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言葉の森のビジョン(その2) as/1012.html
森川林 2010/09/07 11:55 



 言葉の森のビジョンの図解説明の続きです。




 日本語の第三の特徴は、膠着言語というところにあります。

 他の言語が、主に語順によるか、言葉自体の活用によって、単語どうしの関係を表すのに対して、日本語は名詞のあとにつく助詞や、動詞のあとにつく助動詞によって単語の関係を表します。

 いわば、助詞や助動詞という変化しやすい水の上に、名詞や動詞という形の決まった葉っぱが浮かんでいるという状態です。

 この単語どうしの関係を容易に変化させることのできる性質が、日本語の持つ創造性を生み出しているのではないかと思います。


 これら三つの特徴のほかに、日本語には、最後まで聞き取らないと意味が通じないという特徴もあります。これは、見方を変えれば、微妙な差異に注意を払わないと肝心なことが伝わらないという微妙さに対する感受性を生み出していると考えられます。

 余談ですが、このために、日本語は難しい話を耳からだけ聴いていると眠くなるという性質があるのだと思います。

 また、他の言語に比べて音素数の少ない日本語には同音異義語が多く、単語をその前後の文脈から理解する必要がしばしばあります。日本人は人の話を聞いているとき、同音異義語の単語を頭の中で該当する漢字に視覚的に変換しながら理解しているのです。

 酸素濃度の少ない高地に住む人の心肺機能が自然に鍛えられるように、日本語は使っているだけで自然に頭脳の理解機能が鍛えられる言語なのです。

 また、音素数の少なさは、日本語に独特のダジャレの背景にもなっています。このだれでも気軽にダジャレを楽しめるというのも日本語の大きな特徴で、このダジャレ的なものの見方によっても、日本人の創造性は更に鍛えられているのです。


 以上が、国際社会の中で日本の自立を守るために日本の文化を豊かにする要として生かしていく日本語の特徴です。




 次に、歴史的な面から、現代という時代が経済的にどういう時代なのかということを考えてみます。

 最初に、個人の消費生活に対する欲望があります。自動車を持っていない人が自分の車を持つということに対する憧れは、今の日本人はもうほとんど忘れていますが、実はとても大きなものでした。同様に、テレビのないうちがテレビを買うというときの感動は、今では想像できないほど大きなものでした。

 その未来の夢のために、個人は仕事をし収入を手に入れようとします。

 この仕事は、古代の人が舟に乗りたいから自分で丸木舟を彫るというような自給自足的なものではありません。自分で自動車を作るということは当然できないので、個人は企業で分業の一部として働くことによって収入を得ます。

 この分業が、実は企業にとって利益の源泉になります。企業は、決して労働者を搾取して利益を上げるわけではありません。分業という仕組み自体が個人の労働の投入量の総和よりも大きな価値を生み出すことから利益が生まれるのです。

 この利益を更に大きくするために、企業は技術革新を行います。利益が技術革新に使われ、ますます質量ともにすぐれた分業体制を作った企業は更に利益を上げていきます。

 そして、この企業の作った製品が、労働によって収入の増えた消費者によって購入されるというのがこれまでの経済の流れでした。

 松下電器(現パナソニック)がアイロンを作ったころ、アイロンという商品はかなり高価なものでした。しかし、多くの人がアイロンのある生活に夢を見る一方、松下電器がその夢に応えて庶民の手に入る価格のアイロンを作ることによって(昭和2年)、個人の企業も豊かになっていったというのが、日本の資本主義が発展し始めたころの社会の姿でした。そして、このアイロンが、カラーテレビ、自動車、クーラーへと対象を変えて発展してきたのがこれまでの社会でした。


 「言葉の森のビジョン」の後半を簡単に書くつもりがだんだん長くなってきました。(^^ゞ

 まだ画像が十数枚あり、この調子で書いていると何の話かわからなくなりそうなので、以下急いで(笑)。




 現代の日本の社会は、個人に消費したいものがなくなっているという状態にあります。しかも、それが格差社会の拡大の結果、お金のない人は消費したいものがあるのに仕事と収入が増えない結果消費したいものがない、お金のある人はただ単にこれ以上消費したいものがないという形になっているところに問題があります。

 消費したいものがない結果、物が売れないため、企業は売上の減少の中でも利益を上げるために省力化を押し進めます。省力化が進めば進むほど、個人の働き口がなくなり、それが消費と設備投資を更に低下させるという縮小スパイラルの状態に今の経済は陥りつつあります。

 拡大スパイラルが縮小スパイラルに転換した大きな要因の一つは、企業の利益、言い換えれば社会全体の利益が新しい生産を創造するための投資に向かわずに、軍事費や社会保障費やマネーゲームという価値を生み出さない分野に吸収されていったことです。

 しかし、もう一つの大きな要因は、個人の欲望を喚起するような大きな魅力のある商品が現代の社会、特に先進国の社会で見つからなくなったことです。




 では、先進国、例えば日本に暮らす個人の欲望の対象は、今どのように変化したのでしょうか。

 これまでは、よりよい家、よりよい車、よりよい服、よりよい食事という豊かな消費生活が個人の欲望の焦点になっていました。

 今は、そうではありません。もちろんよりよい消費生活への希望はまだだれにでもありますが、それらが大きな感動を伴う消費ではなくなったのです。

 今、個人が大きな夢を持って求めている対象は、物ではなく自己の向上です。それは、より美しい自分、より健康な自分、より知的で、魅力的で、能力があり、人気があり、自己を実現し、社会に貢献できるような自分自身なのです。


 だんだん「言葉の森のビジョン」の話とつながってきた。(^^ゞ

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言葉の森のビジョン(その1) as/1011.html
森川林 2010/09/06 17:38 



 言葉の森の今後のビジョンを絵で説明します。


 現代の日本の問題は、二つの面から考えることができます。
 ひとつは、社会的な面です。日本は、戦後、アメリカからずっとマネーの面でコントロールされてきました。
 しかし、今、アメリカの力が後退する中で、中国からの圧力が強まっています。中国の圧力の源泉は人口です。
 日本は、アメリカと中国のはざまで自立をしなければならないという状況に置かれています。
 日本は、国土の面積は世界第60位ですが、排他的経済水域も含めた領海の面積になると世界第6位になります。そして、日本の近海には多くの貴重な鉱物資源が眠っています。
 弱肉強食の国際社会の中で、核を持つ大国にはさまれて、軍備を持たないお人よしの日本が、豊かな土地で平和に暮らしている、というのが日本の置かれている状況です。
 この中で、日本の自立をどう守っていくのかというのがひとつの問題です。

 もうひとつは、歴史的な面です。現代の社会は大きな曲がり角に来ています。主な行き詰まりは経済の面に現れていますが、その根底にあるのは、もっと大きな文化的な変化です。
 しかし、その曲がり角の先にある新しい時代の展望がまだはっきりとは見えていないというのがもうひとつの問題です。



 まず、社会的な面から考えると、国際社会の中で日本の自立を守るということが大きな課題になります。
 日本は、隣国中国から人口の大きな圧力を受けています。また、日本自身がこれから国際社会で生きていくときに、ある程度の移民を好むと好まざるにかかわらず受け入れざるをえません。
 しかし、移民が日本の社会に同化せずに、移民独自の社会を日本の中で作るという方向に進むなら、その移民政策は日本の社会の安定と調和にとって大きな脅威となるでしょう。
 移民は受け入れるが、その移民を強力に同化するだけの経済的な豊かさと文化的な豊かさを持つことがこれからの日本に求められています。
 その要になるのは、日本語教育です。



 今、世界の共通語は英語です。それは、英語が国際的なコミュニケーションのツールとして、ほかのどの言語よりも大きな欠点が少なかったという消去法的な選択によるものです。
 しかし、いったん成立した世界共通語としての英語の役割は、今後も永続するでしょう。
 ところが、人類の歴史はツールの改良の歴史です。英語がコミュニケーションのツールであるかぎり、その役割は、時間はかかっても必ず機械が代替していくものになります。



 英語がツールとしての言語であるのに対して、日本語は文化としての言語になる可能性を秘めています。
 将来の世界の人々は、自国語と日本語を子供時代からの教育でバイリンガルとして学ぶようになるかもしれません。
 それは、日本語には、母語として学ぶ大きなメリットが3つあるからです。



 日本語の第一の特徴は、視覚的言語という点にあります。
 日本語は、漢字かな混じり文なので、見た感じで全体の印象をつかむことができます。そして、この見た感じが、文章の内容を理解するのを助けます。
 他の言語でも、書かれたものは視覚的に読まれますが、基本は音声を通して理解することに向いている言語です。日本語は聞いて理解するよりも、読んで理解することに向いている言語です。
 そして、この読んで理解しやすいという性質が、今後のインターネットの文字情報の世界では大きな利点となるのです。



 日本語の第二の特徴は、母音言語だという点にあります。
 英語や中国語など日本語以外の他の言語は、左脳で子音を処理し、右脳で母音、自然音、楽器音、雑音などを処理します。しかし、日本語は、左脳で子音、母音、自然音を処理し、右脳で楽器音、雑音を処理します。
 この結果、日本語では擬声語や擬態語が発達し、雨がザーザー降る、川がさらさらと流れる、星がきらきら光る、スズメがチュンチュン鳴く、などという表現が多用されるようになりました。
 これらの擬音語を使うとき、日本人は無意識のうちに、雨の音や川の様子や星の光やスズメの声を擬人化しています。つまり、雨や川や星やスズメの語る言葉としてこれらの擬音語を使っているのです。それは、自然の音が左脳の言語脳で処理されることから生じる自然な結果です。
 このため、日本人は、自然の事物や動植物に対して、人間に対するのと同じような一体感をごく普通に持つようになり、それが日本独特のアニミズム、八百万の神という発想、異なるものの共存を受け入れる調和の精神を生み出しました。
 そして、今日の世界が必要としているのは、まさしくこういう調和と共存の見方です。それを理性の力で実現させようとするのではなく、言葉を使う中で自然に育てることができるという点で日本語は大きな利点を持っています。
(つづく)

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「より豊かに」から「よりよく」という生き方 as/1010.html
森川林 2010/09/02 21:34 


 これまでの教育は、耐久消費財の需要に対応した工業時代の教育というものでした。

 工業社会で、性能のいい歯車となり、高い所得を得、豊かな消費生活を送るという人生を目指す教育がこれまでの教育でした。それは、社会の側からの都合で学ぶことが決められ、そこで育てられる個人の能力はだれでも共通するものであるが故に、だれにとっても代替の可能なものでした。

 このような社会でいい仕事につくためには、いい学校に入り、いい成績をとる必要があります。しかし、その場合の「いい」という基準は、ある限られた枠で数値化され採点されるテストの形式で評価されるものでしたから、当然優劣が生じます。

 受験のための勝ち負けのある教育というものに、多くの生徒や保護者が疑問を感じつつも、しかし、負けるわけには行かないということで、競争にあおられながら勉強をしてきたのがこれまでの教育でした。

 しかし現在、これまでの工業社会に代わる新しい社会が台頭しつつあります。

 社会を動かす原動力は、人間の欲望です。これまでの多くの日本人の欲望の焦点は、豊かな消費財のある生活でした。例えば、いい家、いい車、いい服、いい食事などが、人間の生活の目標になっていました。

 しかし、このような消費財がいったんある程度手に入り、快適で便利な生活が送れるようになると、その欲望は、それ以上の充足は必要としなくなります。今は、いい家、いい車、いい服などにそれほどのワクワク感は持てなくなってきたのです。特に、お金を動かす力の大きい、資産や収入の多い人からのお金の流れが止まったことが、日本の社会の需要減少の背景となっています。

 では、魅力的な消費はどこに行ったのでしょうか。これからの人間がいちばんワクワクするものは、消費財よりも自己の向上のようなものになります。自分が、より美しく、より知的で、より創造的で、より社会に貢献できるような人間になりたいという欲望です。つまり、「より豊かに」から「よりよく」という欲望の変化が、これからの経済の動向を決めていくようになったのです。

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拍手喝采 20100903  
 森川林先生の教育論を拝読すると、いつも元気が出てきます。雑事に追われ、疑問を抱きながらも形式に惑わされて過ごす日々の向こうに、目指すべき目標が、見える様に思われます。
 我が子にも是非、より美しく、より知的で、より創造的で、より社会に貢献できるような人生を送ってほしいと思います。

 

森川林 20100903  
> 拍手喝采さま
 コメント、ありがとうございます。
 これからの世の中の変化は、意外に速いような気がしています。今は夢のようなことも、やがてみんなの常識になると思います。早くそういう世の中が来るようにがんばりましょう。ヽ(`▽´)/

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7月の森リン大賞(中1の部) as/1009.html
森川林 2010/09/01 15:50 
 7月の清書をもとにした森リン大賞です。

 全員の手書きの清書は、清書の谷に入っています。





7月の森リン大賞(中1の部89人中)

ダイアモンドの原石を磨く
闇の女帝

 私の学校では6月の初期に、初めての中間試験が行われた。結果は散々だったが、みな共通していっていたのは、「テストはやはりやりたくない」というワンフレーズであった。果たしてなぜそんなにテストは、人々に忌み嫌われる存在でなければならないのだろうか。私は、テストはいいものだと思っている。これから、その理由をのべる。

 まず、テストで自分の実力がはっきりわかるからだ。中間試験では、自分の点数と共に平均点や、学年順位も出る。つまり、自分の中間試験までの範囲の理解度が数値で示されて出てくるのだ。私はこの結果を受けて、一喜一憂するのではなく、この結果を果たしてどうやって期末試験に生かすかという、そのプロセスが大切なのだと考えている。その中で、授業態度やノートの取り方、小テストへの対策など、日頃の学習態度への反省と対策を立てて、自分に磨きをかけるのである。私たちは、ダイアモンドの原石である。最初はくすんでいても、毎日丹念に布で磨きあげれば、それは大きな輝きを持つ。同じように、テスト一つで悪い結果が出ても自分を責める必要はない。その結果を受けて、どんな対策をするのかによって、ダイアモンドの運命も変わってくるのである。

 次に自分の弱点発見につながるからだ。毎日、私たちは受け身の状態で勉強しがちなので、弱点を見分けるのが大変困難な作業になる。しかし、年に4回定期的に大きなテストが行われることによって、自分の弱点を見分けることができる。更に、あまりにも弱点が多かった場合、当然点数にも反映されてくるわけで、すると、補習でそれを克服することが可能になる。テストの点が悪かったことに、重きを置くのではなく、どこの問題をどう間違えて点数が悪くなったのかというところに、着目すべきなのである。

 更に、試験へ向けての目標や、日程をたてたりする、先を見通す力が身に付くからである。中間試験は、科目が多いだけに、小学校の頃のように、一夜漬けでは済まされない。そこで、一か月前ぐらいから、少しずつ自分のペースに合わせた予定を考えなければいけない。しかも、勉強は、目的がなければ大変つまらないものになる。だから、「英語は5位以内を目指そう」「平均が90になるようにしよう」という少し高い目標を掲げて、試験に取り組むことが大切になってくるのではないだろうか。

 確かに、筆記試験や実技試験では分からない実力もあるだろう。また、試験に緊張しすぎたり、体調が悪かったりして本当の力を発揮することが出来なかったりすることもあるだろう。しかし、テストはあくまでも自分の勉強の成果と自分の位置を知る手掛かりなのであり、そう重く捉えることはないのであろうか。「悪いことそのものがあるわけではない。時と場合によって悪いことがあるのである」ように、試験の利点を効果的に使うべきなのだ。実力の明確、弱点の発見、目標を立てる力がつくことを理由に、私はテストはいいものだと思っている。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1ダイアモンドの原石を磨く闇の女帝88122164809586
2真似しないけどそのアイデアもらった!ことのは87124863677490
3それぞれの象徴カモミール83127256588186
4テストの意味さおりん83121854698080
5文化を学ぼうおたまちゃん8399856737892
6親子関係ロールケーキ82104952607484
7日本文化はるかぜ81110652828989
8ハリアイを持って頑張れかゆと8195952657789
9親の主張リザードン8191452697393
10私のテストポセイドン8091656627283

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受験作文は、練習しないと書けないか as/1008.html
森川林 2010/08/31 10:31 


 公立中高一貫校の入試は、学習塾に頼らないでもできるような勉強で受験生の実力を見るということが前提になっています。そのため、詰め込みの知識を見る問題ではなく、考えて解くような問題を出すという工夫がなされています。

 そういう考える問題を毎回作るのは、かなり大変です。しかし、教科の問題作成よりももっと大変なのが作文の問題作成です。

 最初のころの中高一貫校の作文課題は、受験生の実力を軽く見る程度の身近な課題が中心でした。しかし、すぐに受験生がそういう課題に対策を立てるようになると、作文の評価に差がつかなくなりました。

 受験用のテストは差をつけることが目的なので、作文の課題は年々難しくなっていきました。まだ入試が始まってから4、5回しかたっていないのに、今の中高一貫校の入試の作文の課題は、普段の実力だけで準備なしで書ける子はまずいないというぐらい難度の高いものになっています。

 それは、課題が難しいこともありますが、課題のわりに時間がかなり短いことも大きな理由になっています。学校の中には、30分で800字の作文を書くような課題を出すところもあります。大人でも、このスピードで書ける人は限られていると思います。

 そういう無理な試験をするよりも、作文自動採点ソフト「森リン」を使った作文検定を参考にする方がずっと生徒の実力を無理なく正しく評価できると思います。我田引水ですが、「森リン」はこの9月に正式に特許を取得することになりました。

 それはともかく、現状では、作文課題が難しくなっているのはやむをえない面もあります。実力のある子は、練習すればすぐに書けるようになるが、実力のない子は練習してもなかなか書けるようにはならないという差があるからです。

 では、実力のある子は、受験作文のスピードに対応するためにどうしたらよいのでしょうか。それは、スピードを上げる練習をすることではありません。まずは、じっくり充実した作文を書く力をつけることです。中身がしっかり書けるようになったあとに、受験の1、2ヶ月前あたりからスピードを上げる練習をしていくのです。

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sizuku 20160909 51 
30分で800字とは、大人でも難しいと思います。日ごろから内容を充実させるための日々の習慣、構成を決めて一気に書き上げる訓練が必要とされますね。


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受験作文小論文(89) 公立中高一貫校(63) 

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受験に勝つために―そして、受験後にも as/1007.html
森川林 2010/08/30 14:36 


 例年、「受験生は、夏休み前までに過去問を」と、もう何十年も言い続けているのに(笑)、あいかわらず秋から過去問に取り組むという人がかなりいます。

 受験勉強は、情報戦です。旧日本軍と同じように、情報戦で戦略的に既に大きく後れをとっているのに、個々の戦闘でだけがんばるという勉強の仕方をする人が多いのです。

 夏休み中に、自分流の勉強をした人と、ただ漫然と塾や予備校の夏期講習に通った人とでは、大きな差が出ます。夏休み中に自分流の勉強をするために、夏休み前の過去問分析が欠かせないのです。

 夏休み前までの模試はあてになりませんが、夏休み後に行われる模試は、ほぼ正確に実力を反映します。

 受験を左右するのは、偏差値ではなく総合点です。まだ過去問に取り組んでいない人は、過去問を、答えを書き込みながらでもいいので、全教科解いてみて、どの教科でどのぐらい得点するかという作戦を考えていきましょう。

 塾や予備校でも、過去問は仕上げにやると言っているところが多いようですが、それは、生徒が早い時期に過去問に取り組むと対応しきれなくなるという教える側の都合によるものです。

 受験に全責任を負っているのは、本人と保護者だけです。他人に頼らずに自分の判断で勉強に取り組んでいきましょう。


 国語の成績を上げるコツは、ある意味で簡単です。一つは問題文を読む練習をすることです。もう一つは、選択問題の解き方のコツを学ぶことです。選択問題の解き方は、1、2時間もあればすぐに理解できます。

https://www.mori7.com/index.php?e=769


 さて、人生で大事なのは、受験に勝つことでありません。受験が終わったあと、どういう勉強をして、どういう人間になるかということです。

 受験に合格することを目的にしてしまうと、合格したあとに勉強が途絶えてしまいます。

 合格することが目的なのではなく、合格後、又はたとえ第一志望に合格しなかったとしてもその後、社会に出て立派な社会人になり、世の中に貢献していくことが本当の目的なのだと今から話しておくといいと思います。

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低学年で勉強しすぎ、中学年でくたびれてしまう子 as/1006.html
森川林 2010/08/29 19:14 



 低学年で勉強をしすぎ、中学年でくたびれてしまう子がいます。

 中学年で勉強をしすぎて、高学年でくたびれてしまうということもありますが、小学校中学年ごろからは、本人も反発する力ができてくるので、それほど大きなマイナスにはなりません。しかし、強制力がある形で勉強させると、やはり反動も大きくなります。

 やりすぎたためにやる気がなくなった子は、いったん無気力な状態を過ごしたあとに、やがて時間がたってから再び普通の状態に戻ります。それぐらいなら、最初からのんびり遊ばせておけばよかったということです。

 大事なのは、バランスのよい生き方です。人間はやはり、自然に成長するのに近い状態で育てるのがいちばんいいのです。

 人間が自覚して勉強を始めるのは、中学生の終わりごろからです。この自覚した時期からあとに、心ゆくまで勉強した親は、子供が小さいときに無理な勉強はさせません。勉強というものは、いずれやる気になったときにやればいいのだと思っているからです。

 本当に勉強のできる人は、早くやらないと間に合わないというようなことは思いません。しかし、家庭での知的な環境には気を配っています。知的な環境とは、読書をする、テレビは制限して見る、親子でいろいろな対話をするなどということです。

 勉強にくたびれた子供たちに共通しているのは、長い時間をかけて勉強することです。なぜかというと、早くてきぱきと仕上げると、追加の勉強が待っているという環境でこれまで勉強してきたので、いつの間にかそういう環境に適応してしまうのです。

 勉強は、時間をかけてやるものではありません。分量を決めてやっていくことが大事です。そして、決めた分量が予想よりもかなり早く終わったとしても、決してそこで追加の勉強をさせることはせずに、明るく褒めておしまいにすることです。

 そして、そのように早く終わりすぎる状態が継続的に続くようでしたら、そこで初めて分量を再度決めなおすようにすればいいのです。

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小学校4年生での上手さと高校生での上手さとの違い as/1005.html
森川林 2010/08/28 09:27 



 小学校4年生前後は、小学生のうちで作文がいちばん上手に書ける時期にあたります。

 小学校2年生のころまでは、まだはっきりと他人にどう見られるかという意識が出ていません。小学校低学年の子供たちは自分の書きたいことを書くだけで満足しています。他人の目という意識がまだありません。

 小学校6年生以上になると、作文の課題が難しくなり感想も一般化した大きい感想が要求されるようになります。そのころになると、文章を書いて他人から見られるということに逆に抵抗を感じるようになります。

 そういう意味で、小学校4年生前後が自由に生き生きと生活作文を書ける時期になるのです。

 小学校4年生のころは、他人がどう見るかという一種のサービス精神も出てきます。そこで、作文を面白く書く工夫をするようになり、家族や身近な人の面白い場面をわざと取り上げて書こうとします。

 小学校4年生で作文コンクールなどによく選ばれる子は、上手に書くコツというものを知っています。しかし、ここであまり上手に書くことを追求しすぎないことが大事です。なぜなら、小学校中学年の作文で上手に書くことを目的にしてしまうと、かえってその後に行き詰まることがあるからです。

 小学生のころの作文の上手さは、題材(実例)の表現の上手さです。つまり、出来事に依拠した表現の上手さです。社会に出てから書く文章の上手さは、主題(感想)の表現の上手さです。つまり、考え方に依拠した表現の上手さです。

 高校生の後半になって優れた小論文を書ける子供たちを見ていると、その子たちも小学生や中学生のころは特に上手に書いていたわけではありません。ただし、書く実力はあったので、しっかりまともな文章を書いていたという印象です。

 生活作文を上手に書ける小学校4年生のころの作文の目標は、まともに書くこと、つまり正しい表記と読みやすい表現で安定した文章が書けることです。サービス精神のある子は、これに加えて面白い文章を書くことを目指していくとよいでしょう。そして、作文を書く練習と並行して読む力をしっかりつけることです。

 小学校低学年の作文の目標は、毎週楽しく書くことと、やはり読む力をつけることです。

 そのためには、できるだけいいところを見て褒めることと、毎日の暗唱と読書を欠かさないことの二つが大事です。その反対に、避けなければならないのは、書いた作文の欠点を注意することと、勉強に追われて暗唱や読書を後回しにすることです。

 高校生になって優れた文章を書けるようになることを目標に、本質的なことに力を入れた勉強をしていってください。

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中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
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