルフやサッカーのようなスポーツです。
 メジャーなスポーツは、幅広い経済的な裾野を形成しています。つまり、そこで巨額のお金が動いています。
 しかし、それは、例えば、地面の穴にボールを入れたり、ゴールの枠にボールを蹴り込んだりすることに価値があるからではなく、多くの人がそれらのスポーツに参加することによって価値が生まれたからなのです。

 これまでの世界では、人間が求めるものは、多くは量的なものでした。
 より多くの食糧、より多くの土地、より多くの人、という量の世界が価値の中心でした。

 その後、価値は量的なものから、利便的なものに移りました。
 より効率的なもの、より高性能なものを求めることが価値の中心になっていったのです。

 その最新の現象を表すものは、GAFAに見られるネット企業の興隆です。
 しかし、これは、利便性の時代がもうすぐ終わることの象徴でもあるのです。

 利便性の追求は、やがて、その利便性がガスや電気や水道や交通機関のようなインフラになる方向に進みます。
 ガスや電気や水道は、人間の生活に大きな価値のあるものですが、そこにはもはや新しい時代の価値を生み出すという魅力はありません。
 人間の社会は、これから、そういう利便性の時代の先に進みます。

 先の時代とは、文化の時代です。
 その文化の時代のモデルは、江戸時代の300年間続いた平和の中にあります。

 私がよく思い出すのは、ウズラの鳴き合わせという遊びがあったというような話です。
 同じように、長い平和の時代の中で、真っ白な文鳥が作り出され、金魚や鯉のいろいろな色や形のものが作り出されました。
 茶道や華道や俳句なども、それ自体の価値ではなく、文化的な価値として生まれ広がったものです。
 このような文化を生み出す歴史を持っているのが、日本という国の特徴です。

 イギリスやアメリカが世界の経済的中心であった時代に生まれたものは、ゴルフやサッカーやバスケットボールやアメリカンフットボールやマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどだったでしょう。
 しかし、これからは、日本が、日本の歴史を背景にした新しい文化を生み出す時代になります。

 その文化の時代には、多くの人が独立起業に参加できるようになります。
 GAFAの時代の独立起業は、あるひとつのビジネスモデルでグローバルなシェアを取ることが成功の基準でした。
 だから、独立起業に成功するためには、世界一になることが必要で、1位ではなく2位になることは敗北でした。
 利便性を基準にした世界では、生き残るのは世界で1社だけというのが原則だったのです。

 しかし、文化の時代はそうではありません。
 オンリーワンの文化が多種多様に生まれるのが文化の時代です。

 そして、今、私たちの価値観は、今、利便性の価値観から文化の価値観へと大きく動き始めています。
 この文化の時代の独立起業を想定するならば、子供たちの教育の目標もそこに向かって進めることができます。

 ここに来てやっと、勉強の目標として、競争と勝敗ではなく、創造と独立を考える時代が到来したのです。



コメント欄

コメントフォーム
勉強の目的は、競争に勝つことではなく、創造し独立すること 森川林 20220903 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
なにぬね (スパム投稿を防ぐために五十音表の「なにぬね○」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード)
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51) 
コメント1~10件
勉強なんて、誰 森川林
四行詩という新しいジャンル。 何か考えたいことがあって、文 1:5
記事 5591番
10月から読解 森川林
読解検定は、生徒の書いた解説に対して、もっと詳しいコメントを 1:2
記事 5592番
2026年10 森川林
「アオキ差すトド」って覚えやすい(笑)。変だけど。 1:1
記事 5593番
読解力、思考力 森川林
言葉の森は、作文というマイナーマーケットから、国語というより 0:59
記事 5594番
音声をテキスト 森川林
自分の場合、テキスト温泉は、nottaと同じかそれ以上の性能 0:57
記事 5596番
作文、読書中心 森川林
印刷については次のようにされるといいと思います。 問題文の 10/26
記事 5590番
作文、読書中心 NU
先生ありがとうございます。 会場検定はなくなったとのこと、 10/26
記事 5590番
作文、読書中心 森川林
 NUさん、ご連絡ありがとうございました。  10月から、 10/22
記事 5590番
作文、読書中心 NU
先生いつも有難うございます。 読解検定への要望をお伝えさせ 10/21
記事 5590番
作文と読解の勉 森川林
 中2でも全く遅くないです。うちのこ2人は、高校生のときもや 10/6
記事 5585番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
万年筆 森川林
 ふと昔を思い出して、パイロットの万年筆を買った。(PILO 10/30
森川林日記
Re: 題名( 森川林
届いているメールアドレスをご連絡ください。こちらで消去いたし 10/28
森の広場
登録解除 スギモト
【承認待ち】 10/27
森の広場
メールまたはお 森川林
メール登録の解除は、届いているメールアドレスをお知らせくださ 10/27
森の広場
Re: 題名( 森川林
登録解除しました。 お手数をおかけしました。 10/27
森の広場
登録解除はお名 森川林
登録解除はお名前かメールアドレスをご連絡ください。 > 10/27
森の広場
登録解除 スギモト
【承認待ち】 10/27
森の広場
2026年10 森川林
https://youtu.be/AHjq1nN 10/22
森の広場
スピーチ検定の 森川林
 今朝、作業をしたせいで、アクセスできなくなっていました。m 10/15
森川林日記
図書リストの希 森川林
 図書リストの希望、または、問題の希望があれば送ってください 10/13
読書の森

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン