モミジ
●動画:https://youtu.be/Tt0PZNFxy6o
サルの世界では、子育ての上手なお母さんに育てられた子供は、リーダーになることが多いということがあるようです。
サルの世界と同じことが、人間の世界でもあります。
人間で、子育ての下手な人と上手な人とではどこが違うのでしょうか。
子育ての下手なお母さんは、事前の準備ができていません。
そして、子供がうまくできないと叱ります。
子育ての上手なお母さんは、事前の準備をしています。
だから、子供はうまくできます。
お母さんは、褒めるだけです。
例えば、読書紹介というごく簡単なことでも、子育ての下手なお母さんは、子供に任せっきりです。
そして、子供の紹介の仕方がもたもたしていたり要領を得なかったりすると、「○○ちゃんのように、もっと上手に紹介しなきゃ」などと言います。
子供は、がっかりするだけです。
子育ての上手なお母さんは、「今度の読書紹介、どんなふうにするか、ちょっと言ってみて」と、子供の読書紹介を聞いてみます。
そして、褒めます。
特にアドバイスをする必要はありません。
それだけで、子供は、次第に上手な読書紹介ができるようになります。
準備にかかる時間は、わずか1、2分です。
このわずかな準備ができるかどうかが、上手と下手の境目です。
必ずしも、毎回準備をする必要はありません。
準備は、時どきでいいのです。
大事なことは、事前に準備をして、結果は褒める、ということです。
その反対は、事前に準備をせずに、結果を叱る、ということです。
このごく単純なことが、できる人とできない人とがいます。
なぜ、そういう単純なことができないかというと、親である自分自身がそういう育てられ方をしていなかったからです。
家庭の文化は、遺伝します。
よくできる子の家庭は、よくできるようになる家庭文化があります。
決して、いい塾に行っているから、よくできるようになるのではありません。
また、身体的な遺伝でそうなのでもありません。
すべて、家庭の文化の中で、よくできる子になるのです。
だから、大事なことは、文化を変えるという自覚を持つことです。
それは、親自身の文化を変えることでもあるので、大きな決心が必要です。
家庭の文化というものは、なかなか根強いものです。
例えば、玄関を上がるとき脱いだ靴をそろえるとか、席を立つときは座っていた椅子をしまうとか、家の中で歩くときは静かに歩くとかいうことも、理屈だけ言ってすぐにできるようになる子はいません。
朝起きたら「おはようございます」と言うとか、近所の人に会ったら挨拶をするとか、返事はいつでも「はい」と言うとかいうことも、理屈で教えてすぐにできる子はいません。
定着するまでに、何か月もかかることが多いのです。
すべて、親による気長な繰り返しの中で、家庭の文化というものができてきます。
読書の習慣も同じです。
「うちの子は本を読まないんです」という相談が時どきありますが、それは、本を読まなくてもいい家庭文化を親が作ってきたからです。
その自覚が必要なのです。
子供の問題ではなく、そういう家庭文化の中で育ててきたことに問題があるのです。
親が自覚をすれば、ものごとはすぐに改善の方向に向かいます。
しかし、その改善の結果が出るまでに、半年はかかります。
6か月というのは、体の細胞が入れ替わる期間と言われています。
体の細胞が入れ替わるぐらいの長い期間同じことを続けていて、初めてそれが習慣になるのです。