ログイン ログアウト 登録
 作文の書き方——中学生後半の作文 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 535番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
作文の書き方——中学生後半の作文 as/535.html
森川林 2009/06/23 02:24 


作文検定4級レペル
中学生の後半は、方法を考えて書こう

 中学生の後半は、象徴的な題名を主題にする書き方を身につけます。体験実例も社会実例もできるたけ個性的ほ書きましょう。字数の目標は六〇〇—一二〇〇字です。

▼ここが大切!

▽生き方の主題

 象徴的な題名を白分の生き方に結びつけて書く練習です。象徴的な題名とは、「窓」「道」「空」などという題名です。その題名から連想して、どんな生き方をしたいかという形で意見を考えます(「私は、窓のように心を開いた生き方をしたい」など)。

▽複数の方法

 意見を実現するための方法を書きます。心構え的な方法と、社会的な方法の両方から考えてみましょう。

▽社会実例(伝記)

 社会実例として伝記から実例を選ぶ練習です。本を一冊読んでおくと、その一冊からいろいろな実例が引用できます。『福翁自伝』(福沢諭吉)、『フランクリン白伝』(フランクリン)、『氷川清話』(勝海舟)などを読んでおきましょう。特に明治時代は近代日本の原点を形成した時代ですから、その時代の伝記を読むと応用が広がります。

▽詩の引用

 多くの人に知られている詩、短歌、歌の歌詞などから表現を引用し、意見に合わせて加工して書く練習です

▼作文を書き終えたあとに

 中学生の後半は、小学五年生のころから続いた作文のスランプにようやく出口の見える時期です。中学生の後半に書く作文の中には、大人になったときに読み返しても感動するような優れたものがよくあります。それだけ、白分の言葉で物事を深く考えられるようになったということでしょう。しかし、書いている本人は、よく書けたという自覚がないことが多いので、周囲の人が温かく評価してあげることが大切です。

▼作文のお手本!

   森

 先日、田舎の祖父の家に行った。祖父の裏山にある森は、春にはタケ/コが出るし、秋にはクリやキノコが採れる、生きた白然のある森だった。確かに、都会の公園にも自然はある。しかし、生きたものという感じがしないのは、やはりそこに多様性がないからだろう。私は、白然の森のように多様なものを許容できる人間になりたい。

 そのための方法としては、第一に、外見だけで相手を判断しないことだ。私は昔スズムシを飼っていたごとがある。ある日、母と一緒にスズムシが鳴いているのを見ていたとき、かごの横をゴキブリが通った。そのとき、母は、「スズムシちゃん、いい声ねえ」と言った声のボリュームを急に上げ、「きゃあ。ほら、スリッパ」と、ゴキブリをたたこうとした。しかし、よく考えてみれば、スズムシもゴキブリも、同じ地球の仲間なのだ。

 多様性を持つ第二の方法は、互いの意見を交流させることだ。今、世界には、民族や宗教の紛争が続いている。その根底にあるのは、異なる価値観を持った人どうしの対話の不足である。人間は、意見の異なる人とこそ話を交わすべきなのだ。幕末の江戸城明け渡しの立役者、勝海舟と西郷隆盛は、それまでに一度しか会ったごとがなかった。しかし、その二人の対話が江戸を戦火から救ったのだ。

 確かに、白分の考えを純粋に貫こうとすることは尊い。しかし、それが白分とは異なるものを拒否することであってはならない。森のよさとは、多様なものを認めるよさである。「ミミズだって、オケラだって、アメンボだって」という歌がある。その歌詞の延長には、やはり「ゴキブリだって」森の中て楽しく生きているはずなのである。


▼中学生後半の日記の書き方

 その日に思ったことを、「したい」「なりたい」「べきだ」「問題だ」などと意見化し、「反対意見への理解」が入るように書きましょう。感想と説明だけの殺風景な日記にならないように、情景描写も工夫してみましょう。

○月○日

 今日は、久しぶりにいい天気だった。青く広がる明るい空に、筆でかいたような白い一筋の雲が浮かんでいた。
 私は、ごの空のようにいつも明るい心で生きていきたい。
 確かに、暗い現実があるときにそれを直視するごとは大切だ。社会の進歩は、否定的な現実を変革することで生まれる。しかし、そのときに、心まで暗くしてはならないと思った。

▼日記を書き終えたあとに

 中学生は、文章を書くことがスランプになりがちな時期ですが、中学生後半になると次第に自分の考えが確立してきます。意見や実例の材料となるものは、やはり読書です。書くことがないときは、無理に書こうとするのではなく、まず読むことに力を入れていきましょう。

学年別作文感想文の書き方



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 

コメント欄

コメントフォーム
作文の書き方——中学生後半の作文 森川林 20090623 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
まみむめ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「まみむめ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習