ログイン ログアウト 登録
 読書の習慣をつけるには Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 57番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
読書の習慣をつけるには as/57.html
cynthia 2006/04/19 12:48 
 言葉の森に来ている生徒は、読書好きの子が多いと思います。しかし、どんなに読書が好きな子でも、新しいジャンルの本に取り組むときにはやはり抵抗があるようです。読書をあまりしない子の場合は、本を読むことそのものに抵抗があります。
 読書をする際に、いちばん大事なことはこの抵抗感をなくすことです。抵抗感をなくすためには、
(1)毎日読むこと
(2)最後まで読むこと
の二つが重要です。
 本というものは、読む力がつけば次第に面白くなります。読む力のないうちは、つまらなく感じます。子供が(大人でもそうですが)、「この本、つまらない」と言う場合、本が子供の実力を超えているのでつまらなく感じるというケースが多いのです。
 親が読書好きだと、いつの間にか自然に本が好きになっていたという自分の経験から、どうしても「毎日読む」「最後まで読む」という人為的なやり方になじめないことが多いようです。しかし、読書でも勉強でも、最初のアプローチがいちばん退屈な部分ですから、ここは半ば強制的に取り組むようにして、楽にできるようになる状態まで早く持っていくことが大切です。
 本は、最後まで読むと、読み切ったという充実感が生まれます。途中までしか読んでいない本は、読んだという気持ちになれません。また、長い時間をかけて読んだ本もやはり、全体像がつかめません。一般の予想とは違って、早く読み終えたものの方が内容を把握しやすいのです。
 具体的にどのくらいのページ数を読むかというと、一区切り50ページというのがわかりやすいと思います。これは単純に計算しやすいからです。大人の人がやや難しい文章を読む場合のスピードは約1ページ(600字程度)1分です。子供の本は字が大きく易しいものが多いので、子供が読む場合は50ページを30分ぐらいで読めます。30分も読んでいると、内容に引き込まれるので、ページ数のことなどは忘れてしまいます。ページ数のことに気づいたときに、50ページという区切りだとすぐにどこまで読めばよかったのか思い出せます。
 50ページ読書の習慣がつけば、生活のいろいろな場面で応用できます。子供がどこかに遊びに行きたいと言ったときには、「よし、読書50ページしてから、どこかに行こうか」などと言えます。「よく学びよく遊べ」です。
 勉強の時間と読書の時間の組み合わせ方には、コツがあります。子供にとって読書は半分遊びのようなもので、気楽に取り組めます。また、読み始めると熱中してそのままずっと読み続けるということもよくあります。ですから、読書を先にして勉強を後にすると、勉強の時間が取れなくなることがしばしばあります。勉強が一通り終わってから読書という形にしておけば、勉強と読書が両立します。
 ただし、小学生のころは、勉強よりも読書を優先するぐらいの方が力がつきます。漢字の書き方を覚えたり計算の練習をしたりすることは、あとからいくらでもできますが、読書の習慣だけはあとからでは間に合いません。ところが、漢字や計算のように結果がすぐに出るものは、子供も大人もつい優先してしまいがちなのです。親は遠い展望を持って、今すぐには結果の出ない読書を、すぐに結果の出る勉強よりも優先させていくべきです。
 自分の力ではなかなか読み進められないやや難しい本に最初に取り組むときは、親が読み聞かせをしてあげるのも一つの方法です。本にはもともと子供を引きつける力があります。最初は退屈そうに聞いていた子も、その本が終わりに近づくころには熱心に聞き入るようになります。そして、興味を持てば、自分でその続きをひとりで読むようになります。親が子供に「自分の力で読みなさい」などと言うのではなく、一緒に楽しく読み聞かせをしているうちに、子供が自然に読むようになるという読ませ方がコツです。
 また、この場合大事なのは、楽しく読むということです。読んだあとに問題を出すなどという勉強的な仕方は、長い目で見て子供を読書から遠ざけます。親自身がその本に面白さを感じているということも重要です。有名な本であっても、親が読んで楽しくなければ、子供にもその退屈さは伝わります。私(森川林)の家では、子供が小学校低学年ころ、中村うさぎの「ゴクドーくん漫遊記」や清水義範の「永遠のジャック&ベティ」を読んだことがありました。小学生相手に読むような本ではありませんが、読みながら親も笑いっぱなしでした。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。


コメント欄

コメントフォーム
読書の習慣をつけるには cynthia 20060419 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
きくけこ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「きくけこ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。

コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習