作文には、実例や事実という題材の部分と、感想や意見という主題の部分があります。
思考語彙が低いのは、題材の部分のわりに、主題の部分が少ないことが原因です。
しかし、小学生の作文では、作文の課題自体が題材を中心としたものですから、主題が少なくなるのは当然です。
例えば、「私の友達」とか「私の宝物」などの課題では、友達や宝物が題材になるので、主題は当然少なくなります。
しかし、同じ課題を高校生が書くとすると、「人間にとって友達とは何か」とか「人間にとって本当に大切な宝物とは何か」と主題に重点を置いて書くことができます。
主題に重点を置くと、自分の体験実例に限らず、社会実例にも題材を広げていくことができます。
思考語彙は、その生徒の学年に応じて高くなっていくものなのです。
中学生のころは、題材中心の作文から主題中心の移行していく時期です。
中学生の生徒が、思考語彙の高い作文を書くためにはコツがあります。
例えば、次のような作文があるとします。
○第一段落
要約
意見
○第二段落
実例1
感想1→★
○第三段落
実例2
感想2→★
○第四段落
最後の意見→★★
★の部分をじっくり書いていくと、主題を重視した作文になります。
思考語彙が低い場合、★の部分をもっと書き込んでいくことが必要になります。
特に★★の第四段落の部分は、第一、第二、第三段落と同じぐらいの長さを書いていくことが大事です。
ただし、思考語彙だけが高くなると、バランスが悪いための減点になので、適度に書くことも大切です。
とりあえず、第四段落を、第一、第二、第三段落と同じぐらいの長さで書くということを目指していくといいと思います。
▽参考記事(ここに更に詳しく書いてあります)
「森リンの採点は、「森リン採点」ボタンで――小6以上は86点を目標に。90点以上は東大レベル」
https://www.mori7.com/as/4837.html
しかし、感想や意見の部分を長く書くためには、そのための語彙力が必要です。
その語彙力を高めるのが、普段の説明文読書と、国語読解クラスの問題集読書です。