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構成図がなかなか書けないとき as/1037.html
森川林 2010/10/08 09:26 



 先日、「構成図が書けない」と、小学校3年生の子のお母さんから相談がありました。構成図が書けないので、作文が負担になっているかもしれないというのです。

 作文の勉強は楽しく書くのが最優先なので、こういう場合は構成図を書かなくてかまいません。しかし、それは次善の策です。いちばんいいのは、楽しく構成図を書けるようにすることです。

 構成図は、書ける子と書けない子がある程度分かれる傾向にあります。書ける子はすぐに書けるし、書けない子はなかなか書けません。

 それは、主に考え方の違いによるものです。構成図という名前から、作文の設計図を書くつもりで真面目に考えると、筆がなかなか進みません。

 そうではなく、思いついたことをただ列挙するつもりで書いていきます。だから、作文の中身と関係があまりないと思われることもどんどん書いてきます。

 何しろあまり止まらずに書いていき、もし書くことに詰まったら、これまで書いた別のところから枝を伸ばして書いていきます。

 関係なさそうなこともどんどん書くというのは、言い換えると、テーマとは直接結びつかないかもしれない似た話も書いていいということです。

 課題フォルダの10.1週にヒントの絵がかいてありますが、これだけではわかりにくい場合は、お母さんやお父さんが手ほどきをしてあげるといいと思います。

 子供が、「構成図がなかなか書けない」と言ったときは、お母さんが横にすわり、構成図を一緒に埋めていきます。その場合、できるだけ気軽に、よい意味でいい加減に書いていくことが大事です。その方が、子供も気楽に書けるようになるからです。

 親が子供のころ自分でやったことのないものは、どうしてもアドバイスが観念的になりがちです。ですから、構成図を書く練習は、最初はお母さんやお父さんの練習も兼ねて一緒にやっていくといいのです。

 このようにして2、3回一緒に書くと、大体の子は書き方の容量がわかり、自分で書いていけるようになります。

 下記のページに、構成図の書き方の例が書いてありますので、参考にしてください。

https://www.mori7.com/as/974.html

 なお、構成図が考えを深めることに役立つのは、主として作文のジャンルが説明文や意見文になったときです。小学校4年生までの事実中心の生活作文では、構成図を書くことに特に大きな意義があるのではなく、高学年になったときの準備としてやっているという位置づけです。

 しかし、小学校3、4年生でも、作文の字数がなかなかはかどらない場合、構成図を埋める練習をすることによって、作文がより楽に長く書けるようになります。

 構成図は、気軽に書くことが大事です。なかなか書けない場合は、周りからあまり、「ああせい、こうせい」ということは言わずに、お母さんが一緒に手伝って実際に書いてみるということでやっていってください。

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森川林 2010/10/07 09:25 



 前回、「競争を超えて」というタイトルで書きました。では、競争に代わるものは何でしょうか。それは、心をこめることだと思います。

 子供の教育で、競争や賞罰に頼るのは子育ての下手な人です。競争や賞罰を全くなくすことはできませんが、その割合を極力少なくしていかなければなりません。

 人間は、アメとムチで簡単に動かせるものではありません。そして、人間の意識はここ十数年の間にますます進化しています。競争や賞罰は、次第に効果が出なくなっているのです。

 人間がアメとムチの使い分けで動くと思う親や先生は、自分自身が同じようにアメとムチで動くかどうか考えてみればわかると思います。そういうレベルの低いコントロールには、従う人がどんどん少なくなっているのです。

 これは、人間どうしの関係だけでなく、国と国との関係でも言えます。昔は、武力と経済力で他国を支配することができました。これからは、急速にそういうことができなくなっています。

 では、競争や賞罰に代わって何が大事になっているかというと、それは心です。子供の教育に関して言うと、子供をコントロールする力は、強力なムチでも魅力あるアメでもなく、親や先生の心からの○○なのです。この○○の中に、賞賛、信頼、叱責などいろいろな言葉を入れることができますが、要するに、心から子供に接するということです。

 褒める場合でも、言葉の上だけで褒めるのではなく、また賞をつけて褒めるのでもなく、心から褒めるということです。叱る場合でも、口先だけで叱るのではなく、また「○○をしないと□□をさせない」というような罰を与えて叱るのでもなく、心から叱ることです。

 先日、小学校高学年の男の子のお母さんから相談の電話がありました。その子供自身は作文がよく書ける子ですが、ときどき母と子の間でいざこざがあるようです。そのときの相談の内容は、「作文をなかなか書き出さない」「作文を書かないと、好きなサッカーをやめさせると言っているが言うことを聞かない」「子供は、もっといい賞品が出ないとやる気にならないなどと屁理屈を言っている」ということでした。もう、そのままです(笑)。

 親が口先で子供をやる気にさせるつもりで、「○○しないと□□させない」「○○したら□□させてあげる」などと言うので、子供はかえって、親のその見えすいたコントロールに反発してしまうのです。もちろん、子供自身はそういうことを自覚していません。しかし、敏感な子はそれを感じてしまうのです。

 子供が親と同じような低いレベルに反応する子であれば、うまくいくかもしれません。ところが、子供の方が親よりも純粋なので、親に反発してしまうのです。だから、これは子供の問題ではなく親の問題です。

 では、親は何をしたらいいのでしょうか。それは、親自身が自己を向上させることです。

 親が、自分は多忙や疲労を理由に安逸な生活を送り、子供にだけ勉強をさせようとするから、アメとムチという発想しか出てこないのです。親がまず自分の人生をしっかり生きることが大事で、そこで初めて子供に対しても、心からの言葉をかけることができるようになるのです。

 では、親が自己を向上させるというのは、どうしたらできるのでしょうか。人生の目標は人によって違うので、一概に言うことはできませんが、共通するのは読書をすることだと思います。子供と同じになってしまいましたが(笑)。

 要するに、働くでも、学ぶでも、遊ぶでも、親が気迫のある生き方をしていれば、言う言葉にも自然に心がこもり、子供も自然に親の言うことを聞くようになるのです。

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