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記事 5350番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/7/21
言葉の森のビジョン as/5350.html
森川林 2025/07/20 07:58 


 本当は、たまっている仕事があるので、こういう記事を書く時間はなかったのですが(笑)、言葉の森のビジョンの概略を書いておこうと思います。


 まず、日本の教育の問題点と、それに対する対策は4つあります。

 第一は、受験から実力へです。
 第二は、学校から家庭及び地域へです。
 第三は、点数から発表へです。
 第四は、競争から創造へです。

 教育の目的は、思考力・創造力・共感力・実践力を育てることです。

 その教育の目的の出発点となるものは、日本語による作文と読書と暗唱です。


 作文教育については、これまでは、評価の基準が明確でなかったために、指導の基準もありませんでした。
 すべて、教える先生の主観をもと評価されていたので、よく書ける子も、よく書けない子もどう努力したらいいのかがわかりませんでした。

 ただし、小学校低学年のうちは、正しい表記を評価の基準とすることができるので、一応指導の基準も作れます。
 しかし、小学校高学年、中学生、高校生では、それ以上の指導はできませんでした。

 それは、受験で作文試験を課す中学、高校、大学においても同様です。
 受験生の書いた作文をまともに読んで評価している学校は、たぶんほとんどありません。
 もし複数回の評価をする学校があるとしても、1回目と2回目の評価が一致していることはほぼありません。
 それは、評価が個人の主観によって行われているためです。

 言葉の森の行っている作文教育は、創立当初から評価の基準を明確にすることを前提にしていました。
 それが、現在も行われている項目指導です。
 その後、語彙力評価のプログラムを作り、そこにAIによる講評も組み込むことにしました。

 この作文教育のシステムを使えば、現在のような知識の詰め込みを中心とした教育から、思考力、創造力を伸ばす教育へと、教育の方向を転換をすることができます。

 そこで、AIを利用した作文検定を行うことにしました。
 しかし、AIが作文を評価をするわけではありません。
 AIが評価をするとしたら、それは人間の評価と同じで、AIの主観によるものなので、1回目と2回目の評価は一致しません。
 また、AIには、何のために評価をするのかという哲学がありません。

 評価は、人間が考えたアルゴリズムをもとに行う必要があります。
 明確なアルゴリズムがあれば、そこで、生徒にとっても努力や向上が生まれるからです。


 さて、作文検定による作文教育が幅広く行われるようになったあとに必要になるものは、今の教育のシステム自体を変えることです。

 今の教育の最も大きな問題は、生徒が受け身で授業を受けていることです。
 生徒が学ぶべきことは、これからは、ChatGPTなどで生徒が自主的に学習することができるようになります。

 これからの教育で必要なものは、生徒が主体的創造的に参加できるものであること、その主体性と創造性を生かして他の生徒との交流ができるものであることです。

 それは、今の学校教育の枠組みではできません。
 授業は、4、5人の少人数のクラスで学習を行う必要があります。
 その4、5人は、同学年の同レベルの生徒どうしであるのが理想です。
 そのためには、授業は、ウェブ会議システムを使ったオンラインで行う必要があります。

 また、同じクラスのメンバーは、時々集まって、遠足に行ったり合宿に行ったりすることができるのが理想です。
 なぜなら、人間どうしの交流には、身体を伴うのが自然だからです。

 そこで、言葉の森が考えたのは、日常的な教育はオンラインの少人数クラスで行い、年に何回かは、遠足や合宿で生徒どうしが交流できる機会を作ることです。

 今は、合宿所は那須にしかありませんが、いろいろな地域にいる生徒が交流できるように、合宿所の場所を広げていく予定です。

 本当は、もっと先の話もありますが、あまり先のことを書くとSFになってしまうので、とりあえずは、作文教育と、オンライン少人数クラスの教育と、自然寺子屋合宿を言葉の森のビジョンとして考えているということを書いておきます。


 政治も、経済も、科学も、技術も、論説もすべて大事ですが、それらは一人または少人数で行うものです。

 日本の本当の持ち味は、1億2千万人の国民一人ひとりが豊かな教養と文化を持って生活していることです。

 それを守り育て発展させていくことがこれからの課題です。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
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