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https://youtu.be/nzajfnoac4E
マンモスの牙が役に立たないぐらい伸びたのは、定向進化と言われています。
進化がある方向に進み、ある段階になると、その進化が役に立たないものになっても進み続けるということです。
その発端は、たぶんマンモスどうしの競争でした。
最初は、牙が長い方が強いし、格好もよかったのです。
しかし、やがて牙の長さで競い合うようになると、役に立つかどうかということよりも、格好だけが優先して牙だけがどんどん伸びていきました。
こういう定向進化が起こるのは、生物が他の種と競争する必要がなくなり、同じ種どうしの間での競争が、競い合う主な分野になっていっためです。
もし、マンモスと対抗しうる他の生物がいたら、牙の定向進化などという悠長なことはやっていられずに、もっと生存に役立つ他の能力が伸びていったはずです。
先日、たまたま見たウェブに、「GalaxyとPixelのどちらが優れているか」という記事が載っていました。
その中身は、どちらがどれだけ厚みがあるとか、バッテリーが持つかとか、重たいかという、言わば、マンモスの牙の長さ比べのような話でした。
実は、これが今の日本や社会の置かれている、他との競争のない平和な社会の状態なのです。
かつて、競争が社会の進歩の動因になっていた時代がありました。
今も、競争には、社会の進歩を進めるという面があります。
社会主義国が資本主義国に経済面で負けたのは、競争のない体制だったからという話は、確かにそのとおりでしょう。
しかし、世の中は今、急速に競争のない時代に向かっています。
競争のない時代に生きる生き方は、平和に生きることだと言う人もいます。
しかし、競争の持つエネルギーやワクワク感に比べると、平和の持つエネルギーやワクワク感はかなり小さいものです。
人間は、そういうところに十分な満足感を見つけることはできないでしょう。
競争のない時代で、しかもワクワクできる生き方は、創造です。
他人に勝つことに情熱を燃やすのではなく、新しいものを創造することに情熱を燃やすような生き方がこれから求められてきます。
マンモスは、長い牙と厚い体毛を持ったまま滅んでいきましたが、生物の種全体は、個々の種が滅ぶのと並行して、新しい種を創造していきました。
今日の世界の多様性は、その創造の結果です。
私は、子供の教育に関しても、競争から創造へという大きな流れが生まれていると思います。