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受験に勝つために―そして、受験後にも as/1007.html
森川林 2010/08/30 14:36 


 例年、「受験生は、夏休み前までに過去問を」と、もう何十年も言い続けているのに(笑)、あいかわらず秋から過去問に取り組むという人がかなりいます。

 受験勉強は、情報戦です。旧日本軍と同じように、情報戦で戦略的に既に大きく後れをとっているのに、個々の戦闘でだけがんばるという勉強の仕方をする人が多いのです。

 夏休み中に、自分流の勉強をした人と、ただ漫然と塾や予備校の夏期講習に通った人とでは、大きな差が出ます。夏休み中に自分流の勉強をするために、夏休み前の過去問分析が欠かせないのです。

 夏休み前までの模試はあてになりませんが、夏休み後に行われる模試は、ほぼ正確に実力を反映します。

 受験を左右するのは、偏差値ではなく総合点です。まだ過去問に取り組んでいない人は、過去問を、答えを書き込みながらでもいいので、全教科解いてみて、どの教科でどのぐらい得点するかという作戦を考えていきましょう。

 塾や予備校でも、過去問は仕上げにやると言っているところが多いようですが、それは、生徒が早い時期に過去問に取り組むと対応しきれなくなるという教える側の都合によるものです。

 受験に全責任を負っているのは、本人と保護者だけです。他人に頼らずに自分の判断で勉強に取り組んでいきましょう。


 国語の成績を上げるコツは、ある意味で簡単です。一つは問題文を読む練習をすることです。もう一つは、選択問題の解き方のコツを学ぶことです。選択問題の解き方は、1、2時間もあればすぐに理解できます。

https://www.mori7.com/index.php?e=769


 さて、人生で大事なのは、受験に勝つことでありません。受験が終わったあと、どういう勉強をして、どういう人間になるかということです。

 受験に合格することを目的にしてしまうと、合格したあとに勉強が途絶えてしまいます。

 合格することが目的なのではなく、合格後、又はたとえ第一志望に合格しなかったとしてもその後、社会に出て立派な社会人になり、世の中に貢献していくことが本当の目的なのだと今から話しておくといいと思います。

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低学年で勉強しすぎ、中学年でくたびれてしまう子 as/1006.html
森川林 2010/08/29 19:14 



 低学年で勉強をしすぎ、中学年でくたびれてしまう子がいます。

 中学年で勉強をしすぎて、高学年でくたびれてしまうということもありますが、小学校中学年ごろからは、本人も反発する力ができてくるので、それほど大きなマイナスにはなりません。しかし、強制力がある形で勉強させると、やはり反動も大きくなります。

 やりすぎたためにやる気がなくなった子は、いったん無気力な状態を過ごしたあとに、やがて時間がたってから再び普通の状態に戻ります。それぐらいなら、最初からのんびり遊ばせておけばよかったということです。

 大事なのは、バランスのよい生き方です。人間はやはり、自然に成長するのに近い状態で育てるのがいちばんいいのです。

 人間が自覚して勉強を始めるのは、中学生の終わりごろからです。この自覚した時期からあとに、心ゆくまで勉強した親は、子供が小さいときに無理な勉強はさせません。勉強というものは、いずれやる気になったときにやればいいのだと思っているからです。

 本当に勉強のできる人は、早くやらないと間に合わないというようなことは思いません。しかし、家庭での知的な環境には気を配っています。知的な環境とは、読書をする、テレビは制限して見る、親子でいろいろな対話をするなどということです。

 勉強にくたびれた子供たちに共通しているのは、長い時間をかけて勉強することです。なぜかというと、早くてきぱきと仕上げると、追加の勉強が待っているという環境でこれまで勉強してきたので、いつの間にかそういう環境に適応してしまうのです。

 勉強は、時間をかけてやるものではありません。分量を決めてやっていくことが大事です。そして、決めた分量が予想よりもかなり早く終わったとしても、決してそこで追加の勉強をさせることはせずに、明るく褒めておしまいにすることです。

 そして、そのように早く終わりすぎる状態が継続的に続くようでしたら、そこで初めて分量を再度決めなおすようにすればいいのです。

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