●書き出しの工夫 —会話・色・音・情景で書き出す —
書き出しに、会話、色、音、情景を入れて、読み手を引きつけるような効果を出します。
例:赤い夕日が西の空を染めている。やっと練習が終わった。
例:窓の外から広い公園が見える。私の部屋は二階にある。
● 予測問題の主題 —将来Aが問題になる—
社会問題の主題の練習をしたあと、それを更に発展させて考える練習です。 考え方としては、今の社会問題に対する対策が進むと逆に別の問題が起こってくるだろいう形です。
例:(日本人の島国意識は問題だという社会問題が課題になっている場合)しかし、この島国根性を捨ててグローバル化を目指すあまり、むしろ逆に日本人の根を見失う傾向が今後問題になってくるのではないだろうか」
社会問題の反対の予測問題がどうしても考えにくいときは、社会問題を発展させて考えてもよいとします。その場合は、社会問題の主題とほぼ同じ内容になりますが、できるだけ自分なりに新しい問題の要素を加味して考えていくようにします。
● 複数の対策一 —…の対策としては第一に—
● 複数の対策二 —…の対策としては第二に—
意見文の展開部分に対策を書きます。必ずしも具体的な対策である必要はなく、対策の方向を指示するだけで充分です。対策を考えるヒントは、自主、民主、公開、発明です。
例:(地球温暖化をどうするかという課題について) 外部の規制を待つのではなく、まず私たち一人ひとりが自分のできるところから小エネルギーの生活を作っていく必要がある。(自主)
既に工業化を達成した先進国のペースで考えるのではなく、発展途上国の意見も反映させて考えていく必要がある。(民主)
密室で論議するのではなく、まず、地球温暖化が現在どのぐらいのペースで進んでいるかということを正確に情報公開していく必要がある。(公開)
排出権取引のように、資本主義の論理を利用して自然保護を図る仕組みを考案していく必要がある。(発明)
対策に正解はありません。自分のオリジナルな対策を考えていくこと自体が練習です。
● 体験実例 —自分らしい体験実例を書く—
対策を裏づける体験実例を書いてみましょう。
● ユーモア表現 —ユーモアのある表現(笑)—
読み手を笑わせるような表現を入れます。自分の失敗談を書いたり、物事を大袈裟に書いたりするとよいでしょう。
● 反対意見への理解 —確かにBもよいが、しかしAが—
四段落構成の結びの四段落目に、自分の意見とは反対の考えに対する理解を入れて書きます。 およそ意見というものは、どんなに正しいように見えても必ず反対の立場というものがあります。中学生や高校生のころはまだ視野が狭いので、自分が心から正しいと思っている意見を書くときは、反対意見を全面否定するような形になることが多いものです。 しかし、意見は一方的に書けば書くほど説得力を失う面があります。自分がどれほど正しいと思った意見でも、結びの段階で反対意見への理解に言及するようにすると、かえって説得力が増してきます。 反対理解を書くことは、意見文の鉄則です。 書き方で注意することは二つあります。 一つは、反対理解をじっくり書きすぎると、意見が分裂したような印象になることです。反対理解は必要最小限にとどめてさらりと書くことが必要です。 もう一つは、弱い反対理解を書いて済ませてしまう場合や、反対意見への理解ではなく反対事実の紹介で済ませてしまう場合があるということです。 例えば、弱い反対意見の理解の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにくだらない漫画を読みたくなる気持ちもわかるが……」というような書き方です。漫画がよいという積極的な意見への理解ではなく、消極的な意見への理解になっています。 反対事実の紹介の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにおもしろい漫画もあるが……」というような書き方です。 キーワードは、「確かに」ですが、ほかに「もちろん」「なるほど」「もっとも」なども考えられます。
● 自作名言 —…はAでなくBである —
自作名言とは、自分で作った名言です。本当は、これがいちばん大事なのですが、最初から「自分で名言を作る」と言ってもわかりにくいので、中学生のころは、名言集から名言の引用を行なって練習をしています。
名言は、「○○はAでなくBである。」というかたちの文です。名言集の多くの名言も、このようなスタイルを持っています。「出口のないトンネルはない」→「人生はトンネルのようにどんなに暗く見えようとも、行き止まりではなく、必ず出口がある」。「民主主義は教科書には書かれていない」→「民主主義は、教科書のように既にできあがったものではなく、自分たちで日々作っていくものだ」。
Aは世間で一般に思われている常識、Bは逆説に見える真理、という位置づけです。かたちだけ「○○はAでなくBである」と書いてあっても◎にしますが、「夏は、寒いのではなく、暑い」のように当たり前のことを書いている場合は、名言ではありません。
名言の効果が出るのは、文章の結びの5〜10行です。できるだけ結びの5行に、決めの言葉を書いていきましょう。
● 75分以内 —書き始めから書き終わりまで75分で—
長文を読む時間、構成メモを考える時間などは入れずに、書き始めから書き終わりまでを75分以内で書いていきます。 時間のかかる人は、全体で75分とだけ考えずに、段落ごとに途中経過時間の目安を決めておきましょう。
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