10月からの新しい教材を、本日21日(木)発送しました。
項目表と住所シールについては、10.1週に「山のたより」と一緒に発送します。
新学期の教材で、変更箇所がいくつかあります。
(1)長文が横書きルビ付きになりました。
(2)短文集がなくなりました。
(3)読解マラソン集が新たに12ページ分加わりました。(ただし小1以上)
(4)毎日の自習は、(A)その週の課題の長文を音読(5分程度)、(B)読解マラソン集を3編分音読(15分程度。小1以上)、の二つです。(短文暗唱はなくなりました)
時間が取れない人は、長文の音読だけでもかまいません。
以上です。
読解マラソン集については、先生のほうでは特にチェックはしません。
ホームページに、自分で記録できるページがありますから、インターネットに接続できる人は、そこで毎週の読解マラソン集音読の記録をしておくといいと思います。
https://www.mori7.com/marason/index.php
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はじめまして。
年長からお世話になり、ほぼ一年が経とうとしている、子どもの母です。
作文教室は、先生との楽しいお話しと、文通に近い形で、楽しく取り組んでおりますので、大変、感謝しております。
さて、10月からの教材で、疑問に思うことが有りましたので、質問させていただきます。それは、長文、読解マラソンとも、横書きになったことです。もともと日本語は縦書き文化ですし、多くの本も縦書きです。また、作文を書く子どもの原稿用紙も縦書きです。目は、上から下へ流れるように慣れること、文字は上から下へさらさらと書くことに慣れることは、日本語を学習する上では、大事ではないでしょうか。「作文教室」に横書き教材は、少々なじまないのではないかと思います。
コメントありがとうございます。
言葉の森の教材は、これまで縦書きと横書きを混在させていました。
今回、横書きに統一したのは、
(1)縦横混在だとどちらか読むのかわからない(笑)という声がときどきあること
(2)長文をすべてルビ付きにすると、現在の技術では縦書きにはできないこと(言葉の森の教材は自動的にルビをふっているので)
(3)子供たちの読書環境はほとんど縦書きなので、縦書きに触れる機会は十分にあること
(4)中学・高校・大学入試で作文や小論文の課題が出る場合、課題も横書きで書くのも横書きというスタイルが増えていること
という理由からです。
私(森川林)も個人的な好みとしては縦書きのほうがいいのですが、以上の理由から横書きにしました。
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新学期の長文集の小学1・2・3年生の文章を中心に、ルビをふっていく予定です。
ルビをふる理由は、漢字を読み間違える生徒が多いためです。
もともと長文は、ルビなしの文章を、お父さんお母さんに読み方を聞きながら読むことを目的にして作られていました。ルビなしで読んでいくと、漢字を漢字のまま読む力がつきます。湯川秀樹が、小学校低学年のときに論語の素読をしたときの読み方も同じでした。
しかし、現実に、多忙なご両親が、毎日長文の音読を聞き、そのつど読み方を教えるということは難しい面もあるようです。このため、中学生になると、読み方を間違えたまま長文を読んでいる生徒がかなりいました。
そこで、印刷物の長文はルビ付きにして、ルビなしの長文はウェブに掲載するようにしました。
ルビなしで読む力をつけるという考えは、いろいろな勉強の仕方に共通します。
例えば、音楽の音符を読むときに、「ドレミ」などの文字を書いてしまう人は、なかなか音符を読めるようになりません。
英語の文章を読むときに、日本文のようにうしろから戻って読む読み方をしていると、なかなか英語の文章に慣れません。(例えば、I can’t speak English.という英文の読み方は、「私は、英語を話すことができない」と訳しながら読むのではなく、「私は、できない、話すことを、英語を」という調子で読むということです)
海辺で暮らしている人は、スイミングスクールなどに通わなくても自然に泳げるようになります。
難しい文章に接していると、解説を聞かなくても自然に大体の意味がつかめるようになります。
勉強の基本は、習うより慣れろで、その能率を高めるために知的な学習があります。
ルビ付きの長文で読み方を覚えたあとは、ぜひウェブのルビなしの長文にも挑戦してみてください。
さて、このルビの歴史です。
戦前までの新聞は、ほとんどルビつきで印刷されていました。これは、国民教育という観点から、国民がすべて必要な文章を読めるようにするという政策の一環でした。
しかし、戦後、日本が侵略戦争の道に進んだのは、正しい世論が形成されなかったためで、それは日本語に難しい漢字がありすぎたためだという議論が出てきました。当用漢字(今の常用漢字)は、このような議論の中で制定されました。
当時は更に過激に、日本語をローマ字にしようとかひらがなだけにしようとかいう意見もあったようです。中には、日本語をやめてエスペラント語やフランス語を国語にしようという人もいたぐらいですから、いかに当用漢字が熱狂的な空気の中で制定されたかがわかります。(「エスペラント語や」の部分は元の資料未確認のため削除します)
当用漢字の制定と合わせて、ルビをふらなければ読めないような漢字を使うのはやめようという考えが出てきました。これに、細かいルビの字は目に悪いという意見も加わりました。
その結果、戦後の新聞は、当用漢字のみでルビなしという形でスタートしました。
しかし、このルビなしの影響は、意外なところに現れました。これまで、ルビがあれば大人の読む文章も平気で読んでいた子供たちが、子供向けに書かれた優しい文章しか読めなくなったのです。日本人の総体的な読解力低下には、このことが一つの大きな原因となっています。
現在、ルビを復活させようという声が出ているのは、以上のような背景があるからです。
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>中には、日本語をやめてエスペラント語やフランス語を国語にしようという人もいたぐらいですから
フランス語を採用しようと提案した人は比較的知られていますが、「日本語をやめてエスペラントを国語にしようとした人」は私は思い浮かびません。具体的なことをご存知でしたらお教えください。
エスペラント語を国語にという議論を読んだことがある気がしたのですが、元の資料がわかりません。
不正確なので、この部分は訂正しておきます。
ご指摘ありがとうございました。
エスペラントは「国際共通語」ですので、日本国内で日本語の使用をやめてエスペラントを国語に採用しようという提案をエスペランティストがすることは考えられません。ただ、エスペラントを知らない人がそういう提案をしたことがもしかしてあったかもしれず、そのような事例をご存知なのかと考えて質問しました。
ご訂正、ありがとうございます。真摯なご姿勢に敬意を表するものです。
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10月の新学期から、長文の数を増やし、読解マラソンができるようにしていく予定です。
それに関連して、長文を横書きにして、ルビをつけるようにするつもりです。
今日は、ルビを自動的につけるスクリプトを作っていました。
●https://www.mori7.info/musi/123456.php
苦労したのは、「取り組む(とりくむ)」などとなってしまうのを「取(と)り組(く)む」と表示できるようにしたところです。(大した苦労ではありませんが(^^ゞ でも、いろいろ手直しが必要で、ほぼ一日かかってしまいました。(T_T))
月曜日は、新しい課題フォルダを作る予定です。
以上、ささやかな近況報告。
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子供たちの思考力・記述力の低下が指摘されています。
朝日新聞7月15日の記事より。
「国立教育政策研究所は14日、全国の小学4年〜中学3年の約3万7000人を対象に初めて実施した国語と算数・数学の「特定課題調査」の結果を公表した。難点として浮かび上がったのは、論理的に考えたり、筋道立てて考えを表現したりする力。答えは出せても、そこに至る過程を説明できない傾向もあり、研究所は「国数ともに、文章をもっと書かせる指導が必要」と指摘している。」
同じく、朝日新聞9月1日の記事より。
「単純計算よりも理解力に難点——。文部科学省所管の財団法人「総合初等教育研究所」が全国の小学生約9000人を対象に実施した計算力調査で、単純に数式を解く計算技能よりも、計算技能を支える「理解力」に課題があることがわかった。理解力を試す問題では、正答率が3〜6割と低いものもあった。単純な計算技能については、98年の調査結果とほぼ同じ水準だった。」
教室の子供たちを見ていると、考える問題に喜んで取り組む子と、考える問題を最初から放棄する子に分かれるようです。
その差は、ひとことで言えば日本語力の差です。考えることが苦手な子は、考える問題に対して、自分の日本語力がついていかないために考えることをあきらめてしまうのです。
その原因は、単純な技能や記憶が評価される一方、じっくり考える力が評価されない今の教育環境にあります。
学習教材のほとんどは、単純な技能や記憶の再現を評価する形で作られています。eラーニングというと、名前こそ新しいように聞こえますが、その中身は旧態依然の知識の定着度を調べるだけのものです。
基本的な技能や知識を習得することはもちろん大切ですが、問題は、そこに重点が置かれすぎていることです。漢字の書き取りや、算数の計算問題は、先生も教えやすいし、子供も取り組みやすいし、親も満足しやすい勉強形態です。そしてまた、そういう教材は作成が容易です。
このために、現在の日本では、理解を伴わない単純な反復型の勉強が主流になり、その結果が思考力低下という教育調査として表れているのです。
では、家庭ではどのように対策を立てたらいいのでしょうか。
いちばんやりやすいのは、日常生活の中で、親が子に理解力を必要とするような会話をすることです。
例えば、「たまごやきを作ったこと」などの作文課題で、たまごやきを親子で作るときなどに、「はい、たまご」「ほら、割って」「ふた、しめて」「それ、できあがり」というような言葉の羅列だけで会話をしていてはだめです。
「たまごの殻というのは、ヒナが割って出てこられるぐらいにやわらかく、でも、親鳥が温めるために上に乗っても壊れないぐらいにかたくできているんだよ。だから、たまごを割るときはそのヒナが殻を割るぐらいの力加減でやる。それ。あ、失敗しちゃった」などのように、子供が実際の必要性から聞きたくなるような場面で、理由や原因がわかるような長い文を、面白おかしく楽しく話してあげることです。
小学生のうちに、このような会話の環境で育った子は、自然に理解力・思考力が備わってきます。
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子供向けの本というと、ほとんどが物語です。もちろん物語も大事ですが、自然科学や社会科学などの本があまりにも少ないように思えます。
しかも、その数少ない科学の本の多くは、子供向けに内容を薄めて書いているようです。言わば、学習漫画を文章にしたような内容なのです。その結果、科学の本の多くは、断片的な知識だけを提供するような作りになっています。
私はもっと、原因や結果を構造的に考えさせるような子供向けの科学の本が登場するべきだと思っています。その点で評価したいのが、今は絶版となった「世界ふしぎめぐり」シリーズです。また、毎日小学生新聞などに掲載される子供向けの解説記事にも優れたものがあります。また、物理学者寺田寅彦のエッセイは、この分野では古典と言ってもいいでしょう。
世間でよく売れている科学の本に共通する大きな弱点は、文章が雑だということです。知識をわかりやすく伝えるという目的のために、表現をくずしているところがあるのです。例えば、次のような書き方です。
「気孔は、二酸化炭素をすって、酸素をはき出す場所だったよね。○ちゃんが葉っぱの裏側に多いって言ってたけど、実は表や茎にも少しはあるんだよ。ただ、圧倒的に葉っぱの裏側が多いんだけどね。」
知識を必要以上に正確に伝えようとすれば、文章はどうしてもつまらなくなります。そこで、話し言葉を多用して敷居を低くしようとしているのです。それはもちろん善意の試みです。しかし、子供の本という本来の目的から見るとやはり方向がずれているのです。
子供向けの本は、理科や社会の知識を詰め込むために読ませるものではありません。自然や社会の構造の不思議さに感動するためにあります。そのためには、細かい網羅的な知識は大胆に省略し、肝心の仕組みだけを格調の高い文章で書く必要があります。
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森リンの点数を修正しています。
1、カタカナの一部も重量語彙に含まれるようにしました。
2、素材語彙・重量語彙・強力語彙のそれぞれに文書出現頻度の重み付けをしました。(これまでの1万件の作文から約10万語について、「idf=log(全文書数/出現文書数)」を計算し、その数値にこれまでの点数との継続性があるように係数をかけました。
その結果、普段あまり使われていない語彙で書かれた作文は点数が高めになっています。
本当はこのあと、課題と文章の一致度を評価する仕組みも入れるようかと思っていましたが、実際上の効果があまり見込めないので見送りました。
※idf……inverse document frequency(文書の頻度の逆数)
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欠席の連絡があるときは、「伝言メール」のページから送信すると、先生にメールで直接連絡が行きます。
https://www.mori7.com/outi/d/
授業のある時間の直前に連絡をしても対応できますのでぜひご利用ください。
(これまでのように、電話で教室にご連絡いただいてもけっこうです)
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桑田です。昨日は用事があった為電話に出ることが出来ませんでした。連絡が遅くなってしまいすみませんでした。
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