ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1021番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
言葉の森の受験作文指導(その2) as/1021.html
森川林 2010/09/18 09:15 



 ところで、受験に合格するための作文は、少し性格が違います。根っこの部分を充実させることはもちろん大切ですが、受験までの数ヶ月で実力をつけるというわけにはいきません。

 受験のための作文は、今既にある実力の範囲で、できるだけ合格できそうな作文を書くことにあります。(と、ここまでが前回の話)


 合格を目的として作文を書く場合も、言葉の森の独自の指導法が生きてきます。言葉の森の指導の特徴は、作文を書く前に事前の指導をする点です。どういう構成で、どういう点に注意して書けばいいかということを事前に指導できるので、子供たちは迷わずに書き出すことができます。

 そして、普段からこのように構成的に書く練習をしていると、試験の本番でも自然に全体の流れを意識して書くことができるようになります。

 作文を書く場合、ほとんどの人は、まず書き出して、あとは考えながら書き進めるという形で書いていきます。自分の趣味で文章を書く場合は、これでいいのですが、受験という限られた時間で与えられた課題で書くときは、書きながら考えるというやり方では出来不出来の差が大きくなりすぎます。

 全体の構成を意識して書くと、常にある一定の文章が書けるようになります。つまり、全体の構成を考えて書く書き方は、上手に書くための条件ではなく、下手に書かないための条件なのです。

 そして、この下手に書かない書き方ができたら、あとは、実例と表現の部分で上手に書く練習をしていきます。

 作文というものを、構成、題材、表現、主題、表記という5つの面から見た場合、構成は、意識的に構成を考えて書くことによって力がつきます。言葉の森で勉強している生徒は、構成のしっかりした作文を書くという特徴があります。

 題材(実例)と表現は、偶然に左右されやすいものです。だれでも、たくさん書く中には、必ずいい実例といい表現が出てきます。その実例と表現を自分の作文の武器としていつでも使えるようにしておきます。合格する作文を書く場合、この実例と表現の練習をすることが最も重要です。

 主題(意見・感想)は、人による差がそれほど大きくはありません。人間の考えることはだれでの同じようなもので、特にユニークな意見を書こうと無理をすると大体失敗します。自分が普通に考える意見や感想を書き、そのかわり、実例と表現の部分で個性を出していくというのが上手な作文を書くコツです。

 表記というのは、「漢字を使って書く」「誤字がないようにする」「常体か敬体に統一して書く」「段落をつける」などのことです。誤字をなくす練習は、かなり時間がかかります。しかも、誤字は勘違いして覚えているというケースがほとんどですから、実際に作文を書く中で誤字を発見するというやり方しかありません。そのためにも、作文の練習では、まず書いてみるということが大事です。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
受験作文小論文(89) 言葉の森の特徴(83) 

記事 1020番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
作文教室「言葉の森」の受験作文指導 as/1020.html
森川林 2010/09/17 11:34 



 世の中には、作文教室という名前の教室はいくつもありますが、言葉の森のように作文だけを専門に教えているところはほとんどありません。しかも、幼稚園年長から高校3年生、場合によっては社会人まで一貫して指導しているところはまずありません。

 世間の多くの作文教室は、国語の勉強に付属する形で作文の指導をしています。それは、ひとつには、作文を学びたいというニーズが生徒の側にそれほどないからです。もうひとつには、作文の指導は教えるにも評価するにも手間がかかるが、そのわりには成果が出ないからです。国語の勉強として漢字の練習や読解の練習などを中心に行えば、教えやすく成果も出やすくなります。

 言葉の森で、国語的な勉強をほとんど行わないのは、国語の力は先生が教えるようなものではなく、生徒が自分で身につけるものだと考えているからです。その具体的な方法として、今力を入れているのは、長文の暗唱、毎日の読書、問題集読書、四行詩、課題をもとにした親子の対話などです。

 作文力は、国語力の集大成のようなものです。作文の実力の中に、その子のトータルな国語力が表れます。しかし、その作文に見られる実力は、国語力の結果ですから、作文だけを指導しても作文力はなかなかつきません。親や先生がよく誤解するのは、ここです。

 樹木を育てる例で言うと、問題は根っこの部分にあるのに、つい表面に出ている葉っぱや花の部分を手直しすれば、いい木になるように勘違いしてしまうのです。根の部分をそのままにして、葉や花の部分を注意するという形で指導することはできなくはありません。しかし、それは指導をする形ができているだけであって、そういう指導で作文の実力がつくわけではないのです。

 よくたっぷり赤ペンを入れることがいい指導をしたことになるような錯覚を多くの人が持ちがちですが、その赤ペンには先生の努力のあとが見られるだけであって、生徒の実力がつくことにはつながりません。生徒の実力がつくのは、根の部分である家庭での暗唱や読書や対話を充実させることによってです。

 ですから、毎週作文を書くのは、その作文を直して上手にするためではなく、毎日の自習の成果が作文に出てくることを確認するためなのです。


 ところで、受験に合格するための作文は、少し性格が違います。根っこの部分を充実させることはもちろん大切ですが、受験までの数ヶ月で実力をつけるというわけにはいきません。

 受験のための作文は、今既にある実力の範囲で、できるだけ合格できそうな作文を書くことにあります。(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森の特徴(83) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習