AI森リン「森リー」がスタートしましたが、今はまだ3分の1の力しか発揮していません。
今、行っているのは、講師の講評を参考にしながら、AIが独自に作文を評価してコメントを書いているというところまでです。
それでも、かなり的確にコメントを書いているので、AIのレベルはかなり高いと思います。
しかし、ここまでだけで終わっていては、せっかくの語彙力評価や項目指導が活かせません。
次に取り組むのは、言葉の森が独自のアルゴリズムで抽出した、作文ごとの思考語彙、知識語彙、表現語彙などを、AIのコメントに取り入れることです。
そのためには、学年別に新しい森リン点を大量に取得し、学年ごとの平均点や標準偏差を出す必要があります。
これに、これから取り組みます。
もうひとつの課題は、項目指導を評価の中に取り入れることです。
例えば、小学校低中学年だったら、作文の中に、個性的なたとえやダジャレが入っているかどうかを評価します。
しかし、AIは、もともとアメリカ出身なので、ダジャレの評価はまだ苦手です(笑)。
これから、AIが日本の文化になじんでくれば、だんだんダジャレも上手になっていくと思います。
小学校高学年や中高生の項目指導の重点は、意見の中に光る表現があるかどうかです。
小学6年生だったら、一般化の主題、中学生だったら反対意見の理解、高校生だった自作名言などです。
また、データ実例、昔話実例、伝記実例、歴史実例なども評価できます。
ただし、あまり特殊化すると、一般の人が使えないので、項目指導の評価は言葉の森の生徒に限るかたちになると思います。
さて、AI森リン「森リー」の活用がもっとも生かせるのは、中学や高校での作文指導です。
作文指導の大切さを多くの先生が理解していながら、中学、高校では実際に作文指導がほとんどなされていないのは、先生の評価が大変だからです。
これは、小学校高学年から授業で作文指導がほとんどなくなるのと同じ事情です。
現在、学校での作文指導は、ほぼ夏休みの宿題に限られています。
しかし、AI森リン「森リー」を活用すれば、生徒全員の作文指導を毎日のように行えます。
しかも、ただAIが評価するのではなく、客観的な語彙力評価や項目表ををもとにした評価ですから、生徒にとっても納得できる評価になります。
納得できる評価が大事なのは、そこからよりよい作文を書くという方向が理解できるようになるからです。
よりよい作文を書く方向というのは、作文の書き方を工夫することだけではありません。
本当に大事なのは、読書力を高め、考える力と表現する力を伸ばすことなのです。