ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1017番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/1
7月の森リン大賞(中3の部) as/1017.html
森川林 2010/09/11 08:42 

 7月の森リン大賞です。

 掲載されていない作品の中にも、力作がたくさんあります。




 1位の作品は段落のマスが空いていなかったので入れておきました。ワードなどのワープロで作る空白は見た目だけのものなので、いったんメモ帳などのエディタに貼り付けて空白を作っておくといいと思います。


7月の森リン大賞(中3の部59人中)

目的のための所有とは
arugebak

 学校の公民でも習うが、世の中で買えるものには二種類ある。財とサービスだ。この財のなかには一度使うと無くなるものもあるが。一年に何回も使わないものや使う機会が一度しかない割に高価なものさえある。耐久消費財にも使用頻度があるわけだが、結局は捨てる事となる。こういったものを持ち続けるのはムダではないだろうか。今はエコの時代。不景気もあり、一時のためだけに大がかりなものを買って捨ててしまうのは環境にも財布にも悪い。温暖化どころか懐が寒冷化だ。

 そこでどうすべきか。考えられる案の一つがレンタルだ。レンタルと言えばレンタルビデオショップとかレンタカーとかが頭に浮かぶと思う。要は“必要なモノを必要な時に借りていらなくなったら返す” ということ。

 私たち地球人はレンタルの考え方で生きていくべきではないだろうか。

 そのための方法としてまず一つ、モノを持っているということそのものに対する価値観を取っ払うことが挙げられる。

 いわゆる所有欲というのはモノを持っているということそのものに対する価値観を顕著に表す例だ。おとぎ話にでてくる王はこの傾向が特に多いように思える。どんなものでも手に入れたがり、そしてたいして使わずに終わる。また、衝動買いにも同様の傾向が見られる。ぱっと見の印象で高価な買い物をしてしまい結局損をしてしまう。ここで問題なのは買う人の感情がいきなり「買いたい!!」になっているところだ。そもそも買い物というのは「~したい。だから買う」という思考のステップを踏むものだ。この「~したい。」の部分はその買い物の目的を表している。そしてその買うモノに求めるのは目的達成のための機能である。つまり「それを持つとうれしい」などの思考は本来挟まれないのだ。この思考が入る事で思考に余計な雑念が入り結果的に無駄な買い物をしてしまうのだ。

 この本当に必要とされている“機能”の最も純粋なかたちがサービスだと考える事ができる。サービスは“モノ”という付加要素を含まないのでサービスを買うということは“目的の遂行”を買っていると言えるだろう。所有欲の挟みようが無いので冷静な判断が出来る。

 そしてこの考え方に近いのがレンタルの考え方だ。レンタルはその“モノ”を金を出して一時的に買うということ、だがモノの実体は貸し主が持っている。つまり実質的には付加要素“モノ”を含んでいないわけだ。サービスと同様に冷静な判断ができる。

 また、レンタルの考え方は全体に適用したときが特に効力を発揮する。その方法、二つ目は社会全体で互いにレンタルをし合えるよう社会を整備することだ。

 この地球全体の資源は限られている。貴重なモノが社会全体に十分に行き渡らないこともあるだろう。だから社会全体でそういったものをレンタルし合い共有された状態にすることで、社会全体にまんべんなく必要なモノが行き渡るのではないだろうか。

 そもそも貴重な資源の共有は昔、町などで行われていた事と本質的に何ら変わりはない。例えば水をくみに行くという目的の遂行のために町全体で井戸を共有していた。温故知新の精神で効率的な社会を取り戻すべきだと思う。

 とはいえ、こんな共産主義的システムが浸透するには国が大きな力で人々を動かすための努力が必要だ。また、持っていることで生じるただ持っている事以上の要素。思い出、誓いの証、形見を忘れてはいけない。しかし、これらは思い出、誓いの証、形見を意味上の機能としたモノだといえるだろう。しかし「成功の秘訣は目的への節操である。」という名言もあるように、ただモノを持つ事ではなく目的のための所有をし、他人と助け合う無駄のない生き方をしたい。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1目的のための所有とはarugebak89151862819089
2制服の利点S-124089126261758484
3「人助け」という社会貢献音楽大好き少年89125064737990
4見えぬものに宿る価値おむふ8818336811410781
5自分なりにだるまー8699858748197
6カメうさちゃん8098649617381
7目標に向かってsnow boy7687752546887
8ウサギとカメAIRIOKA7682653576389
9ウサギと自分疾風7680556606386
10「レンタル」の考え方ショウ7682652536097


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

じゃじゃまる 20100914  
この作文で、地球の資源は限られているから、資源を供給しあうためレンタルする、というアイデアに、とても驚きました。大きな視野で物事を見ていて、面白かったです。確かに、使わないものを自分以外の人が欲している時、その人へ貸してあげれば、ものは一つで済むかもしれない。もし、壊れたり返さなかったら、買い取ってもらえばいい。なんて、自分でも色々考えさせられるアイデアでした。


森川林 20100915  
 今、カー・シェアリングなどで自動車を共有して利用する会社が伸びているようです。これからこういう形が増えると思います。
 考えると、派遣労働などというのも、一種のレンタルですが、人間のレンタルというのは、何か問題がありそうですね。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 

記事 1016番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/1
7月清書の森リン大賞(中2の部) as/1016.html
森川林 2010/09/10 08:38 



 掲載が遅くなりましたが、7月清書の森リン大賞です。

 中学2年生は、複数の意見を総合化する練習なので、まとめの意見を書くところがかなり難しいと思います。



7月の森リン大賞(中2の部66人中)

子供と大人
文鳥

 日本には赤ちゃん言葉が多い。お母さんは子供に語りかけるときに「ご飯食べる?」の代わりに「マンマ食べる?」や、車を指差して「ブーブーよ!」と言う。同一の女性が他の成人に対してそのような言葉を言ったら、奇異に受け取るのは間違いないとみて良いだろう。反対に、フランス語では、赤ちゃん言葉は殆ど使われないという。4語といくつかがあるだけで、あとは大人と接するのと大差ない言葉を使用する。ただ、口調の音は高くなり、抑揚は通常以上に誇張されることが明らかにされている。また、日本では家族の呼び方についても子供中心である。このような背景がいくつもかさなり、日本では優しいが依存心の強い子供ができ、反対に、欧米では独立心はあるが気の強い子が出来るのだ。

 日本人のように、子供の視点にあわせた子育ての仕方は良い。なぜなら、その方が親からの愛情を感じやすいからである。子供は大人のコピーではない。故に、いきなり大人に普通の言葉を使われても難しいだろうし、子供の視点にあわせた子育ての仕方からも学べることはあるはずだ。例えば、優しさや、思いやりである。自分がそのように育てられればその子供が大人になってもまた、自分の子供だけでなく、他人の子供にも合わせて会話が出来るようになるのだ。また、他人に合わせてコミュニケーションをスムーズかつ温和に進めることが出来るということもある。だから、「日本人は自分の意見を言わずにはっきりしない」とか言われてしまうのかもしれないが、そこにも前述したようなメリットがあるのは否めないだろう。短所も裏を返せば長所になり、反対に長所も裏を返せば短所になる。長所と短所は表裏一体なのだ。コミュニケーションを温和に進めることが出来れば、それは外交でも役立つだろう。外交で役立てば日本は良くなる。・・・・これが勝利の連鎖!!!何の勝利かは私にも不明だが、まあ、善であることには違いないだろう。

 しかし、フランスのように子供を小さな大人として扱う子育ての仕方にも良いことがある。このように小さい頃から育てておけば、自分も社会の一員、大人の一員であるという意識が早々に芽生え、マナーも守れるし、ルールも破らないと思う。まあ、人間十人十色なので、中にはルールを破ってしまう人もいるかもしれないが・・・。だが、フランスだけでなく、ヨーロッパの諸国は食事のマナーや、振る舞いに厳しい国だという。男の子は小さい頃から紳士としての心得を学ばされ、女の子も立派な女性になるために様々なマナーを成長していくうちに学んでいく。確かに、平成になってから女も対等に扱われるようになってきたとはいえ、日本にはいまだに男尊女卑の傾向があることは否めない。それに対して、ヨーロッパはレディーファーストの精神があり、女性も男性も対等に扱う・・・下手したら女性の方が敬われているかもしれないが・・・というマナーが存在する。この点はやはり、ヨーロッパの子育ての仕方が影響しているのだろう。

 確かに、子供の目線に合わせた子育てにも、子供を小さな大人として扱う子育てにもそれぞれの良さがある。それは、欠けてはならないし、必要不可欠なものだ。だが、一番大切なのは『ロバが旅に出たところで、馬になって帰ってくるわけではない。』という名言があるように、自分の手で愛情を持って子供と接することだ。そのことを忘れてはいけない。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1子供と大人文鳥88139264727886
2太陽と地球こゆき88139259717792
3場面に合った態度をとるえみり86107159868886
4手助けとおせっかいたけたけ86112968687487
5障害者なまず大使84145159616595
6善か悪かさくら83111754597987
7ベビートークひよこ82105859719287
8子育てシャミ82113747586983
9小さな社会人を育てるきとみ81105062586486
10信頼される人間201系79115646828583


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 
コメント211~220件
……前のコメント
幼長や小1から 森川林
 小1のころに大事なのは、勉強の中身よりも、読書や発表や友達 11/15
記事 4570番
勉強する意欲は 森川林
 子供たちの家庭学習でいちばん大事なのは、読書です。  中 11/14
記事 4569番
発表力を伸ばす 森川林
 発表力というのは、まだ成績の評価のような形になっていません 11/8
記事 4563番
偏差値を超える 森川林
 人に言われたことを言われたとおりにやっているだけなら、勉強 11/6
記事 4561番
田舎でこそでき 森川林
 資本主義の先にある新しい社会の中心となる理念は創造です。 11/6
記事 4560番
田舎でこそでき 森川林
 大きな歴史的枠組みで見ると、現代は、物の生産を中心とした資 11/6
記事 4560番
言葉の森が考え 森川林
 今の教育の諸問題のほとんどは、オンライン4人クラスで解決し 11/4
記事 4559番
暗唱の練習は、 森川林
 言葉の森の暗唱の方法が、いちばんやりやすいと思います。 11/3
記事 4558番
新しい講座、土 森川林
  私も、小学校時代は、いつも退屈で、毎日窓の外を見ては、「 11/3
記事 4557番
新しい講座、土 森川林
 勉強ということはあまり考えずに、読書と対話ということで参加 11/1
記事 4557番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習