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1月の森リン大賞 as/5298.html
森川林 2025/02/20 07:27 


 11月の森リン大賞、
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2024&tuki=11

12月の森リン大賞に引き続いて、
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2024&tuki=12

1月の森リン大賞を掲載しました。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2025&tuki=01

   日本における社会
      中1 あおらえ
 社会は個人から成り立つものとされている。しかし、日本人の大部分は、社会を構成する個人としてよりも、世間にいる、一人の人間として行動している部分のほうが多い。ときには身内以外にさしたる世間とのつきあいもなく暮らしている人もいるが、それでも世間の評判は気にかかるのである。世間は快適な暮らしをする上で必須に思えるが、それが持つ排他性や差別閉鎖性は公共の場に出た時にはっきりと表れる。電車の中で宴会を始めたり騒いだりする人たちに対して、日本人には公徳心が足りないなど言われるが、この仲間意識を多くの人が是認している点にある。日本人には、排他的な空間を作っている意識がほとんどないのである。だから、世間にとらわれすぎるのは良くないと思う。
 
 第一に、周りと合わせようといつも気を使っていると、ストレスが溜まってしまうからである。日本人には尖っている人が少ないといわれるが、それは出る釘になるのを恐れているからであろう。私が中国にいた時、イギリス系のインター校だったが、誰も何も恐れずに発言していた。先生が質問をすればすぐに手が挙がるという環境だったが、日本に帰ってきてみると皆周りと意見が違うのを恐れて先生に指名された時以外にほとんど発言しない。その同調圧力に屈して、私も次第にそういう風になってしまった。だが、自分が良い案だと思っても手を上げられなく、ストレスが溜まることがままある。中学で国際学級に入って多少良くはなったが、日本人は周りを気にしすぎてしまうものなのだ。

 第二に、世間にとらわれないと、想像力が向上するからだ。新しいことを言い出すことについて恐れないからだろう。2014年にHarvard Business Reviewに掲載された調査によると、柔軟な勤務環境だと、社員の約30%が創造的な提案を行ったと報告したのに対し、固定された勤務環境では約15%にとどまったそうだ。柔軟な勤務環境はリモートワークや勤務時間が柔軟に決められること、固定された勤務環境とは制限された勤務時間や勤務場所を指し、創造的な提案が30% を超えた企業では、業績の向上が見られたという。これは企業以外でも同じで、メリットがデメリットを上回ると思う。例えば宿題においては効率が良かったり最適な時間帯が世間の常識では考えられなかった時間帯にあったりなどだ。

 確かに、世間でとがりすぎたり、伝統的な価値観を重んじなかったりすると相手と摩擦が起きたり、溝ができたりする。周りから批判を受ける中で、精神が不安定になることもある。共感されないことで、人間関係の持続が難しいこともある。しかし、「意志あるところに道は開ける」というエイブラハム・リンカーンの言葉がある通り、自分の意志を貫かなければならない。世間においても、周りから批判されるのが怖くても、意志を貫けば道は開けるはずだ。偉人はみな変人といわれるが、世間にとらわれずに生きたからだろう。私も、常識を疑うという思いを持ち、生活したいと思っている。世間にとらわれないように生きると、さらなる幸福が待ち受けているかもしれない。



   文章は決して謙虚な気持ちだけで
      高1 あああさ
 文章は決して謙虚な気持ちだけで書けるものではなく、経験の浅いうちは自惚れが先行する。そういう者に対しては、あえて苦言を呈し叱ることが必要である。厄介で複雑な成り立ちの歴史を持つ日本語を、適切に運用しようというのは、いい加減にではなく物を見、物と自分とを関係づけようという生き方の表れである。そうであるからこそ、言葉遣いに対する注意は先人が行うべき大切な義務である。私は、叱責が必要な際には、しっかりと的確で率直な指導をすべきであると考える。

 そのための方法としては、第一に、叱責が必要な際には躊躇せずに叱ることだ。他人に注意を促すことは勇気のいる行動であるが、いざという時には冷静かつはっきりとした物言いで指導をすることは最も相手のためになる。私の通学する学校は中高一貫校である。高校生と比較すると、中学生に対しては校則がより厳しく機能しており、自由度も低い。そして、全般的に校則の厳しい学校であるため、私たち高校生には、中学生の校則違反を目撃した際に注意を促さなければならないという義務が規則として定められている。しかしいくら規則とはいえ、下級生の違反行動を注意するとなると躊躇いが先行する。特に常習犯に出くわした時には、躊躇に呆れと無力感も相まって、黙認させてくれと切実に願ってしまう。実際に私は、校則破り常習犯の男子中学生が、スマートフォンを公然と操作しながら登校する場面に遭遇したことがある。私は一瞬躊躇ったものの、平静を装って彼に声をかけ、率直な言葉で校則違反を注意した。どんな反論か言い訳か、あるいは沈黙が返ってくるだろうと身構えていた私を前に、彼は驚いた顔をして、すみませんと素直に頭を下げた。常習犯として広く高校生の間に知られている彼だが、おそらく皆に愛想をつかされ、自らの違反を正面から咎められた経験が無かったのであろう。以後、彼の校則違反の噂を耳にすることはなくなった。他人を叱ることは勇気のいることであり、後味の悪さも少なからず感じるが、自分の言葉が一人の人間を変えたと考えると、あの行動はやはり必要なものであったと思う。

 第二に、自分自身に対しても厳しい姿勢を持つことだ。他人を叱る際には、自分が相手を指導するに相応しい人間であることが必要である。日本の武士道は、忠誠心や義務感を重視する倫理観である。武士の教育において、理念に沿った道徳観と資質を身に着けるために、師匠が弟子を厳しく叱ることは一般的であった。また武士道においては、自分自身の行動や考えを常に反省し改善する姿勢が重要視されており、これにより自己成長を促し、他者に対しても適切に叱ることができるようになったという。武士が長年に渡り歴史において重要な役割を果たしていたのは、他人に厳しいと共に自分にも厳しい姿勢を持つ彼らの精神に由来するものであったと思う。

 確かに、体罰やパワーハラスメントに該当する行為などの過度で極端な指導は、他者に負の影響を与えかねない。しかし、若者を叱り的確に指導することは、先人に課せられた社会的な責任である。叱ることの本質は人間性の否定ではなく、真の優しさである。よって私は、叱責が必要な際には、しっかりと的確で率直な指導をすべきであると考える。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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