●動画:
https://youtu.be/8oP_YlufzE4
子供たち、特に小中学生のころの子供たちは、友達との関係の中で生きています。
正確に言えば、小学4年生から中学2年生にかけては、友達関係が本人の行動に大きく影響します。
だから、逆に、いじめなどがあるのもこのころです。
小学2、3年生は、親子関係を中心とする大人との関係が子供の行動に影響するので、友達関係の影響もあまりないかわりに、友達による問題はあまりありません。
また、中学3年生以降は、親子や友達との関係よりも、自分自身の内面が基準になるので、誰もがそれなりに自分のペースで行動するようになります。
しかし、友達関係による影響が弱くなるとは言っても、子供の行動に大きな影響があるのは、やはり友達が何をしているかとか、何を考えているかということです。
この友達関係の影響をプラスに向けられるのが、オンライン4人クラスのような少人数のグループによる学習です。
35人学級のような大きな集団では、勉強の中での友達関係というのはまずできません。
誰もが孤立した状態で授業に参加しているからです。
大人数の学級で友達関係が生かせるのは、授業の間の休み時間や登下校のときだけです。
オンライン4人クラスで、友達関係が特にはっきり出るのが、毎週の読書紹介のときです。
それまで、ほとんど本を読まなかったような子が、毎週の読書紹介の中で、ほかの生徒の読書に触れて自然に本を手に取るようになります。
読書には、もともと読み手を引き付ける力があるので、本を読み始めた子は、すぐに読書の面白さに気づくようになります。
親や先生が、いくら本を読みなさいと言っても聞く耳を持たなかった子が、同じクラスの友達の読書紹介を聞いて、自然に本を読むようになるのです。
この逆の関係はありません。
本をよく読んでいた子が、同じクラスのほかの子たちがみんな本を読まない子なので、自分も本を読まなくなるということはないのです。
本を読むことが習慣になっている子には、他人の動向とは関係なくその習慣を自然に続けるからです。
読書紹介ではっきりと出る友達関係のプラス面は、実は勉強にも生きています。
友達と一緒に勉強していると、自然にがんばるようになるのです。
わかりやすい例は、総合学力クラスの暗唱練習のような場合です。
暗唱は、家庭でひとりでやっているだけでは、あまり張り合いがありません。
しかし、総合学力クラスで、月に1回の暗唱の授業があると、どの子も自然に暗唱のページが進むのです。
作文も、国語読解も、算数数学も、英語も、友達の学習状況が共有されるようになると、自然にみんなが勉強に前向きに取り組むようになります。
それは、競争で煽る勉強法ではなく、友達関係の中で自然に生まれる前向きな勉強姿勢なのです。