言葉の森を卒業して、社会人になった生徒が、自分の中学生時代の作文を見て、こんなことを言っていました。
「僕は、中学生のころ、すごくよく考えていたんですね。今、こういう文章を書けるかなあ」
これは、誰にでもあてはまります。
言葉の森の作文は、小学4年生までは、事実を中心とした生活作文です。
このころの作文の勉強は、学校で書く作文とあまり変わりません。
変わるとすれば、実例と表現と感想を個性的に書くことです。
ただ書くのではなく、自分らしく書くということが大事な目標になります。
小学5年生からは、課題自体が抽象的になり、感想の部分を、自分個人の感想を超えたより一般的な感想として書くようになります。
例えば、「私の友達」という課題で書く場合、自分にとっての友達という感想でなく、人間にとって友達とは何かという感想として書くのです。
中学生になると、この感想の部分が作文の中心になります。
小学生のころは、実例が先にあり、その実例の感想を書く形でしたが、中学生の作文は、意見が先にあり、その意見の裏付けとして実例を書くという形になります。
それも、ただ実例を書くのでなく、意見の理由として書くとか、意見の方法として書くとかいう構成の仕方が重要になります。
高校生になると、この意見中心の作文の構成の仕方が更に発展し、課題の文章が更に高度になります。
構成の仕方は、理由や方法以外に、原因や対策を考えて書くようになります。
このように、構成を意識して書く作文指導をしているのが、言葉の森の特徴です。
中学生からの意見文は、そのまま大学入試の小論文に応用できます。
言葉の森では、高校生から作文を始める人は、小学6年生の課題からスタートします。
小6の構成の仕方である「複数の実例と一般化の主題」も、大学入試の小論文で十分に使えるからです。
更に、中学1、2、3年生での意見文の書き方を身につければ、どのような小論文の課題にも対応できるようになります。
中学生からの作文の練習は、考える力を必要とします。
作文は、思考力を伸ばすのに最も効果的な学習なのです。